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木村拓哉、初めての世界『アイムホーム』。製作発表も男前。

杉谷伸子映画ライター

木村拓哉テレ朝連続ドラマ初主演ドラマ初共演上戸彩と夫婦役を演じるのも話題の『アイムホーム』。4月6日、その製作発表記者会見が六本木ヒルズアリーナに550人のファンも参加して行われた。

石坂啓の漫画『アイ’ム ホーム』を原作とする本作で木村が演じるのは、事故によって直近5年ほどの記憶が曖昧になってしまった男・家路久。なぜか自分の妻(上戸彩)と息子(高橋來)の顔が仮面をかぶっているように見えてしまう一方で、ときとして離婚した妻と娘の住む家へ帰ってしまう彼が、手元に残った謎の10本の鍵の束を元に、空白の時間を探るうちに、冷徹な仕事人間だった過去の自分を知っていくというもの。

10本の鍵の束の謎とは? 元の妻子とはなぜ別れてしまったのか? そして、なぜ、現在の妻子の顔が仮面に見えるのか?

元妻役に水野美紀、異動先の上司に西田敏行、久の主治医の脳外科役に及川光博ら、豪華キャストで、描くミステリーホームドラマである。

アクションあり、笑いあり

「個人的にはここ六本木のテレビ朝日さんで連続ドラマに参加させていただくのは初めてになりますが、非常に緊張はしてはおりますが、楽しい仲間、新しいクラスメイトとともに毎日楽しく撮影しております。出来上がりをぜひ。ちょうどですね、今日、この会見の前もこの会見の後も撮影のほうをさせていただくんですけれども、今日をもちまして1話を全部撮りきります。無事にオンエアの日を迎えられると思いますので、楽しみに待っててください」と、冒頭に挨拶した木村。

「毎日、木村さんと、そして來くんと撮影をさせていただいてるんですけれども、とっても賑やかで笑いの絶えない、楽しい現場を過ごさせていただいています。出来上がりはですね、私は家のシーンにしか出て来ないもので全体的にどうなっているのか、わからないんですけれども、先ほど3分くらいの予告編を見させていただいて、すごく面白そうだなとワクワクしています。初回をハッピーに迎えられるように、みなさんのお力をどうか貸してください」と上戸。

ミステリーではあるものの、製作発表で披露された予告映像は、ワイヤーを使ったアクションシーンもあれば、コミカルなテイストもふんだん。豪華キャストが一堂に会した製作発表も笑いが絶えず、チームワークの良さをうかがわせた。

木村の膝の上で

本編では使用されなかったというウエディングドレスの上戸をお姫様抱っこする写真なども公開され、床に降ろすときも木村がいかに衝撃が加わららないようにと気遣ってくれたかを上戸が明かすなど、ドラマの設定とは裏腹に、家路ファミリーを演じる3人も仲睦まじい。

なかでも高橋が木村の膝の上にずっと座っている光景は、まるで本物の親子のよう。

「ほんとはですね、宣伝部の方に“椅子がちゃんとあるので座るように”と言われたんですけれども、“どうする?”って言ったら、“僕はここ(木村の膝)がいい”って」と、隣に用意された椅子が空いたままである理由を木村が説明すると、「かわいいー!」と会場から歓声が上がる一幕も。

それでいて、ドラマにちなんで行われた心理テストでは、木村が高橋に顔を近づけて何ごとか話すと、高橋は回答用のフリップが用意された自分の席に着いてテストに参加。

さらに、「ほかに好きな人が出来たといって去っていった恋人からもらった効果なジュエリーをどうするか」という2問目では、「來くんはちょっと休憩ね。大人の質問だから」という提案もあるなか、「大人子供は関係ないと思うので、自分が真剣に説明しますので。ちょっと待ってください」と、木村が高橋に顔を寄せて話しかける。高橋も一生懸命に話を聞いて、ちゃんと回答するという具合。

高橋が6歳でも、同じ演者として一個の人格として扱うその姿は、まさに木村拓哉。「來の目線に立ってお話しされますし、私とも私の目線に合わせていろいろ話してくださる」という上戸の言葉もあいまって、オフカメラの温かな人間関係もうかがえた。

そんな木村と上戸、高橋。そして、「今回、私、コミカルを封印して、会社の偉い人を演じます。撮影初日に何もしないで芝居をしようと思ってやったところ、監督に“もっと抑えて”と言われました。手足をもがれた気分です」という渡辺いっけいをはじめとして、豪華キャストが笑いをちりばめながらますます期待を高めてくれたミステリーホームドラマ。少しずつ謎を解き明かしていく久を、ときにハートフルに、ときにブラックに描きながら、「家族とは何か」「家とは何か」という問いかけにどんな答を見せてくれるのか。楽しみだ。

『アイムホーム』は4月16日スタート。

テレビ朝日、毎週木曜午後9:00〜9:54

(初回は午後9:00から10:09放送)

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『25ans』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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