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第8エンド「カーリング日本選手権2日目、盤石のSC軽井沢。それを追うチームは?」

竹田聡一郎スポーツライター
4REALの松村雄太。普段はプリンス系イケメンなのだが、氷上だと人相が悪くなる。

軽井沢アイスパークで開催中の「第34回 全農日本カーリング選手権大会」だが、男女共にこれまで予選リーグの4試合が消化された。

男子の首位は4戦全勝で王者SC軽井沢クラブ。朝の第三試合ではカーリング王国・常呂町からやってきたアイスマン(北見)との対戦で、序盤こそリードを許したが最終的にはしっかり勝ち切り、午後の岡山との対戦も大量得点で順当勝ち。

スキップの両角友佑(もろずみゆうすけ)は「チームとしてのパフォーマンスは上がってきた。(投げたストーンが)短くてもスイープでのばせる。頼りにしています」と笑顔を見せる。このまま首位を走り続けることになりそうだ。

対象的に苦しんでいるのが、昨年準優勝のI.C.E.(チーム東京)だ。初日こそ1勝1敗だったが、この日は岡山とチーム荻原という中堅チームに連敗を喫し、黒星が先行してしまった。それぞれ、最低限の仕事はしているがチームとしてショットのつながりを欠いている印象だ。

昨年3位の4REAL(札幌)はこの日、1勝1敗。チーム荻原戦はラストエンドまでに3点リードしていたが、一挙3点を奪われると、後攻で迎えたエキストラエンドでもスティールを許し、初黒星。長野五輪代表メンバーの佐藤浩コーチが「恥ずかしい試合を見せてしまった」と吐き捨てるように大きなミスが目立った。

それでも午後の試合ではSC軽井沢を苦しめたアイスマンに競り勝ち、なんとか3勝1敗で折り返す。チーム状態は決して良くないが、各エンドで誰かが好ショットを決め、なんとか要所を抑えているような戦いが続く。

特にサードの松村雄太はNHK-BSの生中継の入った北見戦の第6エンドでランバックを立て続けに決めるなど、開幕からひとりハイパフォーマンスを見せており、本人も「いいイメージで投げられていると思います」と

好調を維持している。予選リーグ終盤に向けてキーマンとなりそうだ。

ということで、2日目の「勝手にホットハンド」は札幌4REALの松村雄太を選出したい。ちなみに彼は、昨日のホットハンド・中部電力の松村千秋の実兄だ。

掲載用に写真を撮ったのだが、いつもはイケメンの彼は氷上、特にデリバリーの場面はなぜか顔色が悪くなってしまい、それを使うのはさすがに本人に悪いため、過去(15年の軽井沢国際)のものを使う。正直、これでも顔色は悪いのだが、まだいいほうだ。

しかし、「普段は垢抜けないけどプレーしている時はカッコいい」というのがアスリートあるあるなのだが、この松村雄太は真逆の「普段はカッコいいのに、プレーしてると微妙」という希有な選手でもある。こんなことを書いて大丈夫なのか。本人が読まないことを祈る。とにかく2日目は松村雄太のパフォーマンスが光った。

予選リーグも半分を消化したが、チーム荻原や岡山などが健闘を見せ、クオリファイのボーダーは4勝ないし3勝かという大混戦となった。明日からのゲームはさらに熱を帯びそうだ。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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