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<ガンバ大阪>土壇場で逆転を許すも、しぶとく追いつきドローに持ち込む。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

2ndステージ優勝に向け、負けられないFC東京戦。立ち上がり13分にミスから失点を許すも、MF大森晃太郎の2試合連続ゴールで追いつく。その後、一度は逆転するも再び追いつかれ、2−2で勝負は後半へ。その後半、G大阪はスタートからMF遠藤保仁をピッチに送り込むが1点が遠い。しかも90分には一瞬の隙を突かれて3失点目を喫してしまうが、4分と表示されたアディショナルタイム。選手全員の執念が宿るかのように相手GKのこぼれ球からDF藤春廣輝のゴールで追いつき、しぶとく勝ち点1を掴み取った。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

しんどい試合でしたが、この勝ち点1を残り4試合でポジティブに捉えて戦っていきたい。多くのサポーターが本当に熱い応援をしてくれて、なんとか勝って終われれば最高に気持ちのいい試合でしたが、先制される中、後半の立ち上がりは少し押し込まれる時間帯もありましたけど、その中で何回かビックチャンスがあって、3点目がこちらに先に入ってもおかしくないような状況もありましたが、決めきれず、最後、残り時間が短くなった中でああいう形で3点目を先に取られて、苦しい展開でしたが、最後、本当に気持ちを出して引き分けに持ち込んでくれたと思っています。あと4試合あるのでしっかりと戦って、最後、いい形で終われるようにまた1週間、いつもの1週間より準備する時間は短いですが、しっかりと頭とフィジカルをリカバーして浦和戦に準備していきたい。

ー後半のスタートから遠藤選手を投入した狙いを教えてください。

前半の戦い方に満足していなかったので、後半、遠藤も万全な状態ではなかったと思いますが、45分大丈夫か? やってくれるか? という話をして、やりますと言ってくれたので思い切って使いました。

ー長沢選手についてですが、ゴールを獲ったあと、なかなかチャンスを決めきれなかった。それでも最後までフルで起用しましたが、改めてチームにとって彼の存在、役割をどう感じていますか?

2点目のゴールは本当に素晴らしいゴールで、攻守においてハードワークする中で最後しんどかったと思いましたが、日本代表のセンターバック二人相手に、簡単には攻撃の起点にならせてもらえないシーンはありましたが、しっかりと最後までハードワークを続けてくれた。もちろん、あの決定機を…2本くらいありましたが、あそこを決めきれたらさらにレベルの高いプレーヤーになっていくと思いますが、それも今後の課題ではないかなと思っています。ただ、もうちょっとできないかなと思っていましたが、本当に自信をもって90分プレーし続けてくれたと思っています。

ー1、2失点目はいずれもミドルシュートでしたが、今シーズンはああいう位置からの失点が多いように思います。

東京の分析で非常にペナルティ外からのシュートが非常に多いということは、選手にもフィードバックして、最後の寄せをしっかりしていこうと話をし、トレーニングもしていたのですがやられてしまった。まだまだ準備の段階で不足しているのかなと思っています。あのへんのレンジの寄せは…ここ数試合しっかりと、体をぶつけるなどして対応していたのですが、今日は分かっていたにもかかわらず、あの位置から撃ち抜かれてしまったので、そのへんの厳しさはここからの4試合、またカップ戦もあるのでしっかり修正していかなければいけないと思っています。

