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松本裕樹「プロイチ」で2勝目! 復帰松坂大輔144キロ無失点

田尻耕太郎スポーツライター

8月25日のウエスタン・リーグ。ホークスはタマスタ筑後でカープと対戦した。

【8月25日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,719人】

広島     000000000 0

ソフトバンク 41120010× 9

<バッテリー>

【C】●藤井(0勝1敗)、江草、飯田、中田、オスカル――白濱、中東

【H】○松本(2勝0敗)、松坂、柳瀬、伊藤祐、伊藤大――斐紹、張本

<本塁打>

なし

<戦評>

ホークスが圧勝。この3連戦を全勝した。序盤から大量得点。初回に上林の2点二塁打や2本の犠飛で一挙4点を奪うと、2回は斐紹のタイムリー内野安打、3回は真砂のタイムリー二塁打、4回はカニザレスの二塁打などで得点を重ねた。

先発の松本はテンポのよい投球で5回無失点。2勝目をマークした。5月14日以来の103日ぶり実戦で1回を打者3人できっちり抑えた。ホークス投手陣は完封リレー。

カープは先発藤井が制球を乱して試合を作れなかった。打線もわずか4安打と元気がなかった。 (了)

松本裕樹、5回”準完全”で2勝目

先発で好投した松本
先発で好投した松本

松坂大輔の復帰登板で注目を集めた試合の中、20歳の若鷹が持ち前のクールな投球術でカープ打線を手玉に取った。

2年目の松本裕樹が2勝目をマークした。予定の5回を59球で投げきるリズムのいいピッチングで、被安打1(ルナの内野安打のみ)、無四球、奪三振3の無失点という結果だった。

投げるたびに「一番良かった」という感想が出てくる。前回登板が公式戦初勝利。だが、その8月14日のバファローズ戦は、5回1失点ながら111球を費やす投球だった。

倉野コーチ「あと5キロ・・・」

「今日のピッチングは自信になりました。いい経験になった試合です。プロに入って一番の内容だったと思います」

投球を見た倉野信次投手総合巡回コーチも「プロに入って一番の内容だったと思います。ただ、あと5キロ速くなれば…1軍でも通用すると思います」と話した。

球速にこだわりたいと話していたが、やや物足りなさは否めなかった。最速144キロも、直球の多くは130キロ台後半。それは松本も自覚しており、「それは課題です」と話した。ピッチング自体も変化球主体だった。放送席で解説していた斉藤和巳氏も、そこはやや不満そうだったという。さらなる飛躍につなげるためにも、次回投球では一段階ステップアップした投球を見せてほしい。

松坂103日ぶりマウンド「スピード出てよかった」

登板後は納得の表情も見せていた松坂
登板後は納得の表情も見せていた松坂

松坂大輔が103日ぶりにマウンドに立ち、好投を見せた。

5月14日のカープ戦(マツダ)の登板後に右指の違和感を訴えるなどして実戦から遠ざかっていた。「マウンドに上がる前は不安もあった」というが、最速144キロをマークした直球には力強さが感じられ、2アウト目をとった際に投げたスライダーには以前よりもキレが増しているように見えた。

ただ、登板後の松坂に話を向けると「自分としては久しぶりだったし、そんな力を入れたつもりはなかった。それでも直球やカットボールでもスピードが出ていたのは良かったと思います。スライダーも打者がどんな反応を見せるかなので、バッターの感想を聞いてみたいですね」と話した。

それでも倉野コーチは絶賛。「スピードはこれくらい出ると思っていた。久しぶりにしては良かったと思う。6,7割のチカラだったと思うし、すごく楽しみ。肩の状態が良くなっているし、コンディションが上がってきている。150キロ近くまで出るようになるかも…。まだ分からないけど」と期待の言葉を並べた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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