【四国リーグ】「とにかく一本、必ずブレない考えをもって」就任会見に臨んだ愛媛・河原純一新監督
6日、愛媛マンダリンパイレーツは松山市内の球団事務所において、河原純一(元巨人ほか)の新監督就任会見を行った。会見には河原新監督と共に薬師神績球団代表が出席し、監督就任の経緯、今季の抱負などを語っている。
「とにかく一本、必ずブレない考えをもって」
午後1時30分、マンダリンオレンジのおそろいのネクタイを締め、2人が会見場に現れた。薬師神球団代表が、河原新監督就任への経緯を語る。
「昨年12月下旬『新しく生まれ変わる新生・愛媛マンダリンパイレーツの監督を、ぜひ引き受けて欲しい』という申請を、河原さんに致しました。そして年末に『お引き受けします』と、大変力強い口調で受諾の返事を頂きました。愛媛で独立リーグの選手として経験を積んだ初の監督就任となります。選手目線も含め、愛媛で投手を経験したことが十分生かせるんじゃないかと、大いに期待しています」
新監督には「何よりも選手の育成に力を注いでほしい」と頼んだ。
15年に独立リーグ日本一、昨年も四国リーグを連覇している。だが毎年、四国リーグの各球団からNPBに選手を送り込んでいながら、愛媛からのドラフト指名は2011年の土田瑞起(巨人育成)以来、もう5年間、逃し続けている※。新監督にはNPBへの人材輩出、そして3連覇。2つの目標達成への大きな期待を掛ける。
個々のレベルアップを目標に、NPBで通用する選手を1人でも多く育てる。その結果として優勝できるチームにしたい。
河原新監督は、チーム作りの方針として「みんな、NPBに行きたいという目標をもってやっている以上、そのレベルの能力を身に付けることが先ではないかと思う。勝負がどうでもいいってことではないんですけれども、とにかくそこに主眼を置いてやっていきたいなと思っています」と語る。
独立リーグでは「育成」と「勝利」の2つが求められる。しかし、二兎を追うことは決して不可能ではなく、選手を成長させながらチーム力を高め、優勝を手にすることは可能であると、多くの首脳陣、リーグ関係者が口にする。まずは選手それぞれのさらなるレベルアップを重点に置く。時には目の前の勝利よりも、経験を積ませることを選ぶ。
「選手は試合に出て、投手なら打たれたくないし、打者なら打ちたいし。当然、そういう気持ちで臨むと思うんですけども。そこを僕が輪を掛けるように、試合での結果をあまりにも重視し過ぎると……。目先のことが良ければいいっていうような考え方だけは、やはり個々の能力をアップさせるうえでは、ちょっと障害になる部分だと思っているので。そこら辺はもう、勝ち負けは当然、監督の責任で当たり前なんですけども。そこはとにかく一本、必ずブレない考えをもって取り組んでいきたいと思っています。とにかく選手たちがNPBのユニフォームを着れればいいと、そこがゴールになっているような考え方があるので。決してそうではなくて、NPBできちっと一軍で活躍するというものを身に付けさせる。そういうものを学んでもらうことが大切だと思っています」
球団も完全サポートを約束した。
「監督の意志に沿うような形を採っていきますし、選手にも監督の方針に会ったスケジュールを組んでいくようにします」(薬師神代表)
育成枠ではなく、又吉克樹(中日、元香川)の2巡目指名以来となる、ドラフト上位での指名を目指す。明確な目標を打ち立てて、新生・河原パイレーツが出航の準備に入った。
※ 13年に元日本ハム・金森敬之が愛媛からロッテに入団している。