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<ガンバ大阪>甲府に逆転勝ち。2ndステージ3位に順位をあげる。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

2週間ぶりのJ1リーグ戦。ここ最近は先制される展開が続いていたこともあって、また甲府の堅守を警戒すればこそ「先に失点しないこと」に共通理解をもって入った一戦だったが、5分という早い時間帯に先制点を許してしまう。だが、その直後、8分にMF遠藤保仁のFKに好調のFW長沢駿が頭であわせてすぐさま同点に。後半、得点が欲しいガンバは個々がハードワークを続けながら、前がかりに試合を展開。ゴールへの執念を示す中、80分にMF倉田秋が市立吹田サッカースタジアムでは初ゴールとなる、値千金の逆転弾を決め、そのまま勝利を引き寄せた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

難しいゲームになりましたが、勝ち点3が獲れてよかった。甲府は、最近の試合は、非常にチームとして自信をもって攻守にアグレッシブに戦っていたので、こういうゲームになるだろうな、と思っていました。後半、かなり押し込む時間帯を作って、そういう流れの中で、最後倉田が決勝点を決めてくれたのは、非常に大きな勝ち点3だったと思っています。また1週間後、名古屋という厳しい相手との試合がある。しっかり準備してやっていきたい。

ーブロックを作ってくるチームに対して、長沢の高さを残しておきたかったのかなと思いましたが、敢えてあそこで残さずに呉屋に入れ替えた判断は?

呉屋も非常に入りのうまい選手で、だいぶ長沢も疲れていたし、甲府のディフェンスも長沢の対応になれてきていたので。あとは、代えようがなかった、ということです。でも1つ何か変えないと得点がうまれそうな感じはなかったけど、かといって中盤のバランスもよかったし、アデミウソンも今日は非常に身体が切れていたので、少し足が止まってきた長沢をかえて呉屋の一発に懸けて代えました。

ー阿部選手の状態は?

詳細は分からないですが、ふくらはぎのおそらく肉離れだと思います。少し時間はかかるんじゃないかと思います。

●MF倉田秋

(ゴールについて)たまたまですね。晃太郎がよく見てくれていました。全員で前からいこうという感じでボールもとれていたので、それに乗っかって行ったらいい感じでとれた。パスを呼んでいた中で、晃太郎もおそらく自分でも打てたと思うけど、確実なところに出してくれた。晃太郎に感謝です。でもこういうギリギリな試合になってしまったので。あれだけ押し込んでいたからこそもっと早く得点が欲しかった。でも何より今は結果だと思うので、勝ち点3が獲れてよかったです。最近は外し過ぎていたのですがようやく…このスタジアムでの初のゴールだったので。ちょっと遅かったですけど、それが勝ちに繋がるゴールでよかったです。(このスタジアムにとれる雰囲気が出て来た?)ホンマに一体になってきたというか、こっちがいけいけになるムードを作ってくれているのでそれがホンマにチームのプラスになっているのは感じます。でも、今日は駿のゴールが大きかったですね。あれが獲れずに後半に入っていたら相手は守り切れば良いという状況になっていたと思うので。そうなる前に1点を獲れたのは大きかった。(あの瞬間コースは見えていたんですか?)相手が足を出してくるだろうなっていうのは予測していてとりあえず低いボールで下の股を狙えば通るかなと、結構感覚で直感で打ちました。

●GK東口順昭

立ち上がりの失点は…早かったですね。ただすぐに取り返せて振り出しに戻せたのは大きかった。そこで逆転できるようなシチュエーションになったし、あれがズルズルいっていたら難しい試合になっていたかもしれないけど、ガンバの今の力だから逆転できた。警戒していましたけどね。そこは引き続き課題です。個人的にも1失点してしまって、自分での課題を課していただけに…少ない決定機をしっかり抑えるという課題はクリアできなかったから、ちょっともやもやしていましたけど、そのあとは抑えられて結果逆転できて勝ち点3を得られたので良かった。(後ろから見ていて入る雰囲気はあった?)ありましたし、ただカウンターの一発が怖いなと。ただなかなか点が入らなかったので、そういう展開はカウンターでぽっといれられる展開が多いので、そこはDFラインと連携していしっかり集中してできた。その中で逆転できたので、プランとしては想定内というか理想的な展開だったと思います。(今のガンバにひっくり返す迫力が出て来ている理由は?)まあでも三冠とった時もそうですけどすごいバランスよく攻めれているというか、ドリブルもあればスルーパスもあるし、放り込みもあるし、という中で相手が絞り込みにくい中で、そういう選択肢があれば相手は絞りにくい中でそういう選択肢があれば自然と得点は入る。それがいまは巧くいっているんだと思います。

●MF大森晃太郎

(打つかなと思ったらパスを出した)そうですね。見えていたので。その前から若干、パスを考えていたのもあって自分でいこうと思っていたんですけど、そうなると悪循環になりかねないので(笑)。そこをもう一回クリーンにして考えを持てていたからパスを選択できたんだと思います。(この間のアデミウソンとのワンツーもそうだけど、うまく周りを活かすシーンが増えている)そうですね。ゴール前でちょっと堅くなっているところもあるのでもっと遊び心をもって…そういうちょっとした余裕があった中でパスができた。ああいういい意味での余裕をもっと増やしていければこの…堅いプレーがなくなるかなと思っています。(身体もキレている)そうですね。自然体でやれているのでいまいいところだと思います。身体が動いているのは自分でもわかっているので、ケガをしないようにっていうのは考えてます。いまは僕だけじゃなくてチーム全体で自信があるというか、自分たちがやってやろうという選手が多い。そこで個で勝っていければ自然にスペースもあいてくるはずなので、そこをしっかり仕留めていきたい。

●MF遠藤保仁

甲府みたいなチームには先制点を与えたくない中で与えてしまったので、そこはしっかりとゲームに入らないといけないですし、結果的に逆転できたのは良かったし、ほぼほぼボールを支配してチャンスを作れていたので、前半のスタートの戦い方は見直してやっていきたい。(堅い相手に逆転勝ちが続いている)攻撃が迫力がでてきたのは非常にいいことだと思いますし、勝たなきゃいけない相手に確実に勝ち点3をとっていければ自動的に上にいける。勝負強さというのは結果でしか証明できないですけど、それをどの試合でもやっていければ十分チャンスはあると思う。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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