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【NBA】「常にプロフェッショナルらしく、正しいことをしていきたい」 ホセ・カルデロン(レイカーズ)

杉浦大介スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

ホセ・カルデロン(ロサンゼルス・レイカーズ)

1981年9月28日生まれ、35歳

スペイン出身 ポジションはPG

スペインリーグで経験を積んだ後、2005年にNBA入り。以降、全5チームに属し、冷静なプレーメイキングと的確なシュート力が武器の司令塔として活躍を続けてきた。2008〜2009年にはNBA史上最高のフリースロー成功率98.1%を記録。スペイン代表でも長くプレーしており、2008年のロンドン、2012年の北京五輪では銀メダル獲得、2006年の日本での世界選手権では金メダルに大きく貢献した。今季からレイカーズに属し、プレー時間は多くなくとも、若手のリーダー的な立場で存在感を発揮している。

バスケットボールを楽しみたい

ーー君は長く充実したキャリアを過ごしてきた。キャリアの今の時点での目標は?

JC:どんな役割であっても、あと数年は所属するチームを自分のプレーで助けていきたい。とにかくバスケットボールを楽しみながら過ごしていきたい。なぜプレーしているかといえば、僕はバスケットボールを愛していて、毎日を楽しむことができるから。楽しめなくなるときまで、全身がプレーを拒否する日まで、バスケットボールを続けていきたいんだ。

ーーレギュラーで長い時間をプレーしていた頃と比べ、プレー時間が減った今の方がコンディション調整は難しい?

JC:難しいね。気持ちを切り替えて、新しい調整方法を学んでいかなければいけない。どんな状況でも、プレーできる状態に準備する必要があることに変わりはない。控えという立場でも、何かアクシデントがあればプレー時間は増えるかもしれない。経験があれば、どんな状況でも適応できるものだ。

ーーレアル・マドリーへの移籍とか、クリーブランド・キャブズが獲得を狙っているとか、君に関する噂はメディアを賑わしている。移籍話にコメントできないのはわかっているけれど、依然としてこういった話が出てくるということが君の存在価値と評価を物語っているのかな?

JC:僕自身は他のチームでプレーしたいとか言ったことはないし、話ももらっていないし、接触も受けていない。(レアル移籍は)誰かが勝手に書いたものだろう。何の意味もないよ。僕が言っておきたいのは、まだここにいたいし、NBAでもうしばらくはプレーしたいということだけだ。

ーー若手が多いレイカーズというチーム内で君はリーダーの一人になっている。同じガードのデアンジェロ・ラッセルの印象を話してもらえる? 

JC:彼はNBAでのプレーを理解し始めているところだ。どれほどタフなリーグで、やっていくためには安定感が必要だと気づいてきた。NBAでは良いゲーム、悪いゲームがあっても、喜びすぎたり、落ち込みすぎたりしてはいけない。大切なのは常に平常心を保つこと。精神的に落ち着き、ハードワークを続ければ、彼の才能が開花する日が必ずやってくるよ。

プロフェッショナルとしての誇り

ーー最近はプレー時間に恵まれないトーマス・ロビンソンも、君の影響を受けて準備しているなんて記事を読んだ。2012年ドラフト全体5位ながら、ここまで期待に応えられていないロビンソンにはどんなアドバイスをしているの? 

JC:毎日正しいことをして、プロフェッショナルらしく振る舞おうという話はしている。プレー時間がどうなるかわからなくとも、練習を積み、いつでもプレーできる身体を作っておかなければいけない。このリーグで長くやって来た選手として、若手に手本を示すのは大事なことだからね。

ーー君とポジションの被るセルヒオ・ロドリゲス(フィラデルフィア・76ers)もNBAに戻ってきたし、今夜対戦するニックスではビッグマンのビリー・エルナンゴメスも活躍している。彼らも君から学べることは多いと推測するけど、他のスペイン人選手たちとも頻繁にコミュニケーションを取っているの? 

JC:それはもちろんだ。対戦するときは必ず時間をとって、ゆっくりと話し合う。経験を分かち合うことで、互いに助けになる。同じ仕事をシェアする僕たちは単なる友人以上の関係だ。ほとんど家族同然だと言っても良いからね。

ーー君は後の世代にどんな選手として記憶されていくのかな?ホゼ・カルデロンのレガシーは?

JC:それは自分では分からないけど・・・・・・何より、僕はプロフェッショナルで、正しいことをする選手であり続けてきた。チームメートやコーチとも衝突したことは一度もなく、そういう人間でいたかった。バスケットボールに関していえば、常に良いことばかりではなく、上手くいかない時期もある。(ファンに)好かれるときもあれば、そうじゃないときもある。ただ、僕はいつでもチームプレーヤーであることを心がけて、ここまでやって来たんだ。 

ーー君自身も指導者に向いているように聴こえるけど、将来を考えることは? 

JC:頭にはあるし、考えることがあるのは事実だ。ただ、現在はレイカーズでのプレーに集中しなければいけない。ずっとバスケットボールに関わり続けていくのだろう。ただ、その選択をすべきときはいずれ来るから、今はやるべきことをやるだけだよ。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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