イラクのクルディスターン自治政府の「大使館」
イラクの一部を構成する北部のクルディスターン自治政府は、あくまでイラクの一部であり、独立国家ではない。したがって外交権は有していない。というのが建前である。しかしながら、現実には独自の外交活動を展開している。たとえばロンドンには代表事務所を設置して各国に投資を呼びかけている。その所長は、バヤーン・アブドルラフマーンが務めている。『フィナンシャル・タイムズ』紙の元記者で東京特派員の経験もある人物である。その父親は、サミー・アブドルラフマーンであった。サミーは、KDP(クルディスターン民主党)のナンバー・ツーであった。KDPの事務総長とクルディスターン自治政府の副首相を兼任していた。2004年に新年の訪問客を歓迎していた際に爆殺された。訪問客の一人がアルカーイダから派遣された刺客で自爆したのである。KDPはイラク・クルディスターンをPUK(クルディスターン愛国同盟)とともに支配している。
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