ー次節は浦和戦。改めてどういう部分を準備して臨みたいですか。

もう浦和とは何度も対戦しているので、しっかりメンタルを切り替えて、フィジカルのリカバリーをすることが一番のメインになるんじゃないかと思っています。

●DF丹羽大輝

どっちに転んでもおかしくない試合でした。僕らも決定機があったし、東京さんも得点シーン以外はそこまでなかったように思いますが、チャンスをしっかり決められた。ただ、最後リードされて追いついたっていうのは良かったと思いますし、その前に突き放すチャンスもあったので。どっちに転んでもおかしくない試合で…でも1は妥当だと思いますし、ただその1が最後に大きな1になればいいなと思います。(相手にあれだけボールを持たれるのはあまりないことのような気もしますが。)久しぶりのデイゲームで、いつもみたいにプレスがはまらなくて、でも、最後のところで守ればいいという割り切りではやれていたので。理想はもうちょっとはめこんでプレッシャーをかけていければよかったけど、全体的な状況をみて今日はそれはちょっとできないかなと思ったので、少しプレスを緩めてというかちょっとブロックを作りながらやっていました。(3失点目のシーンについて)マークにつくところにしっかりついてやれば、そんなに問題はなかったと思う。最後のところで誰が、というより、クロスをあげさせないとか、最後体をあてるとか、通させないとかいろいろ要因はありますが、そこをいっても仕方がないので、追いつけたことをプラスに考えたい。あそこで2−3で負けていたらだいぶ苦しい状況になったと思うのでこの1が大きな1になることを信じて残り試合を戦っていきたい。(1、2失点目の寄せについて)1失点目はアクシデント的だったのでしょうがないですが、2失点目はカットインされてフリーで打たれているので、やっぱり名古屋戦でミドルに対して寄せが良かったとはいっていたのですが、この試合はミドルに対していけなかった、というか、ちょっとしたところだと思うので、あと一歩、相手にプレッシャーをかけるとか、コースに入るとかができれば防げた失点だったと思う。あとはあれだけ中に入ってきていたので、特徴はみんなわかっていたのにやられたことについて、誰がというよりチーム全体としてもっと迫力をもって寄せないといけないというのは感じたし、次、浦和もああいう形でカットインして打ってくるしクロスからのシュートもあるので気を付けたい。次の浦和に勝てればまだまだ追いつけるし、まだまだ全然わからない状況だと思っている。次に向けてしっかり1週間、切り替えて準備するだけだと思います。

●DF藤春廣輝

F東京が強かった。ずっとボールを持たれてきつかった。前半はほとんど守備しかしていないので。(どのへんが原因だと思いますか?)ヤットさんがいるときは、GOというタイミングを出してくれるんですけど、いなかったら誰も言わないですし、いつハメるのかもわからない状況になっていたので、そのへんのコミュニケーションをもっととっていかないといけないと感じました。実際、ヤットさんが入ってから後半はボールも落ち着いたし、いい時間帯も多かった。今日の試合に関してはヤットさんがいないとキツいかなと感じました。(後半に入る前に仕切り直したところは?)もっと前に出ていこうという感じでしたね。後ろに人数はいるけど、という感じだったので。前に出ないと取りどころもなかったですし、前でハメられるならガンガン前でハメていこうという話はしていました。(2点目のアシストのシーンについて)アデミウソンからのパスが結構速かったのできつかったですけど、しっかり中も見れたし、駿もいいところにいたのであわせるだけだと思って出しました。(結果として追いつけたというところはプラスに考えますか?)そうですね、この勝ち点1は最後につながってくると思うし、0と1では全然違うと思うので。ホームなので勝ち点3を取れれば理想でしたが、1を取れたのはプラスに考えたいと思います。

●DF米倉恒貴

何とか引き分けに持ち込めたのは良かったけど、やっている感じとしては「だいぶ、やられたな」という感じがしました。悔しい引き分けでした。(後半はFC東京にボールを支配されましたが?)今日に関しては、相手に持たせたというよりは、相手にうまくやられたという印象なので、改善していかないといけない。(相手は前田を起点に2列目がアグレッシブにプレーしていました)真ん中の選手がダイレクトではたくとか、どんどんどんどん(選手が)入れ替わって、流動的に攻めてくるので、なかなかつかまえ切れなかった。今シーズン対戦した中で、一番厄介な相手だと感じました。(最後1点リードされてからは、もう行くしかない、という意識でしたか?)そうですね。とりあえず、追いつきたかったので、最初はセーフティにプレーしていましたが、最後はああやってゴールに絡めたので良かった。(前半、ガンバはミスが目立った。それを向こうに狙われていたように見えましたが)そうですね。前から結構アグレッシブにきていたので、それにうまくハメられてしまったところはあったと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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