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「金」内村航平と同郷の2軍月間MVP打者! 釜元豪は期待の成長株

田尻耕太郎スポーツライター

月間打率4割、盗塁もトップタイ

ファームといえども「月間MVP」は立派な勲章だ。

5年目外野手の釜元豪が7月度の「ミズノファーム月間MVP」(ウエスタン部門)に選ばれた。7月はチームの全18試合に出場。うち16試合に先発出場し、60打数24安打(打率.400)、12打点、4盗塁をマークした。

なかでも7月末に快音を響かせた。7月28日のオリックス戦(神戸サブ)から5試合連続マルチ安打を記録。2安打を放った30日の中日戦は故郷の長崎での試合だった。さらに締めの8月2日、由宇球場での広島戦は5打数4安打2打点の大暴れだった。

7月は打率、安打はリーグトップ、打点、盗塁はリーグトップタイ。さらに出塁率、長打率でもリーグトップの好成績で、月間首位のチームに大きく貢献した。

「100打席ごとで区切り」

イケメンで人気選手でもある
イケメンで人気選手でもある

「シーズンの初めはなかなか成績が上がらず、打席に立つのが嫌な時もありました。悲壮感が漂うと言われたことさえありました」

復調へ、まずは気持ちの切り替えを大切にした。100打席を区切りに、「次の100打席で30本ヒットを打てばいい」と考えた。

その中で藤本博史2軍打撃コーチと作り上げてきたバッティングが徐々に固まってきた。自分の間合いを大切にすること。ポイントは右足の着地だ。

「上げた右足をドンと下ろしてしまっていましたが、それをアキラ(中村晃)さんのようにじわーっと下ろすんです。バッティング練習が終わったら、軸足の左足がきついくらいに意識をして」

中村晃のように

10日の試合前にはサイン会も行った(手前・奥は島袋)
10日の試合前にはサイン会も行った(手前・奥は島袋)

5月末時点で.196だった打率は、8月9日時点で.268まで上がってきた。そしてここまで88試合出場はチーム2番目。「今年は初めて規定打席にのっている。使ってもらっている」と起用法を意気に感じている。

また、出身地は長崎県諫早市。故郷のヒーローといえばリオ五輪でも金メダルを獲得した体操の内村航平だ。「高校の通学路から内村さんの実家が見えたんです」。

4年後の東京オリンピックでは野球が正式競技として復活する。それはともかく、まずは待望の1軍デビューを勝ちとることが先決。俊足好打が自慢のイケメン外野手のさらなる飛躍を期待したい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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