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「イスラム」とヌスラ戦線についてのコメント

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

「イスラム国」は、最近のシリアの戦闘で古代遺跡でも知られる戦略拠点のパルミラを失った。またイラクでは支配下の最大の都市モスルに対するイラク政府軍の攻撃の準備が始まっている。さらに幹部のアメリカ軍による殺害が続いている。軍事的には守勢一方の状況である。また経済的にも石油関連施設が破壊されるなど打撃を受けている。戦闘員の給与が半減されたとの報道もあった。こうした厳しい状況下で、自らの勢力の健在ぶりを誇示するためにヨーロッパでの大規模なテロを計画実行したのだろう。これまでの一匹オオカミ・テロを呼びかける戦術から、自らが立案しテロを実行するように方針を転換したのではないか。パリやブリュッセルでのテロは例外ではなく、その前触れであろう。懸念されるのは原子力関連施設などへのテロである。テロリストが、こうした施設を調査していたとの報道もある。また化学兵器によるテロも想定外ではない。というのは、イラクやシリアの戦場でイスラム国が化学兵器を使用しているとの報道が頻繁に流れているからである。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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