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ハリルホジッチ以上の監督でないと、レベルダウンした日本を救うことは難しい

杉山茂樹スポーツライター

北朝鮮戦。正確な数字が発表されていないので、感覚的なものになるが、ボール支配率で日本は北朝鮮に劣っていたと思う。

監督がハリルホジッチになってから顕著になっているのが、このボール支配率の低さだ。彼が縦への速い攻撃を好むことと関係しているように見えるが、ボール支配率を左右する要素は、パスワーク重視か否かに限られていない。相手ボールからマイボールに転じる位置、並びに速さもそれと同じくらい重要になる。

縦に速くても、いち早く奪取すれば、大きくは下がらないが、そこが、ハリルジャパンにはできていない。北朝鮮戦では、高い位置で奪えず、中盤で相手にボールを支配され、サイドにポイントを築かれ、そして再三クロスボールを上げられた。ボールを奪う位置は必然的に低くなった。

そこから速い攻撃を仕掛けようとしたわけだが、となると、攻めは少人数になる。早い段階で、奪われる可能性が高くなる。その時、バックラインは低いまま。押し上げている時間的な余裕がないからだ。ボールを奪う位置は再び低くなる。

で、また、速い攻撃を仕掛ける。この悪循環は、後半の間、ずっと続いた。

空中戦に屈した。北朝鮮戦の敗因をそこに求めるとすれば、事の本質は明らかにならない。空中戦に持ち込まれる経緯に目を向ける必要がある。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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