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フィリピン被災地、銃撃戦で足止めも「3000人分の水や食料配布」と救援のNPO

関口威人ジャーナリスト
レイテ島で救援物資の配布に殺到する現地の人たち(ICAN提供)

フィリピンの台風被災地について、名古屋に事務局を置く認定NPO法人「アジア日本相互交流センター(ICAN=アイキャン)」が13日、現地入りしたスタッフと連絡が取れたとして以下のような状況を伝えてくれた。

同NPOの現地駐在スタッフや看護師ら数名は日本からのスタッフ1人と合流してチームを組み、フィリピン南部のミンダナオ島から北上するルートでレイテ島入りしていた。マニラから南下する一般的なルートとは逆で、このコースで支援に入るNGOは少ないためか、混雑するフェリーにも優先的に乗り込むことができるなど比較的順調だったというが…。

看板を立てて食料を求める人々

レイテ島の被害の様子(ICAN提供)
レイテ島の被害の様子(ICAN提供)
被災者に支援物資を手渡す日本人スタッフ(ICAN提供)
被災者に支援物資を手渡す日本人スタッフ(ICAN提供)

・レイテ島南部から陸路で北上してタクロバン市を目指したが、その近郊で銃撃戦があったとして道路が閉鎖されたため、市内に入ることはできなかった。

・タクロバンまでの道中の町に生存者が多くいたが、まだ物資が届いておらず、看板を立てて食べ物がほしいと呼び掛けている人々もいた。

・その町で約3000人分の水や食料、蚊取り線香(デング熱予防のため)、石けんなどを配給した。軍にエスコートをしてもらったため、大きな混乱はなかった。

・今すぐ必要なのは水、食料、そして雨風をしのぐことができる場所。

・スタッフらはいったんミンダナオ島北部に戻り、今週末に向けての活動計画を立てる。

…電波が悪いながらギリギリ日本との通信ができたが、写真などはまだ送れる環境にないという。(追記・14日朝に現地からの写真が届いたので、順次挿入)

同NPOは全国からの寄付によって数週間分の現地活動に対する予算的なめどは立ったというが、長期的な支援を続けるための寄付、協力をさらに呼び掛けている。

フィリピン中部を襲った台風30号(ハイエン)緊急救援募金募集中(認定NPO法人ICAN)

ジャーナリスト

1973年横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学)修了。中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で社会問題をはじめ環境や防災、科学技術などの諸問題を追い掛ける。2022年まで環境専門紙の編集長を10年間務めた。現在は一般社団法人「なごやメディア研究会(nameken)」代表理事、サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」編集委員、NPO法人「震災リゲイン」理事など。

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