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「160キロ出せる」も納得の剛球見せた! 鷹の背番号90、スアレスは本物だ=ホークス紅白戦

田尻耕太郎スポーツライター

【2月21日(日)紅白戦第3戦 宮崎アイビー】

白組 00002000 2

紅組 20202230 11

※特別ルール

【バッテリー】

(白)攝津、五十嵐、バリオス、柳瀬、山田――高谷、斐紹

(紅)和田、バンデンハーク、スアレス、森、笠原――鶴岡、

【本塁打】

なし

【スタメン】

(白)8上林 4明石 9中村晃 5松田 Dカニザレス 7江川 D川島 6高田 3金子圭 2鶴岡 2拓也

(紅)8福田 4本多 5吉村 3内川 D長谷川 6今宮 7塚田 2高谷 8真砂 2斐紹 D釜元 D牧原

【戦評】

紅組が大量得点。吉村裕基が先制打を含む2安打3打点。釜元豪、塚田正義ら1軍枠を争う若手にもタイムリーが飛び出した。

投手陣では、和田毅がホークス復帰後初の実戦マウンド。メジャー仕込みのツーシームで内野ゴロを打たせるなど、2回を17球で片づける完ぺきなピッチングを見せた。バンデンハーク、バリオス、スアレスの助っ投トリオもそれぞれ1回無失点と好投。B組から登板機会を得た山田大樹が2回を打者6人に抑え、2三振を奪う快投で好アピールした。

満員のアイビースタジアム
満員のアイビースタジアム

来日初実戦で最速154キロ 満員のスタンドから歓声とどよめき

快晴の日曜日。しかも豪華メンバーが紅白戦に出場したこともあり、ホークスキャンプ地の生目の杜運動公園には今春最多の33,900人が来場し、アイビースタジアムは外野芝生席も開放されるなど大いににぎわった。

満員のスタンドが歓声とどよめきに包まれたのは4回表だった。

新外国人右腕のロベルト・スアレスが、ホークス入団後初の実戦マウンドに立った。ここまでの練習でも剛球は評判だったが、最初の打者の2球目に154キロを計測。その後も150キロ台を連発して1回を打者3人、2奪三振と“完璧デビュー”を果たした。

2年前は草野球でプレーした”作業員”

スアレス投手
スアレス投手

昨年11月にホークスと契約したスアレスは異色の助っ人として話題を集めた。2年前まではアマチュア選手で、草野球でプレーするのみ。建設作業員などで生計を立てていたという。昨年はメキシカンリーグで初めてプロ野球選手としてプレーし、43試合登板で5勝0敗、防御率1.71と好結果を残した。経験が浅く荒削りなところもあるため、ホークスは将来性を買って獲得した。

ホークス初の背番号90

背番号は90。漫画「あぶさん」の主人公景浦安武がつけていた番号だったことから、前々身の南海ホークス時代から長く欠番が続いていたが、2014年2月に連載が終了したことで、作者の水島新司氏からも了解があり、ホークス初代の「背番号90」の選手となった。

スアレスは紅白戦後に報道陣の質問に応え、「自分の仕事をすれば抑えられる自信はある。今日はストライクが入ってよかった」とコメントした。

日本式トレーニングで160キロ出す

さらに、この日は154キロを計測も「味方相手だし90%くらいだよ」と余裕の表情。

「メキシコよりも日本の方が当然練習量は多い。昨年は99マイル(約159キロ)を出した。160キロは一つの目標だよ。このまま練習を積んでいけば、160キロは出せると思っている」と自信をのぞかせた。

ホークスの外国人投手は、昨年9勝無敗のバンデンハークや守護神のサファテ、昨季プロ野球タイ記録の17試合連続ホールドを記録したバリオスと強者ぞろいで競争は厳しいが、それを勝ち抜く可能性を十分に感じさせてくれたこの日の快投だった。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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