Yahoo!ニュース

恩師のメールで思い出したバスケットボールの楽しさ 〜渡邊雄太&GW、A10トーナメント2回戦に勝利

杉浦大介スポーツライター

Photo By Hiroaki Yamaguchi

2016年3月10日 バークレイズセンター

アトランティック10トーナメント 2回戦

ジョージ・ワシントン大(第5シード/23勝9敗) 73-65 セントルイス大(第13シード/11勝21敗)

渡邊雄太 32分出場し、19得点(FG7/10、FT3/4、3PT2/4)、3リバウンド、1アシスト、1ブロック、2スティール、2ターンオーバー、1ファウル

開始直後から絶えずリードしたジョージ・ワシントン大(GW)が下位シードのセントルイス大に順当勝ちした。キャリアハイの22得点を挙げた前戦に引き続きオフェンスが好調の渡邊は、ゲームハイの19得点で勝利に大きく貢献。セントルイス大も3点シュートを10/18という高確率で決めて食い下がり、後半残り6分29秒の時点で5点差まで迫った。しかし、結局はスタメン5人がすべて9得点以上を挙げたGWが無難に逃げ切り勝利を収めた。GWは米東部時間で明日午後2時半からの準々決勝で、第4シードのセント・ジョセフ大(24勝7敗)と対戦する。

好調を取り戻したきっかけは

ーー大事な勝利に大きく貢献できた。

YW:シーズン最終戦のデビッドソン大戦に引き続き、シュートタッチは良くなってきてますし、良い感じできています。ただ、ディフェンス面で今までできていたことが前回も今日もできなくなっている。明日はしっかり修正して、オフェンス、ディフェンスの両方で活躍できるようにしたいです。

ーー前戦でキャリアハイ(22得点)、今戦はゲームハイ(19得点)とオフェンスはここに来て本当に好調だ。何かきっかけとなったことがあれば。

YW:精神的な意味では・・・・・・尊敬している高校時代の恩師からメールを頂いたんです。忙しい中でも僕のプレーを見てくれて、そのメールで“試合をあまり楽しめていないように見える”と言われました。言われてみれば、最近の僕は活躍できてなくて、フラストレーションも溜まって、一番大事なバスケットボールを楽しむことができていなかったかなと。そのメールを頂いたのはデビッドソン大との試合前でした。そこで「今日はシーズン最終戦だし、まずは楽しもう」と。それが良いプレーにも繋がっているんじゃないかなと思います。

ーー今日の後半はシュートだけでなく良いパスもあって、プレーメーカー的な役割も果たした。周囲を生かすこともできていた?

YW:そうですね。得点を取り出すと、相手も僕のところを集中して守るようにもなってくる。そういうときに良いパスが出せると、相手も止められなくなる。そういう意味では今日はよくできたなと思います。

ーー試合開始3分弱で6得点と幸先良かった。試合前から好スタートを意識していた?

YW:前回の試合で活躍できたので、やる前から自信はありました。一発目のシュートが良いタッチで決められて、コーチが次も僕のプレーをコールしてくれて、しっかり決められた。さらにその次のプレーでも、僕のプレーをコールしてくれたんです。僕が決められるという信頼があったのかなと。そういった僕とコーチの信頼関係もあって、良い精神状態でプレーできました。それが良い入り方に繋がったのかなと思います。 

いざリベンジへ

ーー明日の準々決勝の相手になるセント・ジョセフ大は、シーズン中に大敗を喫した相手だ。対策はできている?

YW:凄い選手が2人(注/下記)いるので、そこを中心的に守ることになります。前回やられたバックドアのようなプレー(の対策)も、しっかり修正していかなければいけません。今日のセントルイス大にもシーズン中には負けていました。明日の試合も勝ってない相手なんで、しっかりリベンジして、ベスト4に入れるように頑張ります。

ーーシーズン中とトーナメントの戦い方の違いはなにかある? 

YW:特に変えたりはないですけど、負けたら終わりのトーナメントなので、やはりみんな気持ちも引き締まってます。僕たちの目標であるNCAAトーナメントに繋げるために、まだまだ勝っていかなければいけない。今はみんな良い精神状態で来ているんじゃないかなと思います。

ーー会場のバークレイズセンターで今季中も試合を行った経験は効いている? 

YW:それはありましたね。(試合をしたのは)昨年11月という早い段階だったんですけど、やはり経験しているのと、一度もしていないのでは違います。コートに慣れているという意味でも、僕自身は良い感じでプレーできたと思うんで。そこはアドバンテージにして明日もやっていきたいです。

ーーNCAAトーナメント進出を考えた場合、少なくともあと2勝して決勝進出が最低条件と考えられている。手応えは? 

YW:当然優勝するつもりで来ています。大事なのは一戦一戦勝っていくこと。明日の相手は本当に強いですけど、しっかり勝って、ベスト4では順当にいけばデイトン大が上がってくる。デイトンにも(シーズン中に)アウェーで負けています。リベンジという意味も込めて、そういう相手に勝っていきたいです。 

注/セント・ジョセフ大は平均18.1得点、8.1リバウンドのアイザイア・マイルズ、平均17.0得点、7.8リバウンド、4.5アシストのデアンドレ・ベンブリーという2人のFWが中心のチーム

画像
スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

杉浦大介の最近の記事