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<ガンバ大阪>ホームでのジュビロ磐田戦で、今季初の逆転勝ち!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ガンバ大阪が今季未だ1勝しか挙げられていないホーム・市立吹田サッカースタジアムにジュビロ磐田を迎えての一戦。前半、早い時間帯に失点を許す苦しい展開になったのものの、前半終了間際にFWアデミウソンがゴールを決め試合を振り出しに戻すと、後半も果敢に攻撃を展開。その流れの中で66分にキャプテンMF遠藤保仁が決勝点を挙げて磐田を突き放し、今季初の逆転勝ちで待望の『ホーム2勝目』を飾った。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●ガンバ大阪/長谷川健太監督

ホームで勝てたこと、サポーターに勝利をプレゼントすることができて、選手たちが頑張ってくれた結果だと思っています。先制された中でどちらにしてもアグレッシブに戦わなければいけない状況の中、前節同様に、前半から何回か良い形が作れるようになってきて…ヤットもトップ下に入って良さを出してくれたのも大きかったし、前半のうちに1点を返せたのも後半落ち着いて試合を運べる要因になった。後半はなかなか得点が取れない中で、2点目をヤットがとるという今までの鬱憤を晴らすようなプレーをしてくれた。こういうホームの勝利をきっかけにどんどん上を目指してやっていきたいと思います。

ー遠藤選手をトップ下で使った狙いと、改めて今日の彼のプレーに対する評価をお聞かせください。

連戦でボランチを預かってきたヤットを少しでも軽減させてあげたい、と。また前節の新潟戦も、時間的には前にいる時間は短かったけどヤットのところからボールが前に出ることが増えていたし、ここまでなかなか前線でためが作れない試合が多かったですからね。パトリックは裏に抜けるのが持ち味だし、貴史とアデミウソンも試しましたが、前で起点が作れない試合が続いていたので、そこで起点ができると周りが連動して動けるようになるし、サイドハーフも非常にもあがりやすくなる、と。いま、現状でヤットがそこをやってくれるのが一番しっくりくるんじゃないかという考えもありました。守備陣も岩下が前半でイエローをもらっていたので、後半は絶対にもう1枚もらうなという事はくぎを刺し、ただ、少し足も落ちてきたので交代しましたが、彼を含めて、センターバックがしっかり壁になってくれたおとで前も安心して攻撃に、という状況を作れたし、それが結果に繋がったんだと思います。ヤットのゴールの1:1のシーンは、前半も1本あって、得点のシーンも難しいシーンだったと思いますが、ああいう中で決め切る力、また、飛び出しの反応も非常に素晴らしかった。

ーこれまでいろんな攻撃の形を試されてきましたが、今日の布陣で見えたものがありましたか。

アデミウソンをどこで活かすかが悩みの種の1つだったのですが、今日は右サイドに入れて非常に攻撃に絡むシーンが多かったし、最近の試合に比べたらロストも少なかった分、、攻撃のボールにはだいぶスムーズに絡めたていたというか。悪い時は左に偏ってしまって左サイドから展開できない試合が多かったのですが、それが非常に流動的になってきて、ボールの動きも偏りすぎずに動かせた。もちろん、まだまだ修正するところはありますが、そのあたりは、新潟戦よりも少し数を増やそうということで磐田戦に入りましたが、決定機の数が増えてきたことはプラスにも考えて、更に攻撃がスムーズになるようにしていきたいと思っています。

●MF今野泰幸選手

とにかく勝ちが欲しかったし、勝ったことだけには満足しています。(前半終了間際に追いつけたことも多かったと思います)もちろん1点のビハインドを負って後半に入るのとでは気持ちは全然違うしあそこでアデがとってくれたのはすごく大きかった。(いつもよりボールがよく動いたという手応えはありますか?)どうでしょう。とにかく必死でした。闘って、隙をなくして、とにかくこのホームで勝ちたいという思いが強かったから…そんなきれいな勝ちではなかったかもしれないけど、勝ちは勝ちなので。(遠藤選手の2点目はチームの気持ちが乗り移ったようなゴールでした)もちろん僕らはここ最近の試合でなかなか点が取れなかったし、いい形を作れる事が少なかったので。早くなんとかこのホームで点を獲りたかったし、点を獲って勝つところをみせたかったので、良かったです。

