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今季最多の19得点、そして再びブルックリンへ 渡邊雄太(GW)ガードナー・ウェブ大戦後インタヴュー

杉浦大介スポーツライター

Photo By GW Athletics

2015年11月24日

ジョージ・ワシントン大(5勝0敗) 94-65 ガードナー・ウェブ大(1勝4敗)

渡邊雄太 22分出場し、19得点(FG5/7、FT6/6、3PT3/5)、3リバウンド、1アシスト、0ブロック、1スティール、1ターンオーバー、2ファウル

開幕4連勝と勢いに乗るジョージ・ワシントン大は、この日まで1勝3敗だったガードナー・ウェブ大を序盤から圧倒した。FG成功率54.4%(31/57)、3ポイントは47.6%(10/21)とゲームを通じてショットが好調。前半終了時ですでに53-24と大量リードを奪うと、後半も攻撃の手を緩めず、計5人が12得点以上をマークする猛攻で圧勝した。3本のスリーを決めた渡邊雄太は、キャリアハイにあと2点と迫る19得点(二桁得点は今季初めて)。チームの5連勝に大きく貢献している。

シュートが決まるという手応えがあった

ーー開幕5連勝、個人としても今季最多得点。内容的にも良かった?

YW:今日までの4試合はシュートタッチが本当に悪かったですし、なかなか得点が取れずに苦しんでいた。今日は相手がだいぶ格下というのはあったんですけど、それでもずっと良い感じでシュートが打てました。やっと自分を取り戻せたというか、良い感じになれそうかなという兆候が見えた試合でした。

ーーチームが勝っていたからそれが何よりだけど、一桁得点が4戦続いて少し焦りもあった?

YW:焦りは特になかったんですけど、(2戦目の)バージニア大戦くらいまでは練習中もシュートタッチが悪かった。打ってもあまり入る気がしていなかったんです。ただ、サウスフロリダ大戦のときに今シーズン初めてスリーポイントを決めて、その時から自分の中で少しずつ手応えはありました。そして、日曜日(22日のアーミー戦)も1本、今日も3本とスリーポイントが決まった。昨日の練習中からシュートは凄く良い感じで打てていたんで、今日は入るだろうなと感じて試合に臨めました。それが良かったかなと思います。

ーー開幕前にドライブを今季の課題に挙げていたけど、今日はその機会はあまりなかったかな。

YW:そうですね。ただ今日、僕が決めたことで、今後は相手チームもスリーポイントを警戒してくるかなと。当然、空いていたら打ちますけど、相手がスカウティングしてシュートが警戒されるようになったら、課題にしているドライブをどんどん出していきたいですね。

英語力も成長中?

ーーパワーアップも課題と思うけど、この間、マイク・ロネガン・コーチのラジオでのインタヴューを聴いていたら、渡邊選手がウェイトトレーニング時にかけている負荷が前年比で倍くらいに増えていると言っていたけど?

YW:重さは去年とかなり違いますね。去年が弱すぎたというのもありましたし、まだ1年生だったので、コーチもそこまで僕に重さをかけさせたがらなかった。ただ、去年でフォームなどをしっかり覚えて、今はどんどん(負荷を)上げている段階ですね。

ーーパワーがついて、違いは感じる?

YW:プレー中でも、去年と比べて力強さは出てきているんじゃないかなと。それは感じています。

ーー今日は大活躍で、試合後の会見にも呼ばれてコーチの隣に座った。そこでの受け答えも、去年より快適そうだなと思ったけど。

YW:(笑)。英語も成長はしていると思いますし。呼ばれたときのために、少しイメージトレーニングをしておいたんですよ。訊かれたら、こう答えようとか(笑)

ーーじゃあ呼ばれても、特に身構えたりとかはなかったと(笑)

YW:なかったですね。準備はできていたんで。今日は試合も、記者会見も、準備が整っていたのが良かったと思います(笑)

ーーなるほど(笑)。チームとしても素晴らしいスタートだ。中でも11月16日に全米6位のバージニア大に勝ったことは、やはり選手たちの士気を高めるという意味でも大きかったのかな。

YW:自分たちの自信に繋がりました。その次のサウスフロリダ大戦にしても、この間のアーミー戦にしても、途中で接ったりもしたんですけど、それでも負けないだろうという自信はありました。結果として、最後は点差を開けて勝つこともできている。自分たちの方が確実に上なのに、ああいった(接った)展開になってしまうのは良くないですけど、最後にしっかり勝ちきれるというのは今のチームの強さかなと感じます。

“バークレイズ・センター・クラシック”へ

ーー開幕前にはPFのタイラー・カバナー、控えガードのマット・ハートといった新戦力が加わったことが大きいと話してくれたけど、ここまでは期待通り?

YW:先発5人、さらにベンチから出てくる選手も全員が得点ができる。みんな自分の役割もしっかり分かっているし、今年のチームはかなり層が厚いと思いますね。

ーー先日に発表されたAPランキングでは28位。ランキングはやはり気になるもの?

YW:はい。頑張って早く25位以内に入りたいです。

ーーさて、次は27、28日とブルックリンで“バークレイズ・センター・クラシック”と呼ばれるトーナメントに出場する。ブルックリンは去年のシーズン終盤に悔しい想いをした場所(A10カンファレンストーナメントで敗れ、NCAAトーナメント進出の可能性が事実上消滅)だけど、特別な感情は?

YW:いえ、今年は今年でまた一からやり直しです。ただ、ここまで良い感じで来ています。これからは強豪との試合が続きますけど、取りこぼさないように、このまま連勝を続けていくように頑張りたいですね。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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