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サッカーだけじゃない。アルゼンチン対ブラジルはバスケットボールでも熱い!!!

青木崇Basketball Writer
シュートを打つカンパッソ。両国の対戦はペイント内での攻防でより激しさを増す(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

アルゼンチン対ブラジル戦がおもしろいのは、サッカーだけじゃない。リオ五輪男子バスケットボールのグループリーグにおける対戦は、正にクラシコと呼ぶにふさわしいだけでなく、歴史に残る名勝負となった。

ブラジルのホームで試合が行われたといえ、アルゼンチンのファンも数多く駆けつけたことで、応援合戦はどの試合よりもすごかった。その熱気に選手たちが応えるかのように、1Qで先にリードを奪ったアルゼンチンを2Qでブラジルが逆転して後半を迎え、その後は一進一退の攻防で再延長に突入。レアル・マドリッドからへUCAMムルシアにレンタル移籍中のポイントガード、ファクンド・カンパッソが再延長早々に2本の3Pシュートを決めてリードを広げたアルゼンチンが、ブラジルの追撃を振り切り、111対107で激戦を制した。

両国には、NBAファンなら知っている選手が数多くそろう。アルゼンチンにはマヌ・ジノビリ(スパーズ)、ルイス・スコラ(ネッツ)、アンドレス・ノシオニ(元ブルズ、現レアル・マドリッド)、カルロス・デルフィノ(元ロケッツ)のアテネ五輪の金メダリストが健在。ジョージ・ワシントン大で渡邊雄太のチームメイトだったパトリシオ・ガリーノ(スパーズ)は、この試合でスターターを務め、再延長で貴重な3Pを決めていた。ブラジルからもレアンドロ・バルボサ(サンズ)、ネネ(ロケッツ)、マルセリーニョ・ウエルタス(レイカーズ)、ラウル・ネト(ジャズ)が、チームの中心選手となっている。

この試合をさらにおもしろくさせたのは、2010年からブラジルを率いるルーベン・マニャノが、アテネでアルゼンチンを金メダルに導いたヘッドコーチだったこと。「私はアルゼンチン人だが、バスケットボールではブラジル人だ」と話す指揮官は、決勝トーナメント進出に前進するためにも必要な打倒アルゼンチンの実現に向け、最大限の準備をしてきた。しかし、ブラジルはバルボサがファウルトラブルになった影響で、再延長で11点を奪うまで無得点と貢献できなかったのが大誤算。また、4Q残り3.9秒でノシオニに同点の3Pを許したのは、ファウルをすることで3Pを打たせないという指示を出さなかったマニャノの采配ミスと指摘されても仕方ない。アルゼンチンの英雄ジノビリは「チャプーとカンパッソのハートによって、我々はブラジルを倒した」と、37点のノシオニと34点のカンパッソの大活躍を称えた。

書きたいことはまだまだあるが、とにかくNHKの五輪サイト内にあるライブ・見逃しでこの試合のフル映像があるので、ぜひ一度見てほしい。このクラシコは、正にバスケットボールのおもしろさが満載だから…。

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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