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<ガンバ大阪>YBCルヴァンカップ準々決勝を征し、準決勝進出。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

アウェイでの第1戦を1−1で折り返した中で迎えた、吹田スタジアムでの第2戦。セットプレーから先制を許す展開になるも長沢駿の2ゴールで突き放す。その後、広島MF森崎浩司の素晴らしいFKで2−2と追いつかれるが、直後の55分にセットプレーからDF丹羽大輝が決めて3-2にすると、以降はゴールラッシュに。アデミウソンに2ゴール、阿部浩之に1ゴールが生まれる中で6-3と勝利。2試合合計7-4で準決勝進出を決めた。試合後のガンバ大阪・長谷川健太監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

まずは、ホームで勝って、しっかり次のラウンドにいけたのは、選手が最後まで頑張ってくれたおかげだと思います。サポーターも今日はたくさん点が入って喜んでくれたんじゃないかと思います。ただ、内容は点差ほど差がないというか、紙一重で、3点目がすぐに入らなかったら逆の結果になってもおかしくないゲーム展開だったと思います。そういう意味ではセットプレーで2点目獲られたあと、すぐに3点目がとれたのは非常に良かった。そのあともしっかりと自分たちのサッカーをして、今まで吹田スタジアムでなかなか点が取れなかったことが嘘のように点が取れたという意味では、今後に繋がる試合になった。またすぐにリーグ戦が土曜日にありますので、しっかり切り替えて、また1週間準備していきたいと思っています。

ー水曜日に出場しなかったアデミウソン選手の今日の評価をお願いします。

非常に前半からアグレッシブにプレーをしてくれた。1点獲ったあと、少し足に痙攣があるということで、どうしようかと思っていたのですが、もう少しプレーさせました。その中で、だめ押しの得点をとってくれた。2点とも素晴らしい得点だったし、前半のアシストも良かったと思います。

ー今日のボランチは、遠藤選手と井手口選手で組みましたが、前半は井手口選手があまり良くなかったように見えましたが、今日のボランチの出来には監督はどのように評価されますか。

非常に二人ともよかったと思います、前半は確かに陽介にパスミスがあったりしましたが、非常にアグレッシブに前線に絡んだり、運動量も非常に多かった。ここ2戦、言うことのないプレーをしてくれたと思っています。

ー第1戦で粘り強く追いついた中で今日の2戦目だった。逆境の中でこうして勝利をもぎ取った選手たちの力への評価をお願いします。

呉屋が1戦目のときに難しい時間帯、状況で、チームにまた勢いを与えてくれるような得点をとってくれたのは今後に向けてたのしみな選手が出てきたと思っています。8月に入って、FWが非常に得点をとるようになってきてきて、そういう意味では点を獲られても自分たちがという思いで、プレーしてくれていることがこの結果に繋がっていると思います。今日も、アデが2ゴール、長沢も2ゴールとって、呉屋も阿部にアシストするなど、前線の選手に勢いがでてきたのは、粘り強く後ろが我慢すれば、という戦いに繋がっていると思います。ただ、こういう大量得点の後の試合は、非常に難しい試合になることが多いのでしっかり切り替えて、甲府戦、非常に守備も強固なチームなのでしっかり点を獲って勝つことを考えたいと思います。

