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カジノ関連団体の発足が花盛り

木曽崇国際カジノ研究所・所長

カジノ業界では、昨年末の法案提出を受けて新しい学会が出来たり、なんなりと、色んな方々の思惑が交差しながら業界全体が騒がしくなっております。そんな中でちょっと面白いなと思った報道を二つ。

産経新聞 2014年2月5日

2020年へ向け「カジノ解禁」動き活発 推進民間団体発足

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140205/plc14020521350012-n1.htm

2020年東京五輪・パラリンピック開催と連動し、観光振興の切り札として「カジノ」の解禁を目指す動きが活発化してきた。超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(カジノ議連)はカジノ合法化に向けた関連法案の今国会での成立を目指し、各党に対する働きかけを再開。民間による「IR(統合型リゾート)推進協議会設立準備委員会」(議長・寺島実郎多摩大学長)も5日発足し、合法化の動きを側面支援していくことを決定した。[...]

中日新聞 2014年2月6日

カジノ合法化の阻止を 全国規模の協議会設立へ

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014020602000002.html

全国各地の法律家や多重債務者支援団体などが今年四月に「全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会」(仮称)を設立することが明らかになった。カジノ合法化の阻止が目的。ギャンブル依存の状態になり、借金地獄に陥る人を数多くみてきた法律家らは、「ギャンブル中毒の人を、さらに増やす政策はありえない」と訴える。反カジノ運動は関西地方が進んでいる。大阪府や大阪市が、カジノ施設誘致に積極的なためだ。昨年三月に「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」が結成され、カジノ反対の趣旨の集会を開くなどしてきた。[...]

日本の右派系新聞紙の代表格である産経新聞が「カジノ解禁を目指す推進民間団体」の発足を報じれば、その翌日に左派系新聞紙の代表格の中日新聞が「カジノ合法化阻止を目的とする協議会設立」を報ずるという構図。立場上、あんまり面白がってはいけないのかもしれないですが、思わずニヤリとせざるを得ない両紙の報道でした。私自身は勿論、賛成派側に付かざるを得ませんが、基本は賛成派も反対派も「くんずほぐれつ」でキッチリと論戦をやるべきというスタンスですので、反対派の全国組織の組成に対しても同様にお喜びを申し上げたいと思います。お互い、それぞれのポジショニングでスポーツマンシップに則り、正々堂々と論議を戦わせましょう。

一方で、推進団体に関して、別に批判する気は毛頭ないのですが何となく一点だけ不可解なことを。。経団連、経済同友会などの財界の面々は宜しいとして、有識者側でそろえた寺島実郎氏(日本総研・理事長)は、元々鳩山政権時代の民主党の外交ブレーンであって、逆に現・安倍政権の成長戦略の司令塔である産業競争力会議で民間委員側の筆頭的ポジションに居る竹中平蔵氏とは非常に反りの合わない犬猿の仲。更にいうと、同様に有識者として中心的なポジションに居る溝畑宏氏(元・観光庁長官)は、前原国交大臣時代に大抜擢された民間登用の観光長官。こちらはこちらで、国交省を中心とする本筋の観光庁ラインとはあまり関係が宜しくないと聞き及んでおるところです。

新設された組織にも関わらず、底はかとない「民主党」臭がするのは何故でしょう? 「ハシゴ」をかける方向はそちら側で大丈夫なんでしょうかね…と、一抹の不安感を持って見守っているのですが、私の老婆心に終わることを祈るばかりです。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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