Yahoo!ニュース

鹿島はバルサになれるか。石井監督の思惑と、試合展開の妙

杉山茂樹スポーツライター
(写真:アフロスポーツ)

J1の開幕戦で、鹿島アントラーズがFC東京に0−1で敗れた。鹿島と言えば、いま日本で最も強いチームだ。11月末から強敵と12戦して、敗れたのはレアル・マドリーと、チャンピオンシップ決勝初戦の浦和戦のみ。その鹿島が、FC東京にしかもホームで敗れたのは、少々意外だった。

もっとも鹿島は、圧倒的な力を示してきたわけではない。チャンピオンシップ、天皇杯、ゼロックススーパー杯は、ほぼすべて接戦。クラブW杯もミラクルな勝ち上がり方だった。勝負強さを一番の武器にしながら。

具体的に言えば、後半に強かった。時間の経過とともに、サッカーはどんどんよくなっていった。最高潮に達するのは終盤。そこでバタバタになるJリーグの他チームとは、それこそが一番の違いだった。

FC東京戦も、後半の戦いは失点こそ許したが、悪くなかった。相手が引いてしまったこともある。1点を奪った後、特にその傾向が目立った。追って届かず。敗れ方としてはそれほど悪くないが、それだけに気になるのが前半部分の戦い方だ。

後半の戦い方が頭からできればと思うが、スロースターターと言いたくなるこの慎重な入りは、石井監督の意図する戦い方なのだという。先日、スポルティーバ誌のインタビューで、監督本人から直接うかがった話だ。

その哲学は、「まず守りから」だという。立ち上がりに不用心な失点をしない。耐えながら試合に入り、様子をうかがいながら前に出て行く後半勝負型を明確に打ち出していた。

この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。

たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2017年2月

税込550(記事4本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

杉山茂樹の最近の記事