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<ガンバ大阪>市立吹田スタジアムで公式戦初勝利!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

来週、3月15日にアウェイの地でのAFCチャンピオンズリーグ、グループステージ第3節を戦う関係で、本日、J1リーグ第3節の大宮アルディージャ戦を戦ったガンバ大阪。序盤からガンバペースで試合が運ぶ中、 後半開始早々の49分にコーナーキックからのセットプレーでDF今野泰幸が先制すると、61分には流れの中から相手の守備を切り崩してMF阿部浩之が追加点を奪う。終盤はやや受けにまわる展開の中、元ガンバのMF家長昭博に1点を許すも、リードを守り切り2−1で勝利。市立吹田サッカースタジアムでの今季公式戦初勝利をおさめた。試合後のガンバ大阪監督、選手の声をお届けする。

●長谷川健太監督

今日はまずホームで勝てたこと、選手が非常にアグレッシブに戦ってくれて、サポーターに今季このスタジアムでの初勝利をプレゼントできて本当によかったと思っています。今日は東日本大震災の黙祷から始まって、気持ちを出して選手が…両チームの選手が戦ったと思います。80分くらいまでは言うことのない試合。アグレッシブで切り替えも速く、大宮にチャンスらしいチャンスも与えませんでしたが、最後、若干疲れが出たのか、少し受けにまわってしまって最後の最後はあわやというシーンも作られたました。そういう意味では今日出た課題をまたしっかり修正して次の試合に向けて準備をしていきたい。ただ、細かな修正点はありますが、こういう時期に非常に切り替えの速いアグレッシブなサッカーが出来たのは大きな収穫。来週の火曜日にはまた、すぐACLの試合があるのでしっかり切り替えて次の準備していきたいと思っています。

ー攻撃陣がかなり前半からリズムよく攻め立てて、状態があがっているようにみえた。仕上がってきたと感じていますか?

そうですね、今季はなかなか勝てなかったですが、例年に比べたら非常にアグレッシブに戦えているので、そういう意味で、あとは最後のタッチがあってくるかじゃないかと思います。そうすれば更に今日の試合でも点差をひろげられたはず。そこは個の部分でもあるので、それぞれが意識をして、高めていって欲しいと思っています。

ー連勝して調子もあがってきたということですが、この序盤からこのサッカーが出来ている要因は?

前節、勝ったのが大きいと思います。いくら内容がよくてもACLの水原戦にしても鹿島にしてもチャンスはあったと思いますし、メルボルンもそうですが、チャンスはあったが、なかなか点が取れなかった。そういうなかで初瀬が出たり内田がでたりした中で、甲府に勝てた事が1つ大きかったと思いますし、それが今日の試合に繋がったと思っています。

●今野泰幸

大宮の前線が強烈なのも、カウンターが鋭いのも分かっていたので、そのリスクマネージメントだけはしっかりしようと心掛けていました。前半0−0で折り返しましたが、焦れずにリスクマネージメントだけはしっかりしようということは話していたし、ああいうのも大宮のペースだと思うので後ろは我慢してやっていた。実際、先制点を獲るまでよく我慢できたと思います。(ここ2試合、個人的にも守備のところで自信をもってやれているのでは?)そうですね、だいぶん、慣れてきた感はあるし、動きでも自分の持ち味というか…ジョン(金正也)に助けてもらっているところも多いけど、ジョンにラインコントロールでリードしてもらいながら、声掛けてもらいながら、二人で話し合いもしながら、少しずつだけどポジショニングもよくなっているし、プラス自分の特徴もよくでてきていると思うので、これは続けていきたい。(何度かいいインターセプトもありました)そうですね。いいタイミングで出せていたし、起点も作らせなかったので。でも何度かファウルはさせてしまったので…でもあのくらいいっていいと思いますけどね。(このスタジアムでようやく勝てた)そうですね。ほっとしています。本当にいい雰囲気で最高のスタジアムだからこそ、ここで本当にいいサッカーと勝利を皆さんに魅せたいと思っているし、もっともっとよくなる部分はあると思うので、まだまだ満足せずにやっていきたい。(震災から5年目。東北に対していろんな思いもある中で、ご自身のゴールも含めて結果を残せたことについて)そうですね。僕は東北出身者として思うところはたくさんあるし、ただ自分のプレーというのは地味だけど一生懸命やるとか、最後まで諦めないとか、泥臭く頑張るとかが特徴なので、そういうところを皆さんにみてもらって少しでも勇気を与えたいと思っているし、将来サッカー選手というのがたくさん東北から出て来たらいいなと思います。

