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第15エンド「札幌冬季アジア大会開幕。アジアの盟主へ。日本代表2チームが日の丸をつけてすべきこと」

竹田聡一郎スポーツライター
LS北見の吉田知那美が愛してやまない大会マスコットのエゾモモンガ「エゾモン」

札幌冬季アジア大会が開幕した。カーリングは女子が日韓中にカザフスタンとカタールの5チーム、男子がそこにチャイニーズタイペイを加えた6チームの参加だ。総当たりの予選リーグを戦ったあと、リーグ戦1位×4位、2位×3位のセミファイナルが行われる。

優勝したからといって何が起こるわけでもない。世界選手権も五輪出場もかかっていない。それでも男子のSC軽井沢クラブにしても、女子のロコ・ソラーレ北見(以下LS北見)にとっても日の丸を背負ってプレーする貴重な実戦の場だ。

SC軽井沢のスキップ両角友佑(もろずみゆうすけ)は「ここを経由して世界選手権へ」とコメントしていたが、彼らは4月1日からカナダ・エドモントンでの世界選手権に出場する。平昌五輪出場がかかった大一番であり、男子カーリング史上初の世界でのメダルも期待されている。今大会に出場する中国チームは世界選手権にも出場するライバルでもあるので良いスパーリングにもなるだろう。

LS北見は残念ながら、11月に韓国で行われたアジア・パシフィック選手権(以下PACC)で3位に甘んじ、世界選手権の切符を逃してしまったので今大会が、今季最後の大会となる。日本代表として、また世界選手権銀メダルチームとして挑んだ今季だったが、国内カップ戦、PACC、ワールドカーリングツアー、日本選手権でもタイトル獲得は叶わなかった。挑戦と模索の1年だったといえる。

だからこそ今大会が意味を持ってくる。少し傲慢な言い方になってしまうが、中韓以外のカザフスタン、カタールはカーリング新興国で、明らかな格下だ。それでもその2試合を決して無駄にせず、オーダー、戦術、スイープ。様々なことを公式戦のアイス上で試す機会としてほしい。PACCで敗北した中国へのリベンジを果たし、終わり良ければ、と短絡にくくってはいけないが、最後にトロフィーを掲げ彼女ら最大の魅力、スマイルで今季を締めてほしい。来季はもう五輪シーズンだ。

僕はといえば現地で会場内ラジオ実況を担当させていただくことになった。4REALの松村雄太、谷田康真、さらにはインタークーラーのスキップ土居誉享ら、そうそうたるマニアックなメンバーを解説に迎えて、あれやこれやわめく予定です。

特に土居さんとは昨夏のどうぎんカーリングクラシックでもコンビを組み、場内ラジオとユーストリームで配信され、それなりに評判が良かった。

竹田「おお、今のはナイスショットですね」

土居「そうですね。僕にはできませんけど」

という謙虚で自虐な土居さんの「僕にはできません」が今大会も炸裂するのか。隠れまくった極小の見どころのひとつだ。

ともかく会場にいらっしゃるみなさま、お耳よごしをご容赦ください。面白かったら、差し入れください。実は僕、そんなに甘いものが得意じゃないので、マカロンよりも開拓おかきとか、サッポロクラシック(ロング缶、あるいは富良野VINTAGEがいいな)がいいです。

厚かましい冗談はほどほどに、五輪プレシーズン、最後の国内試合が開催される。頑張れ、ニッポン。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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