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東京に目を向ける前に。手倉森監督は何が良くて何が悪かったのか

杉山茂樹スポーツライター

グループリーグ落ちした手倉森ジャパン。佳境を迎えているリオ五輪の喧噪の中、すでに過去の話になりつつある。その中にサッカー界も紛れ込み、反省検証しようとするムードにはない。プレビューとレビュー。結果が出なかった時、両者のバランスが極端に崩れがちな日本だが、いまはその傾向に拍車がかかった状態だ。

成績は可もなく不可もなく、反応に困る終わり方だった。よくやったとは言えないが、箸にも棒にもかからなかったわけではない。ナイジェリア、コロンビア、スウェーデン相手に1勝1敗1分は、2014年ブラジルW杯を戦ったザックジャパンに比べれば上々。

意見は割れる。つまり、議論するには恰好のテーマなのだ。そこで、盛り上がれるか、沈黙してしまうか。サッカーへの適性が問われている瞬間だと思う。

選手のレベルと監督のレベル。勝っているのは選手。指導する側のレベルが指導される側より低いところに日本の問題がある。このバランス関係が維持される限り、日本代表監督は外国人監督に求めざるを得ない。僕はこれまでそう述べてきた。

そうした中で、五輪チームの監督は、西野(96年アトランタ)、山本(04年アテネ)、反町(08年北京)、関塚(12年ロンドン)と、2000年シドニー五輪のトルシエを除き、日本人が務めてきた。日本サッカー協会は、五輪を日本人監督の活躍の場に充てていた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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