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エジルとハメス・ロドリゲスに学べ! トップ下幻想は負の遺産

杉山茂樹スポーツライター

背番号10はかつて「トップ下」の代名詞だった。「ゲームメーカー」「司令塔」。イタリア語の「ファンタジスタ」も、10番のイメージに合致する言葉になるが、それはもはや過去の話だ。

これまでも述べてきた通り、トップ下には2つ種類がある。2トップ下と1トップ下。現在、世の中の主流は後者。10番のイメージは変わった。

それは布陣の流行とも深い関係がある。2トップ下が存在する代表的布陣である3−4−1−2が激減の一途にあるのに対し、1トップ下が存在する布陣の代表である4−2−3−1は急増。ブラジルW杯でも半分以上のチームが4−2−3−1を使っていた。

現代のトップ下は、1トップ下を意味する。にもかかわらず、多くの人がいまだトップ下と言う。1トップ下と言う人は少ない。もし、そのあたりを気にしている人が少ないなら、1トップ下は一昔前の2トップ下のイメージで語られていることになる。それぞれ、求められているものが異なるにもかかわらず。

1トップ下の10番は、選手のキャラクターにもよるが、僕的には「アタッカー」という言葉がいちばん似合うと思っている。ゲームメーカー、司令塔、ファンタジスタではない。

いまいる選手の中で、昔風の10番が最も似合う選手はエジルになる。ゲームメーカー色の強い技巧派。少なくともブラジルW杯前までは、僕は彼に対してそのようなイメージを持っていた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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