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<ガンバ大阪U-23>ホーム最終戦は引き分け。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

今季のJ3リーグ、ホーム最終戦。ブラウブリッツ秋田を迎えての試合は10分という早い時間帯にFKから秋田に先制を許す展開も、前半のうちにMF市丸瑞希のコーナーキックに頭であわせたDF野田裕喜のゴールで同点に追いつく。後半も果敢に相手ゴールを攻め立てる中で、一度はMF堂安律のゴールで逆転するが、74分にミスから失点して追いつかれ、2−2で引き分けた。試合後のガンバ大阪U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●實好礼忠U-23監督

お疲れさまです。今日はJ3リーグの最後のホームゲームで、選手たちも気合が入っていましたし、今シーズンいちばんいい入りをして、いいプレーがたくさんあって、でもサッカーの試合の結果としては2−2ということで、いいプレーはたくさんありましたが、はたまた、悔しさもたまった試合でした。

ーJ3のカテゴリーで1年戦って、J3での目の前の試合に勝つことだけではなく、選手をトップチームに送るという意味合いもあった1年だったと思います。そこは難しかったのでしょうか?

特に難しいとは感じていません。選手たちがトレーニングの中でも、隣でやっているトップチームをみながら、とか、練習でも「俺が今日はメンバーに入った」とか、そのへんをモチベーションにしてくれて、維持くれていましたし、そのモチベーションのコントロールは本当に身についてきて、人数が少ないトレーニングであろうとも、地味なトレーニングであろうとも、選手たちがしっかりやってくれたので、特に難しさは感じなかったです。

ー1年間U-23でJ3を戦って、若い選手の成長についての手応えは?

ガンバのトップにいくために、ボールをポゼッションできないとダメだし、そのあたりのポジショニング、技術的にもたくさん技術練習もして、成長もみられていますし、ビルドアップのポジショニングにしても、今日のゴールに向かっていくシーンにしても、今日は一番多かったですね。そのあたりは、みんなが積み上げてトレーニングしたものが目に見えているところじゃないかと思います。

ーU-19から帰って来た三人が帰って来て、揃って出場した試合でした。成長は感じたか?

U-19の大会にいく前から三人とも調子がよくて、トップにも絡み出した、と。で、向こうで結果も出してきて、自信に満ち溢れているというか、今日も堂安から市丸にわたって、サイドチェンジをして初瀬がクロス、と、三人でゴール前まで右、真ん中、左の三人だけでもゴール前までいけますし、そのあたり本当に高いレベルにあるなと。そのあたりは繋がるなと。それが成長だと思います。はっきりプレーとして見えました。

ー食野くんを先発で起用しましたが、今季、彼も成長した選手の1人だと感じていますか。

そうですね。今年になってときどき入って来てくれていたときより、ボールの収まり、状況判断の部分がすごく成長していて、トレーニング意識も高いですし、守備のところはどうかな? という感じで最初はみていたんですが、チーム戦術をしっかり守れますし、それを実行できますし、本当にしっかりやっていますね。シュートも打てる形ももっていますし、いま決めるところにこだわってトレーニングをしているので、あと少しでゴールできるんじゃないでしょうか。

●DF平尾壮

(いい攻撃参加を見せていただけに、2失点目のパスミスが悔やまれますか?)まさにそれです。今日は自分が思っていたようなクロスも何本かあげられて、攻撃参加もできましたし、でも失点に絡んでしまったので、そこが悔しいというか僕のせいで引き分けになってしまった試合でした。それを取り返そうにも来週警告累積で出られないので…失点してからの時間は今日の試合でアシストや得点で取り返そうという思いでプレーしていたんですけど、結果が出せずに悔しいです。(でもその前に危ないシーンで戻って決定機を防いだところもあった)そうですね。あれは、らしさを出せたと思いますし、諦めない姿勢だったり…福島戦のスライディングとは違いますけど、諦めずに最後までプレーしたからああいうプレーもできたと思うんですけど、あれがあったのに失点に絡んでしまったのでそれが悔しいです。律との連携というか、律が背後を狙っていたのはわかっていたのに僕が足元につけてしまったので、ああいうところはシンプルに判断ミスだったと思います。(内容としてはほとんど押し込んでいたけどそれでも勝てない。そのへんの甘さみたいなものはどこにあったと思いますか?)甘さというかマジで僕のミスからだったので。今日はマジで僕です。ほんまに。強いて言うなら決めきれるところもたくさんあったし、そこを決めていたらもっと楽な試合になっていたと思いますけど、でも、今日は僕のミスが全てだったと思います。

●MF堂安律

前半からやりやすかったし天皇杯ではみせられなかった持ち味をもう一度確認して、また自信をもってトップの試合に出るためにもここで自信をつけようと思ってプレーしていた。呉屋くんとの連携も天皇杯の時はあまり良くなかったんですが今日はコミュニケーション取れてやれたのでよかったのかなと思います。(キャプテンマークを巻いての出場)挨拶のためだけにやらされている感が強かったから…いい経験ができましたしよかったですけど、初キャプテンが今日っていうのは緊張しました。(挨拶をして、ガンバの顔としてやっていくという覚悟も持てた?)そうですね。やっとさんのスピーチとかを聞いているとオーラというか、たくましさみたいなものも見えるし、そんな選手になりたいと思うので、まだまだですね。もっとプレーでみせて、オーラというか風格を見せつけていけたらと思います。(食野選手とのやりやすさについて)あまり一緒にやっていないので…連携面では少し違うイメージとか話し合いながらできましたけどもっと引き出してあげられるし、引き出してもらえると思うので、そこは呉屋くんの話もそうですが、今日はいろんな選手とコミュニケーションをとりながらできたのでよかった。(まだJ3も最終節が残っているけど、天皇杯にもアピールをしようという思いは強いですか?)そうですね。今日もそういう気持ちで挑んだので、最後の方はあまり動けなかったけど、もっと運動量は高めていきながら今日のような得点をとりたいです。

●MF市丸瑞希

勝てる試合だったと思います。失点も自分たちのミスからでもっていなかった。個人としては悪くはないと思いましたがまだまだミスもあったし、最後のところの質も低いし、最後のところでボールをとりきれなかったり、ファウルになってしまったりっていうのもあったので、課題が残りました。(アジア選手権を経験して見え方とかコントロールの仕方は変わった?)そうですね。自信をつけて帰って来たのでそれをもっと出せればよかったです。(かなり攻めの意識は見えた)自分でボールを、1人でもはがせたらチャンスになると思うのでそれは意識してやっていました。もともと攻めの選手だったのでそういうところをもっと自信を持ってやっていってあとは課題の守備を改善していきたい。(守備の課題とは?)ボールを奪い切る力や、戻るところだったり、危ないところに自分がいれるように意識しています。あとバランスも大事だし、ファウルでとめることも大事だし、そこで自分のところでボールを取り切れたら二次攻撃もできるし、そのへんはまだまだトップの選手に比べて足りないかなと思います。今日も縦パスが自分のストロングなので…そういうところはまだまだですけど今日も意識してプレーしました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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