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逆転ローテ入りを狙う帆足、寺原が「御前」ピッチングで力投=ファーム教育リーグ

田尻耕太郎スポーツライター

長谷川が初守備、松中2安打

3月5日(木)、ソフトバンクのファームは教育リーグで阪神と対戦した。

阪神     000030000 3

ソフトバンク 000001001 2

<バッテリー>

【T】岩崎、二神、筒井、山本――清水

【H】帆足、寺原、大場――高谷、細山田

<本塁打>【H】猪本

【戦評】

ソフトバンクは先発ローテ枠入りを狙う帆足と寺原が登板。帆足は5回3失点。寺原は3回無失点の結果だった。打線は6回に4番に入った猪本が右中間へ特大の一発。最終回には前日甲子園でのオープン戦でタイムリー二塁打を放った真砂が適時打を放ち追い上げたが、もう1点及ばなかった。また、長谷川が「1番右翼」で出場。今季実戦3試合目で初めて守備に就き、5回まで出場した。打席は3打席凡退だった。なお、3番DHでスタメン出場した松中が2安打をマークした。

「結果」の寺原、「内容」の帆足

【雑感】

ファームスタートからの逆転開幕ローテ入りを狙う帆足和幸と寺原隼人が揃って登板した試合。この日はオープン戦がなかったために工藤公康監督が初めて雁の巣球場視察に訪れた。

結果だけを見れば、先発した帆足が5回6安打3失点で、寺原は3回2安打無失点。寺原に軍配が上がるが、内容では帆足の方が上回っていたように見えた。帆足は立ち上がりの2イニングを8球、9球で抑えるリズム良い投球を見せ、さらに「生命線」と語るストレートにも力強さが感じられた。初回、実績ある関本賢太郎に対して、内角へ直球を投げ込み打者の足を動かし、最後は外角へのパームで見逃し三振を奪った場面などは見事だった。しかし、5回にその関本にタイムリーを浴びるなど3点を失ったのはもったいない。帆足自身も「あそこを抑えないと上では勝てない」と反省しながらも「今日はい真っ直ぐを投げられた」と手応えも口にした。

一方の寺原は抑えたものの3イニングで56球を費やす、内容的にはやや苦しい投球だった。昨季右ひざを手術して再起をかける今季へ少し重心を高くして投げるフォームに取り組んでいるようだったが、本来持ち味であるストレートで空振りを奪えなかったことが球数増につながったのではないか。それでもピンチの場面ではスライダーを駆使してゲッツーを奪う場面もあった。投手の仕事は「ゼロ」に抑えること。すっかりベテランの域に入った右腕は「結果」できっちり示した。

工藤監督は両投手について、「次回は上で、と考えています」とオープン戦での起用する方針を明かした。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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