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流行中の「自分新聞」はスパムではなくなったがやはり利用はあまりお勧めしないかも

高橋暁子成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
Facebookで流行中のアプリ「自分新聞」

今年も年末になり、Facebookで「自分新聞」アプリが流行中です。

昨年までは同アプリを利用するためには、アプリと無関係の「omiai」やスポンサーのFacebookページに「いいね!」をしなければ使うことができませんでした。「omiai」は言ってみれば出会い系アプリです。アプリの広告に自分の名前が使われる可能性があるため、利用はお勧めしないという話は、昨年末もブログに書かせていただきました。

診断アプリの罠に注意!『自分新聞』はスパムアプリ!?(高橋暁子のソーシャルメディア教室)

今年も早速流行っており、様々な人が利用しているよう。「いいね!」を条件としたキャンペーンは利用規約で禁止されたはず…ということで、調べてみました。

「いいね!」が強要されていない!?

同アプリを利用しようとする場合、以下のデータを取得する許諾を求められます。少なくとも以下のデータはアプリ側に渡すことになります。

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が、以前は求められた「omiai」Facebookページなどへの「いいね!」は求められませんでした。すぐに投稿画面になります。

いざ、「自分新聞」をウォールに投稿。どきどきしますが…

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やはり、投稿後も「omiai」Facebookページに「いいね!」していませんでした。

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運営会社のページを見ると…規約改変に合わせて、「いいね!」を条件にすることはやめた模様です。おお、スパムアプリではなくなったと言っていいかも。

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ただし、イメージは悪いままなのでお勧めはしません

スパムアプリではなくなったと言っていい状態だと思うので、今のところは利用は問題ないでしょう(あくまで「今のところ」ですが…)。

ただし、「自分新聞」で検索すると、1ページ目は公式サイト以外はすべて「自分新聞=スパムアプリ」という記事が表示されます。ここ数年スパムと言われながらも同じ手法で運営し続けてきたアプリなので、やむを得ない事態でしょう。

また、今年からスパムではなくなったようですが、これまでのイメージが強いため、アプリを利用すると周囲の人たちには警戒心を抱かせることになるでしょう。それでも使いたいなら自己責任で使ってもかまいませんが、人間関係的には若干リスキーなのではないでしょうか。

今回の記事を書くにあたり、「omiai」「ハーバード流宴会術」Facebookページを見ましたが、多くの人たちが「いいね!」したままでした。おそらく過去に同アプリを利用するために「いいね!」したのだと思われます。この機会に、それらのページの「いいね!」は取り消ししておくことをお勧めします。

また、「診断系アプリ」は怪しいものが混じっていることが多いのは事実です。周囲に迷惑をかけたり、自分の評判を下げる可能性が高いので、今後も利用する際にはくれぐれも注意して使うことをお勧めします。

今月、子どものSNS利用で起きるトラブルの実態と対処法について書いた新刊『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎エデュケーション新書)が出ました。ネットやSNSの安心・安全利用において参考にしていただければ幸いです。

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。テレビ・ラジオ・雑誌等での解説等も行っている。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(日本実業出版社)等著作多数。教育出版令和3年度中学校国語の教科書にコラム掲載中。

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