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今季Jリーグ一番の注目は鹿島の“七変化”。選手の多機能性と4−4−2の絶妙な関係

杉山茂樹スポーツライター
(写真:アフロスポーツ)

間もなく開幕するJリーグ。本命に推したくなるのは鹿島だ。チャンピオンシップからクラブW杯。年をまたいで天皇杯、ゼロックス・スーパー杯、そしてアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の初戦(対蔚山戦)にも勝利を飾り、目下敵なしの状態にある。

今季は、Jリーグ最強の外国人選手、レオ・シルバなど、有力な外国人選手が3人加わった。選手層はいっそう分厚くなった。1シーズン制になったJリーグとACL。タイトルを同時に狙おうとしたとき、問われるのはそこ。鹿島を本命に推したくなる最大の理由だ。

ゼロックス・スーパー杯とACL初戦の戦いを見る限り、スタメンは定かではない状態にある。選択肢が数多く存在するために。フィールドプレイヤーでスタメンが確約されているのは、センターバックの2人(昌司源、植田直道)とレオ・シルバぐらいではないだろうか。

例えば、小笠原満男はスタメンで起用したい選手の1人だ。チームの顔役であり、頼りになるベテラン。中村俊輔(横浜→磐田)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、中村憲剛(川崎)と並ぶ絶対的な存在に見える。だが、この3選手が、スタメンはもとより途中でも代えにくい、取り扱いに細心の注意が求められる選手であるのに対し、小笠原は先発を外すことも、途中交代させることも可能だ。それでも事件には至らない。石井正忠監督は実際、スパッと躊躇うことなく選手を代える。そこに鹿島の強さを見る気がする。

ベンチに下げる選手と異なるポジションの選手をピッチに投入する戦術的交代も頻繁に行われる。それを後押しするのが、ユーティリティプレイヤーの存在だ。複数のポジションをこなすことができる選手が、鹿島には数多く存在する。メンバーはぐるぐる入れ代わる。相手を幻惑しやすいサッカー。読まれにくいサッカーなのだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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