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春一番の翌日に雪?今夜東京都心で降れば12年ぶり。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
関東で春一番の翌日に雪の可能性。(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

春本番から冬へ逆戻り

北風に変わり、冬の空気に(気象庁HPより)
北風に変わり、冬の空気に(気象庁HPより)

昨日(17日)は関東地方で春一番に伴う強い南風が吹き荒れて、各地で気温が20℃前後に達する春本番の陽気となりました。

ところが春一番のあとは必ずといって言いほど北風に変わり、寒くなります。

今回も然り。けさはもう関東の全域で北風に変わり、冬の空気に戻っています。

さらに今後は上空に真冬の強い寒気が流れ込むため、今夜は関東の平野部でも雪が降る可能性が出ています。

春一番の翌日の雪は12年ぶりとなるが・・・

もし東京都心(関東地方)で春一番が吹いた翌日に雪を観測すれば2005年以来、12年ぶりとなります。

この年は2月23日に春一番が吹いて19.4℃まで上がりましたが翌24日には寒気が入るとともに南岸低気圧が進んできて、夕方には冷たい雨が降り出し、夜遅くからみぞれや雪となりました。

また1966年と1962年にも春一番の翌日に雪が降った記録があります。

寒気流入で雪雲や雨雲が発生へ

18日21時の天気図(気象庁HPより)や上空寒気の予想。
18日21時の天気図(気象庁HPより)や上空寒気の予想。

きょうは西高東低の冬型の気圧配置となっています。

こんな時は通常晴れる関東地方でも、上空の寒気の入り方次第では雪や雨が降ることがあります。

今夜の予想天気図をみると、関東の南海上で等圧線が高気圧側にへこんでいる所がありますが、これを気圧の谷とも呼んでいます。

このような所ではへこんでいる部分の北側に曇天域が広がり、雲がより発達すれば雪や雨を降らせることがあるのです。

今回もこの気圧の谷の北側に沿うように、帯状の雲域が北陸~関東付近まで覆う予想となっています。(図中緑色の部分)

関東で降雪というと、まず第一に南岸低気圧によるものが圧倒的に多いのですが、このようなパターンでも寒気が強ければ関東平野部にも降雪をもたらし、時にうっすらと積雪することもあるため、意外と注意が必要な気象現象と言えます。

今夜遅く~あす未明にかけて雪雲が広がる予想

18日(土)21時の雨雲や雪雲の予想(初期値18日午前3時)
18日(土)21時の雨雲や雪雲の予想(初期値18日午前3時)

コンピュータの予想(GSMモデル)では、今夜21時頃には関東西部の山沿い(秩父、奥多摩、丹沢など)で弱い雪雲が発生し、深夜にかけて関東平野部にも広がる予想です。

19日(日)午前1時の雨雲や雪雲の予想(初期値18日午前3時)
19日(日)午前1時の雨雲や雪雲の予想(初期値18日午前3時)

降水現象がピークとなるのはあすの未明とみられ、関東南部を中心に広く雪や雨が計算されています。都心部では雪かみぞれかといった予想です。

ただ降水自体は弱い計算で、総降水量も数ミリ以下の所がほとんどです。

もし雪で降ったとしても、多く積もることはない予想ですが、郊外ではうっすら積もってもおかしくない気象条件ですから、念のため、明朝は路面の状況に注意をして頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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