●藤春廣輝

(いいクロスでした。阿部選手が見えていました?)そうですね。シュン(長沢駿)に「ニアにいってくれ」と思っていたらその通りにいってくれて、あそこで阿部ちゃんがしっかり構えてくれていたので出しやすかった。(チームとしても前半からかなりアグレッシブに切り替え早く戦えていました)そうですね。大宮は堅いのは分かっていたので、簡単には切り崩さないとなかなか点は獲れないと思っていましたが、前半からアグレッシブにいけていましたし、攻守の切り替えというのも良かったと思う。ハーフタイムに監督も言っていましたが、後半もそれをしっかり継続してやれたことが勝ちに繋がった。前半のうちに1点獲れればよかったけど、相手の守備も堅かったので。後半も焦れることなく、ガンバがしっかりボールをまわしていたし、特にセットプレーで1点獲ってからは、よかったと思います。(初めてこのスタジアムでの勝利を挙げられました)遅かったけどなんとか勝ててよかったし、これからももっと勝っていってファンの人たちに喜んでもらえたらいいかなと思います。(クロスあげたあと、そのまま走り抜けたらもうゴール裏の前だったから喜びも直に伝わって来たのでは?)そうですね(笑)。あのままじゃスピードをおさえられないので後ろを回らないと無理だったのもあったんですけど、気持ちよく喜べて勝利もできて良かったです。

●遠藤保仁

(攻守の切り替えも速く、ガンバの戦いができましたね)結果的に勝ち切れたし、リズムも非常に良かったと思うので、全体的に見ても相手を押し込む時間の方が長かったしうまく追加点もとれましたし、今日に関しては当然の結果かなと思います。(やっていてもいいリズムが出て来た、と?)相手によりますけどね。今日は相手も結構ひいていたし、フリーな状態でボールを持てる時間が長かったので。あれをハイプレスがくる中でもやれるようにしたいし、勝ちながら徐々にチームの状態もあがっていると思うので、今日のようなテンポでできるのならこれから先も非常に楽しみだなと思います。(敵陣で前を向いて縦パスを居れるシーンも多かったですね)あまりプレッシャーもなかったですし、みんなが動きながらボールをもらう意識も今日は高かったので、あれだけ僕自身もフリーで持てばより効果的なパスを出していきたいと思うし、貴史とかサイドの選手も前を向いてボールを運べる事も多かったので、ああいう形がとれれば、相手にとって脅威になるんじゃないかと思います。(震災から5年目。遠藤選手は日本の顔として、今日の日にどんなことを思ってプレーしましたか?)うちのチーム内にも東北出身の方もいますし、相手チームやそれ以外のJリーグの選手にもたくさんいますが、月日はたっているとはいえ、サッカーをやれている幸せを感じながら僕らはプレーしていかないといけない。まだまだサッカーをしたくてもできない人もいらっしゃるはずだからこそ、そういう人たちに少しでも「サッカーは楽しいな」とか「サッカーをやりたい」と思ってもらいたいと常々思っているし、そういう意味ではサッカーをやれている僕らが、クオリティの高い試合なり、頑張っている姿を少しでも多くの人に届けていけるようにしていきたいと思っています。(宮城県出身の今野選手が得点をとりましたが)そうですね。彼もいろんな思いでピッチに立っていると思いますし、東北出身の選手が活躍するのは一番の励みになると思うので、そういう結果を今日出せたのは良かったと思うし、スタジアムまで足を運べない人のためにも、少しでもメディアを通して頑張っている姿を示していければと思います。(序盤で連勝できているというのはチームとしても手応えを感じるところですか?)少しずつ全体的に機能して来ていると思いますし、ACLとリーグ戦に限れば、まだ1つしか負けていないので。ただ、勝ち切れた試合もここまであったはずだけに、次もアウェイですがしっかり勝ちきれる試合を増やしていきたい。メンバーもまたいろいろかわっていくと思いますが、誰が出ても今日のようなパフォーマンスができるようにしたい。(ホームでの初勝利について)もちろん出来る限りここでは勝ちを積み上げたいという思いは持っていますからね。まず1勝できたのはよかったですが、まだまだ残り試合があるのでホームでは勝ち点3がしっかりとれるようにこれからもやっていきたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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