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写真で見る伊豆大島・土石流の破壊力

関口威人ジャーナリスト
夕暮れの迫る中、懸命に捜索活動に当たる消防団員ら。背後の海を客船が横切った

台風26号による伊豆大島の被害は22日朝現在、死者28人、行方不明者18人という惨事となっています。亡くなった方々のご冥福を祈るとともに、行方の分からない方々の捜索が少しでも進むよう願います。

私は発生翌日の17日から2日間、島に入って現場を歩きました。すべてを押し流す土石流の破壊力は、東日本の津波と重ねずにはいられませんでした。また、人口8000人余りの島民の方々が受けた衝撃ははかりしれません。島は重苦しい空気が覆っていました。

写真は現実のほんの一部しか表現できていませんが、少しでも自然の大きさと島の人々の心情を感じ取って、次の備えに生かしていただければ幸いです。

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無残な山肌をさらす三原山。土砂ダムや沢を乗り越えて、大量の土砂と流木がすべてをなぎ倒していった

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捜索活動のため山を登る救助隊の手前に、子ども用と思われるサンダルが転がっていた

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被害の大きかった神達(かんだち)地区に1000坪ほどの土地を代々所有してきたというペンション経営の下田昭彦さん。あまりにも変わり果てた光景に、自分の土地がどこにあったか「見当もつかない」とこぼした

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山の中腹に建てられ被害を受けた家屋。1986年の三原山噴火が落ち着いた後、新しい林道が整備されてから高い位置にも家や別荘が増え始めたという

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がれきの広がる元町3丁目地区を茫然とした様子で歩く人たち

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地元の高校生たちが泥出しなどの作業に当たっている。島外から多くのボランティアを受け入れる態勢が整うにはもう少し時間がかかりそうだ

上記の下田さんの証言や被害拡大の背景などについては、東洋経済オンラインの記事「伊豆大島台風被害、一気に襲う土石流の怖さ-万全の溶岩流対策の一方、抜け落ちていた土石流対策」でもまとめています。合わせてそちらもご一読ください。

ジャーナリスト

1973年横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学)修了。中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で社会問題をはじめ環境や防災、科学技術などの諸問題を追い掛ける。2022年まで環境専門紙の編集長を10年間務めた。現在は一般社団法人「なごやメディア研究会(nameken)」代表理事、サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」編集委員、NPO法人「震災リゲイン」理事など。

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