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【NBA】フランスのイケメンプレーヤー、エバン・フォーニエ(マジック)がマイク・ビビーに憧れた理由

杉浦大介スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

エバン・フォーニエ

1992年10月29日生まれ(24歳)

フランス出身。16歳で母国リーグデヴューを飾り、10代ながら中心選手として活躍。2012年のNBAドラフトではデンバー・ナゲッツから1巡目20位で指名され、2年間プレーした後、2014年7月にトレードでオーランド・マジックに移籍した。ロングジャンパーが得意なスイングマンは毎年成績を伸ばしており、今季は31試合で平均17.8得点、3.5アシスト、3.0リバウンドとすべてキャリアハイの数字を残している。両親(父はフランス人、母はアルジェリア人)ともに柔道家で、国際試合のために来日した経験も豊富。フォーニエ本人も1度日本に来たことがある。

コービー、アイバーソンではなく、なぜビビーのファンに?

ーー子供の頃の君はサクラメント・キングスのファンだったと聞いたけど? 

EF:その通りだ。何より、僕はマイク・ビビーの大ファンだった。あと、当時のキングスにはヨーロッパ出身選手が多かった。だから僕も親しみを覚え、キングスに惹かれていった。彼らのプレースタイルがヨーロッパ的だったというのも大きかったのだと思う。

ーー当時のキングスのプレーは魅力的だったから、日本にもファンは多かった。ただ、今話してくれた通りに欧州選手も多かったのに、君がその中でビビーの大ファンだったというのは意外にも思える。どこに惹かれたの?

EF:うーん、それは良い質問だなあ。説明するのは難しい。2000、2001年くらいにNBAを見始めて、プレーオフでのキングス対(ロスアンジェルス・)レイカーズのシリーズがとても印象に残っている。史上屈指のシリーズだったと今でも思っている。その中で、勝負強さを発揮したのがビビーだった。コート上で最も小柄だったにも関わらず、最大のガッツを持っていて、リーダーでもあった。彼のプレースタイルが僕には魅力的に映ったんだ。

ーービビーはジャンプシュータータイプのガードで、君とはスタイル的に被るところもある。彼のプレーを手本にしたの?

EF:それは間違いない。彼は特にミッドレンジでは素晴らしいジャンプシューターだった。同じようになりたいと思った。子供の頃に彼のプレー映像を何度も見て、プレーグラウンドでは同じようにプレーしようとしたんだ。

ーービビー以外に手本にしようとした選手は?

EF:トレーシー・マッグレディ、コービー(・ブライアント)、(アレン・)アイバーソンとか、多くのスーパースターの映像を繰り返し見た。ただ、どういうわけか、僕のフェイバリットは常にビビーだった。

ーーそういった錚々たる面々より、ビビーを選んだのはやはり興味深い(笑)

EF:そうかもね(笑)。ただ、彼こそが僕のフェイバリットチームのベストプレーヤーだったからね。

ーービビーにファンだったと伝えたことは? 

EF:いや、まだ一度も話したこともないんだ。いつかその日が来ると良いね。

毎年確実に向上している理由

ーー今季ここまでをどう振り返る。

EF:悪くはないけど、チーム全体がかなり不安定になってしまっているのが残念なところだ。(サンアントニオ・)スパーズからも勝利を挙げて、僕たちにはそれくらいの力がある。それにも関わらず、ホームで力の劣るチームに敗れてしまっている。その不安定さを解消するのが今後の目標だ。

ーー個人的に君は毎年確実に向上していて、今季はキャリア最高の数字を残している。NBAに入ったばかりの5年前の君と、今の君では何が違うのかな?

EF:5年の間に年齢を重ね、必要な経験を積み重ねた。その間にスキルを磨くこともできた。 当時と比べて、全体に優れたバスケットボールプレーヤーになれているとは思う。NBAに入った頃の僕はまだ19歳だったからね。向上するのは自然なことでもある。

ーー具体的にはどういった部分の向上を心がけてきたのかな。

EF:毎夏、試みることは違う。それぞれのシーズンの前に、自分に必要なもの、足りないものを考える。NBAでの最初の2年間はフィジカル面を強化する必要があった。その後はボールハンドリング、シュート、そしてミッドレンジのゲーム。少しずつ、すべてのスキルを磨いていった感じだね。

ーー現在、心がけていることは?

EF:より効率良くプレーすること。それこそが今の僕が向上しなければいけないところだ。あとはボールハンドリングとミッドレンジのプレー。まだ満足出来る位置に達していないけど、毎年進歩はしていると感じられる。もっともっと良い選手になりたいね。

ーー今季の君はMIP(Most Improved Player)の候補にも入ってきそうだ。 

EF:いや、僕は含まれないよ。ヤニス(・アデトクンボ)とか、他にもっと相応しい選手はいるからね。そんな風に言って貰えてありがたいし、素晴らしいことだけど、目標にしているわけではないし、気にしてもいない。

ーー話は変わるけど、ビデオゲーム「NBA2K 17」で、自分の顔が似てないと君が今夏にツイッター上で不満を表明したことが話題になった。あれはいったいどういうことだったの? 

EF:(笑)。どう失敗したのか、僕の顔はまるで似てなかった。ただ、面白いと思ったんだよ。腹を立てたわけではまったくない。毎年、彼らは選手の写真を撮ってアップデイトするんだけど、僕は今の顔が気に入っているから、あのまま保って欲しいな(笑)

ーー幾つもツイートしていたけど、ジョークだったんだよね?

EF:もちろんだよ。ビデオゲームの話だからね。すべては楽しむためさ。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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