●GK東口順昭選手

(1点目は悔しいミスになりました)やっちゃいました。(イレギュラーなバウンドになったのでしょうか?)いや、イレギュラーもしていないし…嫌なバウンドでしたが僕のミスです。身体を正面に入れ切ろうと思ったんですがそれが少し遅くなってああいう形になってしまった。あれをとりにいくなら、もう少しセービングをしにいったほうが良かった。中途半端なところで中途半端なことをしてしまいました。触った事は触っていて、僕は弾いたと思ったんですが、サポーターが視界にはいったらみんながすごい顔をしていたので、あれは本当に反省しました。そのあと逆転できて…本当にチームメイトに感謝しています。(ゴールをとるたびに一緒に喜びに行っていましたよね?)そう。あれ試合前に、みんなで喜ぼうという話がヤットさんからあったので。気持ち的にはいけない心境でしたがそういう約束事があったのでいきました。そのヤットさんが決勝点というのはさすがですね。ああいう苦しいシーンでとってくれるのは…すごいキャプテンだなと思います。(本来のガンバらしさが戻って来た?)そうですね。この前もそうですけど、本当に徐々にガンバらしさが戻りつつあるので。これを継続してやっていければまた勝ち点は拾えると思います。(ホームでやっと勝てたという感覚ですか?)そうですね。長かったですね。サポーターもモヤモヤしていたと思いますけどこれを続けていけるように。ホンマにいい雰囲気になってきたし、チームとしての手応えもあります。(逆転勝ちも初めてですが)そうですね。それもホンマに勢いになると思うしいい勝ち方だったと思います。

●MF井手口陽介

チームとしてはアグレッシブに戦えたと思うんですが僕自身はミスが多かったので、そこは反省していかないといけない。小林祐希選手とアダイウトン選手が相手のキーだったと思うのでそこにもっと自由にやらせないようにしないといけないと思いました。(中1日で疲れも?)そのへんは大丈夫です。

●MF遠藤保仁

チーム全体としてホームで勝ちたいという気持ちがいい結果に結びついた。試合内容も全体的に見たらスムーズに攻撃もできていたしチャンスも作れていたと思う。アデと貴史のとも「自由にポジションチェンジをしてやっていこう」と話をしていて、実際、ポジションチェンジをしなが今日はら自由に、スムーズにやれていたし、いいサポートもありましたから。攻撃に関しては少しずついい手応えは感じているし、改善されてきているかなと思います。(同点ゴールは大きかった?)そうですね。前半で追いつけたのは良かったし、あれで落ち着いて試合を進められた。できれば先制して安定して戦いたいですが、ここまでなかなかゴールも獲れていなかった中で、ああやってひっくり返せたのはいいこと。これをきっかけに勢いに乗っていきたい。(トップ下で得点に絡むことも意識していましたか?)よりゴールに近いので。出来る限りそういうところには絡んでいきたいし前半の決定機も決めなきゃいけない場面で、トラップまでは完璧でしたが、あそこでしっかりいいチャンスをものにしていくことができていけば更に楽に展開できると思うので、決めていきたい。(ご自身のゴールシーンについて)パトがヘディングをするときは出来る限り斜め後ろか後ろに走ろうと思っていた。ヘディングする前に、パトに後ろに落とせって言っていたので。ああいう高さを使いながらの攻撃でも得点が獲れたのは非常に大きい。(前半1:1を外していた事も教訓になっていたのでしょうか)完全に抜け出せたのであとはGKの一をみて冷静に蹴るだけでした。ほぼほぼイメージしたゴールでした。僕からみたら右にかけたというか、きれいにコースがみえていたのでしっかり流し込むという感じで、冷静に決められたと思います。(派手に喜ぶのは珍しいですが)あれは…パフォーマンスで(笑)。サポーターの方々もフラストレーションがたまっていたはずだし、僕らもずっとホームで勝ちたいという気持ちも強かったのでああいう感じになりましたが、ああやってベンチからみんな飛び出してきたり、っていうのは見ていても気持ちいいだろうし、やっている僕らも気持ちがいいというか、チームとして戦っている証でもあったので。全員で勝ちに行くという気持ちを表せたのかなとは思います。今日は金曜日でも18000人くらい集まってくれたし、これまでも悔しい思いをさせてきたので、これからも勝ち点3をとれる、気持ちの入った試合を増やしていきたい。(遠藤選手が試合前、ゴールを決めたら全員で喜ぼうという話をしたと聞いた。それはチームとしての一体感をいまいちど確認するためでもありましたか?)そうですね。なかなかゴールが決まらない状況もありましたし、守備陣も耐えるところはしっかり耐えてくれていたので。やっぱりFW陣が点を獲れるのも後ろのおかげでもあるからこそ全員で喜ぶのは必要だと思っていた。ヒガシが一番遠いですけど、ヒガシもダッシュできてくれてよかった(笑)。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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