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フィリピン被災地からのメリークリスマス

関口威人ジャーナリスト
レイテ島の被災地で、手作りのクリスマスツリーを前に並ぶ子どもたち(ICAN提供)

台風30号のフィリピン直撃から約1カ月半。まだ大きな爪跡の残るレイテ島で、人々が迎えようとしているクリスマスの様子を、現地で支援活動を続ける認定NPO法人アジア日本相互交流センター(ICAN=アイキャン、本部・名古屋市)が撮影した写真でご覧いただきたい。

倒れなかった木をツリー代わりに

台風でも倒れなかった木に飾りを巻き付け、クリスマスツリーに見立てる子どもたち。

周りには崩れた家がまだ手つかずで残されている。

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同じく子どもたちによって飾り付けられた木。CDをつり下げるのが好きなようだ。

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こちらは大人の飾り付け。透明なボールのようなものは漁具だろうか。

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こちらの家屋は原型をとどめ、クリスマスツリーもやや立派。フィリピンの人たちにとって、クリスマスは一年で最も大切で楽しみなイベントだ。

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ICANはこれまで約9,000世帯に水や食料などの救援物資を配給、ベニヤ板やトタン、くぎなどの住宅資材も1,000世帯以上に配布している。

住宅の再建は急ピッチで進んでいるものの、ほとんどが自力なので、はかどっているとは言えない。住宅資材はあと2,500世帯ほどへの提供を目指しているが、それでも十分でなく、ICANは引き続き募金を呼び掛けている。

ICAN・大型台風ハイエン緊急募金

フィリピン政府の22日までの集計によると、今回の台風でレイテ島を中心に6,102人が死亡、1,778人が行方不明、440万人近くが家を失っている。復興に要する時間は5年とも10年とも言われており、国連もさらなる支援を呼び掛けている。

ジャーナリスト

1973年横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学)修了。中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で社会問題をはじめ環境や防災、科学技術などの諸問題を追い掛ける。2022年まで環境専門紙の編集長を10年間務めた。現在は一般社団法人「なごやメディア研究会(nameken)」代表理事、サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」編集委員、NPO法人「震災リゲイン」理事など。

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