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真夏の怪? ソフトバンク「マイナス0.5差」で首位の答えはこうだ!

田尻耕太郎スポーツライター
8月18日は京セラドームで「鷹の祭典in大阪」。満員のファンが詰めかけたが…

最大11.5差逆転、なのに・・・??

熱パは、こんなドラマも演出するのか。

ついに最大11.5差がひっくり返った。8月18日、前日まで0.5差でパ・リーグ首位の福岡ソフトバンクホークスが敗れ、2位の北海道日本ハムファイターズが勝利。これでソフトバンクが首位陥落し、日本ハムが逆転浮上……と思いきや、なんと順位はそのままという珍現象なのだ。

ナゼなのか―――。

勝率が最優先される

プロ野球ペナントレースの順位決定方法は、勝利数ではなく「勝率」が最優先される。

つまり、こういうことだ。

【8月18日終了時点】

1位 ソフトバンク 108試合 64勝39敗5分 勝率.621  ―――――

2位 日本ハム   109試合 67勝41敗1分 勝利.620 -0.5ゲーム差

勝利数で日本ハムが3つ上回るが、負け数はソフトバンクが2つ少ない。そのため「-(マイナス)0.5」というゲーム差がはじき出される。

ただ、順位において最優先される勝率でソフトバンク1厘上回っているために、このような「珍事」が起きたのである。

「引き分け」と「負け数」が重要

ここまでの両チームの大きな違いといえば、引き分けの数である。

シーズン最終盤までもつれた場合、引き分けの多いソフトバンクに有利に働く可能性もある。

たとえば、わかりやすく100試合制で考えたとき。

50勝20敗30分 勝率.714

55勝25敗20分 勝率.688

60勝30敗10分 勝率.667

たったシーズン1勝でも、V出来る

3例とも「貯金30」。だが、このように差がついてしまう。

引き分けが多くなれば、勝利数を気にするよりも「負け数が少ない方が有利」というのが球界では定説となっている。

極端な話だが、143試合を戦って、1勝142分ならば勝率10割。たった1勝でもリーグ優勝が出来るのである。

ちょっとややこしいが、これもプロ野球の一つの醍醐味だと思って、「引き分け」や「負け数」を気にしながら、およそ残り1か月半となった熱パのペナントレースを楽しんでみるのもいかがだろうか。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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