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「来季の目標はNCAAトーナメント出場」 渡邊雄太(ジョージワシントン大)テンプル大戦後インタヴュー

杉浦大介スポーツライター

Photo By GW Athletics (写真は3月12日のデュケイン大戦のもの)

2015年3月22日

テンプル大(NIT第1シード/25勝10敗)90-77ジョージ・ワシントン大(NIT第5シード/22勝13敗)

渡邊雄太 33分出場し、15得点(FG5/11、FT1/2、3PT4/8)、1リバウンド、1アシスト、1ブロック、1ターンオーバー、1ファウル

第1シードのテンプル大が試合開始から9−0のランでリードし、ジョージ・ワシントン大は敵地で常に追いかける立場の苦しいゲームになった。それでも合計44得点を挙げたキーサン・サベジ、ケビン・ラーセンの3年生デュオを中心に、ジョージ・ワシントン大も食い下がる。後半開始早々には渡邊の5連続得点などで、一時は3点差まで詰め寄った。しかし、最後は地力に勝るテンプル大が突き放し、終盤にリードを広げて準々決勝進出を決定。リバウンド争いをテンプル大が38-26 で制したのが決め手となった。ジョージ・ワシントン大のシーズン22勝はチーム史上7番目の数字。ただ、20戦目まで16勝4敗だっただけに、以降に6勝8敗と尻窄みで終わったのは残念だった。

1年目を終えて

ーー今日の敗北でディヴィジョン1での1年目は終了だけど、終わった瞬間はどんなことを考えた?

YW:これで今シーズンは終わってしまうのかと。あと、ただ1人の4年生として引っ張ってくれたジョン(・コプリバ)と、もっと最後まで一緒にバスケがしたかったなと考えていました。

ーー勝てなかったのは残念だけど、今日は個人としてはオフェンスは良かったのでは。後半開始当初は外、中の両方で得点する姿を見せられて、追い上げに貢献した。

YW:そうですね。15得点は(3月7日のマサチューセッツ大戦の)21得点以外では自己最多得点ですし、オフェンスは自分でも(悪くなかったと)。スリーだけじゃなくて、ドライブでファウルももらえましたし、後半も1本奇麗にドライブを決めることができた。課題にしていたドライブで得点できたというのは、自分でも少し成長した部分かなと。

ーーその一方で、リバウンドは1のみ。その点がやはり課題として残るのかな。

YW:しかもその1本のリバウンドもゲーム開始直後に取ったものでした。今日は33分とプレー時間が長かったのだから、自分がリバウンドをもっと取っていたらより良いゲームができていたと思います。

このレベルでもプレーできる

ーー今季を総括して欲しいんだけど、シーズンを通じて成長できたなと思う部分は?

YW:メンタル的には凄く強くなったと思います。シーズン初めの頃はベンチスタートで、コーチに名前を呼ばれたときは緊張したこともありました。それがシーズン中盤頃、自分がこのレベルでもプレーできると分かってからは、ベンチに座っているときにも準備はできていました。シーズン最後の方にスタメンで使ってもらえるようになってからも、常に自信は持てていたと思うんで、そこは成長できたかなと感じています。

ーー逆にやっていく上で見えて来た課題は?

YW:課題はずっと変わらずです。フィジカルの強さと、あとはリバウンド。最近は少し(リバウンドは)取れるようになっていた分、余計に今日の1本というのは目立ってしまいますね。フィジカルが強くなれば、リバウンドも取れるようになる。あとはディフェンスでもっと良い活躍ができるようにならなければいけません。

ーーマイク・ロネガンHCは入団当初から渡邊選手に大きな期待を寄せているけど、期待が大きい分、来季は負担も大きくなる。準備はできている?

YW:今シーズンはこれだけ試合で使ってもらえて、コーチには感謝しています。コーチに期待されるというのはありがたいこと。それを負担とは考えず、むしろ感謝しながら、もっと成長した姿を来シーズンに見せられたらと思います。

来季の目標はNCAAトーナメント出場

ーー今後、日本に帰る予定は?

YW:5、6月くらいに帰ろうと思っています。

ーーけっこう長めに?

YW:はい、去年の5月くらいから勉強も含めてずっとだったんで、少し休暇が必要かなって(笑)

ーー勉強もかなり大変だと思うけど、しっかりこなしていると聴いたけど?

YW:前の学期でかなり良い成績が取れたんですよ。今はちょっとあれなんですけど(笑)、それでも前のと合わせたら成績は良かった。シーズンが終わったら勉強にも時間が取れるようになる。学業も大事なので、勉強、トレーニングと頑張っていきたいです。

ーー最後に来年の目標を教えてもらえる?

YW:チームとしては今年に行けなかったNCAAトーナメントに出て、少しでも多く勝つこと。個人的にはこのオフシーズンでどれだけ力強くなれるかだと思っています。これで試合はしばらくないんですけど、いつもやっているシューティングの練習はもちろん常に継続していきます。それにプラスαで、チーム練習がなくなる分、自分の時間をとれるようになるので、ウェイトトレーニングをストレングスコーチとやって、体重を増やし、力強くしていきたいです。

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渡邊雄太の今季最終成績 

35試合(先発10戦)で平均22.5分出場し、7.4得点(FG38.4%、FT83.1%、3PT34.8%)、3.5リバウンド、0.6アシスト、0.6ブロック、0.4スティール、0.7ターンオーバー

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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