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ディヴィジョン1での1年目に学んできたこと 渡邊雄太(GW)セント・ボナベンチャー大戦後インタヴュー

杉浦大介スポーツライター

Photo By GW Athletics (写真は1月24日のデュケイン大戦のもの)

2015年2月25日

ジョージ・ワシントン大(18勝10敗) 69-46 セント・ボナベンチャー大(14勝12敗)

渡邊雄太 26分出場し、5得点((FG2/5、FT0/0、3PT1/4)、2リバウンド、1アシスト、0ブロック、1ターンオーバー、3ファウル

FG成功率57.8%、スリーも10/18とこの日はシュートタッチが良かったジョージ・ワシントン大は、前半を36-18で折り返す。出足の鋭いディフェンスを後半も継続し、セント・ボナベンチャー大の追い上げを交わし、地元で逃げ切り勝利を収めた。ディフェンスとパスワークを基調にした得意のパターンが蘇り、連敗を4でストップ。2月6日以来の勝ち星に、試合後にはジョージ・ワシントン大は選手たちにも笑顔が戻った。このゲーム終了時点で、4チームが同成績で首位に並ぶ混線のA10カンファレンスで6位に付けている。

好スタートのおかげで落ち着いてプレー

ーーついに連敗脱出だ。今日良かった点は?

YW:最近は(試合開始直後に)ターンオーバーから入ったりとかで流れを持っていかれて、その点差を縮めれずに(負ける)ということが多かったんです。ただ、今日は僕が1本目のシュートを決めて、最初から流れに乗れたかなと。最初のシュートは2点以上の価値があるショットだったかなと感じています。

ーーチームとしても、個人としても、最初のシュートが入るとかなり違う?

YW:ターンオーバーから入って相手に点を取られるのと、自分たちが点を取って始まるのとでは、精神的にも全然違います。もちろんターンオーバーから入ってもその後に切り替えなければいけないんですけどね。ただ、最初のシュートを決めるというのは凄く大きなことだなと感じているんで。ちょっと難しいシュートではあったんですけど、良い感じで打てていたなと思います。

ーー今日はパスにもキレがあった。ノールックに近いようなパスもあったし。

YW:そうですね(笑)

ーー味方のシュートミスもあってアシストは1つだけだったけど、相手ディフェンスを切り裂くような効果的なパスが見られた。

YW:やはり最初のシュートを決められたおかげで、落ち着いてプレーできました。VCU戦のときは一発目のシュートがエアボールで、この間のリッチモンド戦も最初に良いシュートを打てたんだけど外してしまっていた。今日は一本目が入ったおかげで余裕が生まれ、周りがよく見えていた。その結果がああいうパスにも繋がったんだと思います。(パスは)良かったと自分でも思うんで、これからもどんどん出していきたいですね。

嫌な時期から抜け出せた

ーー今日はシュートが入ったけど、タッチが悪い日にもああやって別の形で貢献できればなお良いんだろうね。シュートへの自信は開幕当初から語ってくれていたけど、他の面でも全体的にスキルアップできていると感じる?

YW:最近の負け試合では自分が全然ダメだったなというのがあります。ただ、今日はスタッツには残っていないですけど、数字に残らない部分でそこそこ貢献ができたかなと。だからプレー時間もたくさんもらえましたしね。こうやってプレーしていけば、そのうちスタッツにも表れて来るはずです。

ーー少し前に、「今の厳しい時期を乗り越えれば選手として成長できる」って話してくれた。ちょっと見えて来たかな?

YW:今日は一歩を踏み出せたと思います。外れたシュートも自分の中では良い感じで打てていましたし、嫌な時期から抜け出せたかなという感じはあります。

ーーチームとしても積極性があり、思い切りも良かったかなという印象だった。

YW:今日はみんなハードにプレーし、ディフェンスもオフェンスも40分継続してできた。ここ最近できてなかったことが今日はよくできたし、チームとしてもまとまっていた。今まではバラバラではなかったですけど、一人一人でやってしまっていた感じがあった。そういう意味では今日の(勝利の)価値は本当に大きいと思います。

今季に学んだこと

ーー今シーズンも終盤に差し掛かっている。総括するのはまだ早いかもしれないけど、少し振り返ってみて、ディヴィジョン1での1年目に学べたことはなんだった?

YW:賢くならなければいけないということ。そうでなければこっちでバスケットボールをやっていくのは難しいと感じました。フォーメーションは多いですし、スカウティング量も多い。頭に入れる量も凄い多いですし、自分でも相手を見ながら動き、そしてコーチに求められていることもしっかりとやらなければいけない。日本の高校でやっていたときより、ずっと頭を使ったプレーが多い。そこがいま一番感じていることです。

ーー良い選手はやはり頭の良いプレーができる?

YW:そうですね。勉強は分からないですけど(笑)。良い選手というのはバスケットボールの感覚に優れていて、プレーも賢い。 攻め時とか、時間を使うところとか、(判断が)とても上手。そこを自分も学んでいかなければいけません。

ーーバスケットボールIQの部分かな。

YW:コーチもバスケットボールIQという言葉をよく口にします。

ーーさて、これからは終盤戦、そして来月のA10トーナメントに向けて集中力を高めていかなければいけない。今日の勝利で流れを変えたいところ?

YW:次(28日に対戦する)のデビッドソン大にはこの間(18日に)ホームで負けてしまったんで、しっかりやらないと。今日みたいなプレーができれば、あと3試合はいけると思っています。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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