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“森福2世” “191cm右腕” ホークス育成新人は今年も個性派ぞろい!

田尻耕太郎スポーツライター

育成枠で5人が新入団

育成の星となるダイヤの原石は誰だ――。

12月3日、ホークスの育成新人選手入団発表が福岡市内のホテルで行われた。

昨年は「ソフトバンク育成新人に「ダイヤの原石」見つけた! 足はイチロー、打撃は柳田!? 」という記事を掲載したが、来季入団する5人の育成ルーキーもなかなかの個性派ぞろいだ。

新人左から中村、児玉、野澤、樋越、渡辺
新人左から中村、児玉、野澤、樋越、渡辺

●育成1巡目

野澤佑斗(のざわ・ゆうと)。投手。つくば秀英高校(茨城)。右投左打。サイドハンドから繰り出すストレートに力があり、変化球の制球も高校レベルでは高いものがある。体が成長すればとても楽しみな素材。

●育成2巡目

児玉龍也(こだま・りゅうや)。投手。神奈川大学。左投左打。ひじを下げてのサイドスローからの投球に期待。球威の向上次第では、一軍リリーフ陣に入っていける投手。九州国際大付属高校出身。

●育成3巡目

樋越優一(ひごし・ゆういち)。捕手。東京農業大学北海道オホーツクキャンパス。右投左打。バットコントロール良く打撃センスがあり、長打を打てる捕手。大学では主将で4番捕手とチームの中心選手。秋季リーグ戦では最高殊勲選手を獲得。

●育成4巡目

中村晨(なかむら・しん)。投手。ルーテル学院高校(熊本)。右投右打。天性の柔らかさとキレの良いストレートを投げる、将来性豊かな身長191cmの本格派右腕。将来の先発候補として期待。

●育成5巡目

渡辺健史(わたなべ・たけし)。投手。飯塚高校(福岡)。左投左打。キレの良いストレートとスライダー、チェンジアップの精度が高い本格左腕。体力強化出来れば先発タイプとして期待。

まさか! 入団直前でのフォーム改造

特に注目したのが育成2位の児玉龍也投手だ。

サイド左腕は、目標を書き込む色紙を手渡されると誰よりも早くペンを走らせた。

「森福2世になる」

ただ、会見後に取材を進めるとビックリ。

「肘を下げて投げるようになったのは4年の秋のリーグ戦が終わってからです」

ん? え!?

「はい。なので、試合では投げたことはないんです」

上手投げで最速145キロを計測するも、大学4年間でリーグ戦白星はなかった。九州国際大附属高時代は3年春のセンバツ甲子園でベンチ入りするが、チームには絶対的エースの三好(現イーグルス、ちなみに捕手は現ベイスターズの高城)がいたため、甲子園のマウンドに立つことはなかった。最後の夏も背番号18で過ごした。

「高校の時から横手投げの方が合っていると言われていた。大学でも監督にはそう言われていました。でも、変えるのが嫌で…。ただ、結果が出ない。その中でも指名して頂き、スカウトの方々にもサイドスローを勧められました。自分の中でもずっと結果が出ずに気持ちも変わりつつあったので、完全に吹っ切れましたね」

森福允彦投手のような強い精神力を持った中継ぎエースを目指したいという。

「今は直球よりもスライダーやスクリューを磨く練習に力を入れています。児玉といえばコレというアピールをしていきたい」

まだ成長期! 2ヶ月で1cm伸びた

また、育成4位の中村晨投手。10月のドラフト時、彼の身長は「190cm」と記されていたのを記憶していた。なのに、この日のプロフィールは「191cm」となっていた。

「ドラフトの少し前に測って、また11月に測ったら1cm伸びていたんです(笑)」

高校入学時も182cmと長身だった。「ずっと身長が伸びている感じ」。一体どこまで…?

ほかにも先述の児玉投手は「大学時代にウーパールーパーを飼っていた」。樋越優一選手は「ゲン担ぎはR-1ヨーグルトを試合の朝に食べること」など珍アピールも。

来季は「ファーム新本拠地・筑後」1期生となる彼ら。どんな成長曲線を描いていくのか、楽しみにしたい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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