Yahoo!ニュース

<ガンバ大阪>開幕戦はアディショナルタイムにしぶとく追いつき、勝ち点1を掴む。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

2017J1リーグの開幕戦をホームで迎えたガンバ大阪は、直近のACL、アデレード・ユナイテッド戦と同じ顔ぶれが先発を飾る。立ち上がりから主導権は握ったものの相手の堅守に苦しめられ、なかなかボックス内に侵入できないまま前半を折り返す。後半は55分に少ないチャンスを甲府に活かされて先制を許し、ビハインドを追いかける展開になったが、アディショナルタイムにMF遠藤保仁のFKにMF今野泰行が頭であわせ、1-1に。しぶとく勝ち点1を掴み、戦いを終えた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

開幕戦勝利で飾れずに非常に悔しいですし、サポーターが勝利を期待してくれた中で、勝利をプレゼントできずに申し訳なかったです。ただ選手の気持ちという部分では試合の最後の最後で追いついて、すごく戦う姿勢を出してくれたと思っています。甲府の非常に硬いブロックを結果的に崩すことができなかったので、まだまだ熟成というか、連携のクオリティをあげていかなければいけないと思いました。ただこの勝ち点1をリーグ戦の次の試合に繋げられるように、しっかり切り替えて水曜日のACL、Jリーグに向けて準備していきたいと思います。

ー今季の仕上がりについては怖いぐらいだと話されていましたが、なかなかこの開幕戦で勝てない、その難しさをどう感じていますか。

JにはJの難しさが当然あります。昨日の浦和や鹿島の結果をみても、やはりJリーグ開幕に向けて甲府も準備をしてきたと思いますし、そういう中で我々も2試合戦って、ある程度は研究され尽くした中で戦わなければいけないということで、その辺の話は選手にもしていて…甲府は入念な準備をしてきただろうし、前回のアデレードを上回るような試合をしないと勝てないという話をして、選手もそういう気持ちで、コンディションで臨んでくれたと思いますが、最後のところの精度がまだ足りないのかなと思います。途中から泉澤とか堂安を使いましたが、そういう選手たちのコンビネーションもこれからさらに、連戦が続くほど上げていかなければいけないのかなと思っています。

ーACLを戦って移動もあった上での試合、前線の二人はかなり疲れも見えましたが、監督から見ていかがですか?

それはあったと思いますが、それを言い訳にするつもりはないと思いますし、その中できっちりと仕事ができるというところは見せていかなければいけないところだと思う。

ー泉澤選手を投入したところ、初瀬選手と投入を迷ったようですが、最終的に泉澤選手を投入しました。狙いを聞かせてください。

井手口の状態が良くないかなと思って、最初はオ・ジェソクをかえて初瀬を入れようと思ったんですが、陽介の足の具合もあって、初瀬亮をそのまま右の脇に入れる選択肢もあったんですが、泉澤の個の力を先に切ろうというところでああいう交代の仕方になりました。

●MF今野泰幸

(ゴールシーンについて)いいボールがきたしフリーの状況でした。GKも出ていましたし、決められてよかった。今日はヘディングで負ける気がしなかったのでシンプルにあげてくれたら決められると思っていた。前半からチャンスも作れていたし、しっかり決めていればという感じだった。相手のDFが、人は確かに多かったけど崩せそうというか、そこまで怖さはなかったので、崩せるかなと思っていましたが、なかなか裏が取れなかったですね。(前半の決定機について)あれは決めなくちゃいけないシーン。僕の方が相手より早かったと思うからもう1タッチしてもよかった。今日の内容で負けていたらかなり厳しいというか…落ち込んでしまってもおかしくない内容だったので、せめて引き分けにできて良かったです。でも正直悔しい。(今年のシステムの役割で、攻撃に参加することも増えている)これまでも責任感は持っていたけど、それ以上に、決めきるところとか、アシストするうとことか、1試合に何本チャンスを作るとか、シュートを何本打とうとか、そういう気持ちはもってやっている。それは今後も持ち続けたい。

●DF初瀬亮

今日はサイドバックで、前回のアデレードともポジションは違ったんですが、そこの頭の切り替えはしっかりできていた。時間が短かったこともありましたが、1本でもっと仕留めるくらいの精度のボールをいれたかったというか…固められた相手だからこそ、ピンポイントであわせられるくらいじゃないといけなかったという反省はありますし、こういった固められた相手だからこそ自分のキックがもっといかせたのかなとは思います。ただ、より多く時間をもらえるためには練習しかないし、どのポジションで出てもしっかりアピールしてやっていきたい。

●MF遠藤保仁

(なかなかこじ開けられない試合になりました)最後のアタッキングエリアでの工夫がもう少しあれば良かったと思うし、ペナルティエリア付近まではボールを運べるので、こういう相手にはもう少し冷静に、ゴール前でやる必要があるなとは思っています。(相手の堅守をこじ開けられない中で前半を折り返した。後半、意識を変えたところは?)やっぱりボックス内に入っていく回数が前半かなり少なかったので、できる限りボックス内に入っていこうというのは思っていたし、フィフティフィフティのボールもたまには入れることも意識してやっていた。引いた相手に関してはクロスも有効な手だと思うし、最後の精度をあげて、とは思っていました。(最後、遠藤選手のFKからしっかり追いつけたことについては?)追いつけたことは悪いことじゃないと思いますが、先に点を取っていたらなんでもないような試合だった。こういう試合を勝ちに繋げていかないとチャンピオンにはなれない。残りの33試合でしっかり…こういうゲームはまた出てくると思うので今度は勝ちきれるようにしたい。(あのシーン、どんなことを考えてボールを蹴りましたか?)最後少しパワープレー気味にしていたので、どうにか1点を、というくらいの気持ちだった。ただ後ろはカウンターのリスクもあるので、できる限りそこのバランスは考えながら、というのは思っていました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

高村美砂の最近の記事