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【NBA】「ドイツ人PGでも成功できると証明したい」 デニス・シュルーダー(アトランタ・ホークス)

杉浦大介スポーツライター
フロイド・メイウェザーと握手するシュルーダー Photo Gemini Keez

デニス・シュルーダー(アトランタ・ホークス)

1993年9月15日生まれ、23歳

ドイツ出身 ポジションはPG

ドイツのブンデスリーガで活躍したあと、2013年のドラフト1巡目全体17位でホークス入り。2年目の2014〜15シーズンにはシックスマンとして平均10.0得点を挙げ、チームのシーズン60勝に大きく貢献した。昨季も平均11.0得点をマークし、昨年10月26日に4年7000万ドルの新契約もゲット。その成長ゆえにホークスは元先発PGのジェフ・ティーグ(現インディアナ・ペイサーズ)の放出を決意し、今季から晴れてスタメン入りを果たした。スピードが武器で、早い展開から自ら得点を奪うか、鋭いパスで味方の得点機会を演出する。今季も最初の41戦で平均17.4得点、6.1アシストと期待に応えてきた。

大事なのはチームメートへの信頼を忘れないこと

ーースターターになって1年目の今季ここまでをどう振り返る?

DS:開幕から9勝2敗とスタートはよかったけど、その後に7連敗といった厳しい期間も経験した。しかし、その過程でボールをシェアするという自分たちの成功のために必要なことに気づけた。コーチもすべての練習、ビデオセッションで自分たちがやるべきことを強調してくれた。試合前からメンタリティを変える必要があった。おかげでみんなが噛み合い始め、今では良い仕事ができていると思うよ。

ーー個人的にも11月(平均15.8得点、5.6アシスト)よりも12月(平均20.4得点、6.9アシスト)の方が数字が良かった。 

DS:このリーグでPGを務めるのは簡単なことじゃない。ただその瞬間で、チームのために正しいこと、適切なことをやるように心がけている。どんな風に得点するか、パスするか、バランスが大事。それを見極めるのに少し時間が必要だった。今は良い感じになっているし、さらに向上させたいね。

ーーホークスはここまで好調(1月17日まで24勝17敗)なのに、カイル・コーバーが1月7日にキャブズにトレードされ、その後にはポール・ミルサップの放出の噂もあった。正直、混沌の中で集中するのは難しいのでは?

DS:コート外のことで僕たちにできることは何もない。コントロールできることをコントロールするだけ。大事なのは何があっても常にチームメートへの信頼を忘れないことだ。周囲で起こっていることには注意を払わず、毎日、そこにいるメンバーと一緒に勝ちにいくんだ。

ーードイツ出身のNBA選手はそれほど多いわけではない。母国を代表してプレーしているという気持ちはある?それともあくまで自分のためかな? 

DS:間違いなく母国のことを考えながらプレーしているよ。ドイツ人でもNBAでプレーできるってことを証明したい。PGとして大きなことが成し遂げられると示したい。シカゴ(・ブルズ)のポール・ジプサー、このリーグで20年にわたってプレーしてきたダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)と一緒に、ドイツ人選手もアメリカ人と同じように強いメンタリティを持っているとアピールしたいんだ。

ーー君とノビツキーはかなり仲が良さそうだね。

DS:ああ、僕たちはとても親しいよ。ダラスと対戦する時はいつでもゆっくり話すし、よくテキストメッセージも交換し合う。どちらかが何かを必要としているときは助け合う。良いプレーをした日にもメッセージを送り合ったりね。僕のルーキーシーズンから彼は気にかけてくれて、僕のキャリアを助けてくれた。そのことに関しては今でも感謝している。

憧れはロンド、ポール

ーー君はバスケを始めたのは10代になってからとかなり遅かったんだよね。その経緯を話してもらえる?

DS:子供の頃はスケートボードが大好きだった。ただ、僕の兄がスケートボードで腕を骨折してしまい、母親に他に何か熱中できるものを探しなさいと言われたんだ。危険ではないことをやりなさいと。それで公園でバスケットボールで遊ぶようになって、すぐに熱中した。そうやってで今に至るというわけさ。

ーーバスケを始めた頃のフェイバリットプレーヤーは? 

DS:レイジョン・ロンド(現シカゴ・ブルズ)、クリス・ポール(ロサンジェルス・クリッパーズ)。彼らのゲームをほぼ毎試合見て、何をやっているかを観察した。自分が何を取り入れられるかと考えながらそのプレーを見たものだった。

ーー今季にスタメンに定着して、目標の1つを達成できた。NBA選手として次のステップは? 

DS: 僕の目標も他のすべてのプレーヤーと同じだよ。誰もが優勝したいし、オールスターにも選ばれたい。僕もそのためにプレーしているんだ。

ーーところでメッシュを入れた君のヘアースタイルはトレードマークになってきたけど、そろそろ別のスタイルを試すつもりは? 

DS:いや、このまま保つよ。髪が抜け落ちるその日までこのあままで行くつもりさ(笑)

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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