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<ガンバ大阪U-23>ラスト5秒で同点に追いつかれて、引き分ける。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

J3リーグの前半戦最後の試合となった、AC長野パルセイロ戦。上位争いを続ける長野に対し、8分、MF藤本淳吾のゴールで先制点を奪ったG大阪だったが、1−0で終わるかと思われたアディショナルタイム。ラストプレーで長野にロングスローからゴールをこじあけられて引き分けに終わった。試合後の實好礼忠U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●實好礼忠U23監督

今週、二川という選手がいなくなって、週明けから感情を揺さぶられて、今日の試合の最後も、感情が入り乱れるような、揺さぶられた試合でした。

ー梅津くんを1ボランチでダイヤモンドにした狙いと、梅津くんの評価を。

前半、先制して相手のボールを持つ時間が長くなって、3ボランチの左右のスライドが厳しくなったところで、後半はそこを淳吾とダブルにして、サイドハーフがうまく相手のウイングバックと3バックの最後のところにアプローチにいけるようにしました。梅津は本当にボールさばきも上手ですし、この90分で落ち着いてやっていましたし、ひょろひょろな身体ですけど必死にボールを追いかけ、身体をぶつけて素晴らしい出来だったんじゃないでしょうか。

ー最後の失点シーン。再三にわたり、ロングスローやコーナーキックが続いた中での失点でした。あのシーンをどう振り返りますか。

ん〜。あれは、どうみるんでしょうね。本当にその瞬間の誰がどうというよりも、大きな流れの中で最後の最後、みんなの気持ちがどうだったかというところで、ラストプレーの重要性はすごく感じました。長いボールに対して今週はトレーニングに取り組んできて、身体をはって、小さい選手も多いんですがよく弾いてくれていたと思います。

ー二川(孝広/東京ヴェルディ)選手が抜けて感情が気持ちが揺さぶられたという話がありましたが、その部分においてチームに動揺というのはあったのでしょうか。

本当にいま、若い選手がこの半年間、二川と一緒にプレーして、二川の若手だけの挨拶のときは、二川自身が感情的になったりもして、それに対して若手も涙する人もいたし、あと今日の試合前のミーティングでも、二川のところをクローズアップしたところもあって、本当に影響を受けた若手がこれからもどんどん成長してくれるように…、今日キャプテンの(平尾)壮が、フタさんも応援してくれている、っていう言葉を発していましたが本当に影響力の大きな選手だったので、若手にもこれからどんどん成長してほしいです。

ーJ3の前半戦を終えて。

全体的にやっと攻撃の面でも状況判断しながら自分のストロングをだしていくことなど、成長のスピードは各自ちがいますが、少しずつ成長はみられていますし、守備の面でもトップチームのコンセプトを理解しながら、ボールを奪うところとか、厳しくいくところなど、全体的に少しずつですが成長がみられているので、このまま継続して更にスピードアップして成長していければと思います。

●DF平尾壮

(久しぶりのサイドハーフでした)これだけ長い時間サイドハーフでプレーするのは2年ぶり近い気がするので、全然視界が違って最初は戸惑いました。僕の本職はもうサイドバックだなんだなと実感しました。もらうタイミング、上がるタイミングが全然掴めずに…サイドバックなら前の状況がみえている分、ここっていうタイミングであがれるんですが、今日はサイドバックをやっている時以上に攻撃にいけなかった。(終盤、いい形でドリブルで割って入っていけたシーン。最後に引っかかってもったいなかったですね)自分の右側にいた選手がみえていなくて。ユースの時なら分かったはずなんですが、相手を交わしたところで満足したというか…よし、勝った、打ってやろうと思ったら…あれ?と…。そのへんの甘さが宇佐美(貴史/アウクスブルグ)くんとは違うところですね。宇佐美くんなら、あそこでしっかり決めていたと思います。(セットプレーでの得点が多い相手に対しての対応について)きめている得点の9割がセットプレーだと言われていたし、前日にもスローインへの対応も確認していたんですが…最後もったいなかったですね。しかも90分間パワープレーされていたし大きな選手が貴くん(西野貴治)しかいないから、めっちゃ嫌でした。(キャプテンマークを巻いての一戦でした。試合前にも二川選手が抜けたことも踏まえて発言されたということですが)そうですね、勝ってフタさんにプレッシャーをかけたかったんですけど、勝ち切れなくて残念です。チームとしてはお手本としていた人がいなくなった分、もっと自分たちでという意識が出て来たので、これからだと思います。内容はここ数試合よくはなっていると思うんですが…勝ち切れていないですからね。理由は経験のなさといえばそれまでですが、もっと集中することも必要だし、最後のシーンもスローインになるようなところではなくてもっと前に蹴っていたらああいうシーンも生まれなかったと思うので、そういうところはもっと詰めてやっていかなければいけないと感じました。

●MF嫁阪翔太

(前節に続いてセンターバックでしたが、最後の最後もったいなかったですね)本当に…もったいないですね。(相手はセットプレーがストロングのチーム。どのあたりを気をつけてやっていましたか)僕はセンターバックをするには小柄なので、対等に競り合っても負けるって分かっていたので、競る前にポジショニングをとるとか、身体をいれるとか、意識してやっていたんですけど、全然相手に先手とられてしまった。もっと考えてプレーする必要があったというか、ボランチに競ってもらって自分がカバーにいくとか、もっと試合の中で連動してやれれば良かった。危ないシーンもあったので…僕の滑ってしまったシーンも含めて…きつくなった中でもどちらが最後は知り勝てるかだったんですけど…。(本職でないところでプレーすることのプラス材料をあげるなら?)選手としてより多くのポジションを出来た方が良いと思っていますし、センターバックをやって意味がないということもないので、センターバックだと競り合いとかも全部リアクションの動きですからね。前だと自分からアクションなんですが、相手にあわせる動きだったり、DF目線で自分が攻撃をするときも考えられたりするので。そういう意味ではポジティブにやっています。ただやるからにはもっと巧くなりたいし上を目指してやりたいです。(内容は良くなっているけど勝ち切れない)そうですね。最初うまくはいってもいつも最後の最後で失点したりするのでそういうところを修正していかないとリーグ戦で順位をあげていくのは難しい。まずは守備から徹底してやっていかないといけないと感じました。

●DFオ・ジェソク

(久しぶりの90分でした)しんどかったです。前回より時間がのびて今日はフルで戦いましたが、前回の試合よりみんなで、チームとして戦っている感じはありました。前半も暑い中で頑張って、淳吾さんの素晴らしいシュートで先制して、それを試合が終わるまで守り切れたら良かったのですが、最後残り5秒で集中力を欠いて引き分けたのが残念です。(セットプレーの対応について)今日のミーティングで、相手の得点のうち殆どをセットプレーでとっていると、セットプレーは相手のストロングだからしっかり守ろうということを言われていたのですが、残り5秒までは良かったんですけど…もったいなかったです。(トップでの戦列復帰にむけて90分やれたのは収穫ですね)90分、フルで戦うのはたぶん2ヶ月ぶりくらいだったので…コンディション的にはまだそこまで良くなかったのかなというのはありましたが、90分やれたのはよかったです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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