●DF丹羽大輝

(先に失った分展開としては難しくなった)そうですね。90分間どういう得点、失点をしたかをみんなで冷静に分析しながらできていたとし、リードされてもバタバタしなかったし、リードされたあと、追いついたあとも終始ゲームコントロールはできていたんじゃないかなと。逆に広島さんは少しリードされて前ががりになってきていたいので、そこを僕らがつけて6−3というスコアにできたのはよかったと思う。(ゴールシーンについて)今年の自分の目標というか、ゴールを獲らないとなかなか代表とかにはなかなかいけないというところは去年の年末にハリルさんから言われていたので。9月になってもまだゼロゴールというのはすごい自分自身歯がゆくもあり…その中で、やっと1ゴールがでたので、本当に良かった。ヤットさんのボールがすごくよかった。キャンプの時から智(山口/強化部)さんとかいろんな人がアドバイスしてくれて、どうやったらとれるかとか話をしてくれて、自分で獲ったというよりその人たちのアドバイスのおかげというか、そういう人たちの力なのかなと思います。(ゴールシーンの駆け引きについて)単純にこっちのほうが前半から入りがちょっと早かったので。後半ちょっとゆっくり入っていこうというところでタイミングをあわせて、みんなでごちゃごちゃっとニアのところで潰れて入れれば、こっちにチャンスがあるというのは駿とも話していたし、あそこで駿がつぶれてくれて、ひき付けてくれたと思うので、本当に味方と一緒にとれたゴールだったと思います。また、3点目をとったあとも、4点目、5点目、5点目をとっても6点目をとらないといけないというか、サポーターの方もそういう雰囲気を作ってくれたし、やっぱり突き放す、相手の息の根をとめるというところで、2点差になってもひかずに、3点差になっても攻めて行くという姿勢をもてた。本当にこの暑さで3連戦目で足がとまりがちになる中で最後まで走り切った方が勝つと思っていたので、ばてたところもありますけど、気持ちで走り切ったし、途中出場で入った淳吾さんとか呉屋とかフレッシュな選手がかき回してくれて制限してくれたからこそ後ろでボールがとれたということも、忘れてはいけない。三冠したときも途中出場の選手がプラスアルファ以上の力を出して流れを変えてくれたり、味方を助けてくれたり、きつい中で走ってくれましたしね。今日は本当に後ろからみてても頼もしかったしみんなで掴んだ勝利だったと思います。(広島相手にこの大量得点は自信を持てるのでは?)広島さんは守備が堅いチームなので、なかなか6点獲られたというのは最近の試合で記憶がないくらい、失点しないイメージがあるので。そういう相手に6点獲れたのは自信になるし、得点の形も、練習をしていた形というか、意図としてとろうとした得点がとれた。トレーニングは嘘をつかない。今日も監督がミーティングで「いい練習をしたから今日は大丈夫!」と言っていましたけど、だからこそ次の1週間もまた気を抜かずにいい準備、トレーニングして、勝ち点3を獲りにいきたい。

●FWアデミウソン

チーム全体が常にチャレンジし続けることができた。先に失点してしまったがその中で僕たちのプレーが悪かったと言うことは決してなかったし、失点したあとも下を向かずに集中力を高めて継続してプレーするのが大事だった中で、それをしっかりとやれた。(1点目の長沢駿へのアシストシーンについて)駿は特にペナの中にはいってからの強さを持っている選手。あの時間帯は、なかなか中から攻撃を仕掛けていってビッグチャンスにつなげるのが難しかったこともあり、サイドからボールをエリアに入れてみようと思ってプレーしたのが良かったと思う。

●GK藤ヶ谷陽介

(先制される難しい展開になりましたが)慌てる必要はないなと。セットプレーでちょっともったいない感じだったけど、そんなに崩された感じでもないし、時間もまだあるし1点獲れば振り出しに戻る状態だったので、とくに慌てることもなく落ち着いてやれた。攻撃もいい形もできていたし、ここからだという感じだった。(後半立ち上がりのビッグセーブについて)後半の入りは大事だと思っていたし、相手にとっては決定的な形だったのでうまく対応できてよかった。でもトータルで3失点しているので、そこは反省しなければいけないのですが、勝ち上がれたので良かったです。(FKでの失点シーン。全く見えなかった感じですか?)そうですね。FKは相手もボールを隠してくるし右足も左足も可能性があって、左足で蹴ってくるだろうなと思っていたけど、いいコースで、ちょっと見えなかったのが…見えないのはいつもそうなんですけど、なかなか難しいボールでした。なんとかしたかったけど、割り切らないといけない部分もあるので反省するところはして、次はやられないように対応したいです。(続けて出ている事もあってか90分間安定してプレーできましたね)そうですね。1戦目も久しぶりだったんですけど、気持ち的にも落ち着いてやれたし、今日も久しぶりのホームでもっと緊張するかと思ったけど、思ったよりスムーズに入れた。緊張というほど新人でもないですしね(笑)。3点目を獲ったあと、広島が前に前に点を獲りにきていたのでその裏をうまく攻撃でつけていたというか。相手にまわされても慌てずに、カウンターというか、裏のスペースを何度もつけていたと思う。広島とはいつもそういう展開になるので、なかなかこっちのテンポがあがらないところもあるけどしっかり構えて戦おうという感じでした。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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