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ソフト上野由岐子4連投で日本一! ビックカメラ高崎が4年ぶり頂点=全日本総合

田尻耕太郎スポーツライター
メダルとトロフィーを手に喜ぶ上野(左)と同僚のウィギンズ

4戦連続完投で失点はわずか1

東京五輪での競技復帰が正式に決まり、再び注目度が上がることが予想されるソフトボール。

20日、大分県別府市で全日本総合選手権の準決勝と決勝が行われ、上野由岐子を擁するビックカメラ女子ソフトボール高崎が優勝。4年ぶり16度目(前身チーム時代も含む)の頂点に輝いた。

先の日本リーグで前人未到の200勝を達成した大エース上野だが、5月の日本リーグ前半戦で左ふくらはぎの肉離れを発症してしばらくは戦列を離れていた。今大会前には「故障明けでヘロヘロなので、スタミナ切れしちゃうかも」とジョーク交じりで話していたが、2回戦以降の4試合をすべて完投。失点したのは準決勝のトヨタ自動車戦の1点のみだった。また、準決勝と決勝は同日に行われたがいずれも1人で投げ抜き、決勝戦は延長8回のタイブレークを完封。チームは1対0で豊田自動織機に勝利した。

豊かな表情「ソフトボールを楽しむ」

優勝後に記念撮影
優勝後に記念撮影

この日の上野は、チーム関係者によれば決して本調子ではなかったというが、それでもこの好結果だ。そして、プレー中も時折笑顔が見られるなど、ソフトボールを心から楽しんでいるように映った。先日、東京五輪の競技復活に際してインタビューを行った中でも、このように話していた。

「みんなが期待してくれる間は自分の体がもつまで頑張ろうと思って向き合っています。だから、怪我が怖くなくなったし、打たれることや負けることも怖くなくなった。意外と楽しめているんです。毎日楽しければ、1日でも長くソフトボールをやっていられると思っています。私にとっては「今」がすごく大事で、「今」がつまんなくなるともう這い上がれない。もう一度は頑張れない。そんな不安がある。やりたいことをやりたいときにやる。それくらい毎日を楽しんでいます。それが今のソフトボールへの思いです」

今週末の24日(土)、25日(日)は地元群馬県高崎市で日本リーグ第7節の2試合に臨む。日本リーグでは昨年優勝しており、今季は連覇がかかっている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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