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ビートたけしが今一番夢中になっていることとは?――側近の一人、アル北郷が語るネットマガジン創刊の裏側

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
ネットマガジン「ビートたけし責任編集 お笑いKGB」の編集長と副編集長

たけしのネットへのイメージが変わり、ネットマガジン創刊へ

いよいよ“御大”が満を持してネットの世界に打って出た。「実人生で経験していない事を、ネットで経験したように語っても意味がない」、「匿名での書き込みもあまり好きじゃない」、「若者がずっとスマホを見ているのはいかがなものか」――これは“御大”ビートたけしがレギュラー番組『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)他で語った、ネットというものに対するイメージだ。しかし「2年前に殿がスマホデビューしまして、そこから殿の中でネットに対するイメージが変わっていきました」――そう語るのはたけしの弟子であり側近の一人でもある、アル北郷だ。たけしが自身の69歳の誕生日でもある1月18日にネットマガジン『ビートたけしの お笑いKGB』をオープンさせ、話題を集めている。

『お笑いKGB』のトップページ。2/22から有料版(月額540円)がスタート
『お笑いKGB』のトップページ。2/22から有料版(月額540円)がスタート

責任編集という立場から指揮を執るたけしから溢れ出るアイディア、企画を形にしていくのが副編集長である北郷だ。その北郷に、『お笑いKGB』立ち上げまでのいきさつ、どのようなサイトにしていくつもりなのか、そしてたけし弟子歴20年、側近しか見ることができないビートたけしの素顔、頭の中までを聞いてみた。「老後の楽しみは単独ライヴと落語と『お笑いKGB』」と言い放ち、このネットマガジンに対して格別の愛情を注ぐ編集長・ビートたけしの野望とは?

「週刊のマンガ雑誌を作りたい」――たけしのこのひと言から全ては始まった

北郷 元々、殿(ビートたけし)が一年半ぐらい前に週刊マンガ雑誌、「週刊少年ジャンプ」みたいなものを作りたいと言い出しまして。KIOSKにも置くと。でも殿は今テレビのレギュラーが7本あって、一年半に一本ぐらいのペースで映画も撮っていて、それなのに「全部俺が原作をやる」と梶原一騎先生みたいなことを言い出しまして…(笑)。物理的にも無理ですし、話半分に聞いてこの話はしばらく放置していたんです。僕が「週刊アサヒ芸能」(徳間書店)で「決して声に出して読めない『たけし金言集』」という連載をやっていまして、担当編集者にその話をしたところ、今なかなか本が売れない時代で難しいし、なにより殿の仕事量を考えた時にやっぱり厳しいでしょう、という結論が出ました。それで殿に説明をさせてもらったら「あ、そうなの」と言いながらも、殿は一回やると言い出すときかない人ですので、途中から思案しはじめまして。それから2週間ぐらい経った頃に「なんでもありのお笑い雑誌にするか。月刊誌でもいいよ」と言うんですけど、それでも今そう簡単に雑誌なんて作れませんから、再度、連載担当編集者に相談をしました。そうしたところ「WEBでならうちでなんとかできるかもしれません」と言って下さって。それで殿に「WEBでなら可能性がありそうですけどどうしますか?」と聞いたところ「どうしますかじゃないんだよ。俺はすぐに始めたいんだよ」とおっしゃって、その日から今あるコンテンツのアイディアを話はじめていました。殿が「ネットっていうのはテレビと違って放送コードが少しゆるいんだろ?」と言うので「少しは緩いです」と言うと、「だったらなおさらいいじゃねえか」と。最初はサイト名が『お笑いゲシュタポ』だったんですけど、さすがにそれは…ということで『お笑いKGB(カツラ・ガンガン・バラス)』になったんです。ドイツからソ連の諜報機関に変わっただけという(笑)。で、そこから「KGB」なので殿が「カツラ目撃情報っていうのもできるじゃねえか」とか色々アイディアを出してくださって、動き出した感じです。

「僕自身が殿の大ファン。1ファンとしてネットでどんな殿が見たいか」――そこが基本

――『お笑いKGB』はたけしさんが編集長、北郷さんが副編集長ですが、大きな枠を決めるのはたけしさんとしても、実働部隊のヘッドである北郷さん的には、たけしさんの意向を受けつつ、さらにこういうサイトにしたいというのはありますか?

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北郷 まずは僕自身が殿の大ファンですので、1ファンとして殿がネットで何かをやるのであれば何が見たいんだろうって考えました。その流れで2年前に僕が企画をして殿の単独ライヴをやったんです。その時に、みんな“生たけし”をこんなにも待ちわびていたんだということを改めて感じましたし、ライヴ後、来て下さった方からメールがたくさん届き、反響が大きかったんです。殿自身も終わったあとは興奮して「2回目すぐやるぞ」って言って下さったり、とにかく手応えを感じていました。殿はその前にニコ生にも出ていまして、そこでのリミッターを振り切ったトークが面白くて、久々に毒舌全開でネットでの評判もよかったですし、僕も楽しませてもらいました。それで、ネットだったら殿も楽しみつつ、見ている人たちも喜んでもらえるものが作れると確信しました。嬉しい悲鳴と言いますか、殿のアイディアの数がものすごくて、こっちが追い付かないという状況です。メモってはいるのですが…。5年ほど前から殿の許可を得て、殿がしゃべっていることは全て録音し、写真も撮っています。いつか本にまとめたいのと、殿が生き仏のような存在ですから(笑)。殿がしゃべってくださったアイディアはまとめて、殿に再確認します。殿も自分が気に入っている企画は覚えていて「あれどうなった?」って聞いてきますので、そのラリーを3回ぐらいやっていくと、10コあった企画が半分ぐらいになっています。

弟子歴20年、常にたけしの側にいてその言葉、アイディアを全て記録

北郷は、現在たけしのブレーンの一人であり、話し相手でありいわゆる側近だ。たけしの弟子になって20年、これまで100人はいたであろうと言われている“たけし軍団”のメンバーの中で「70番目ぐらい」の弟子だ。「僕20年弟子やってますが、まだ下から数えた方が早いですからね。下から数えて4番目ぐらいですよ。今は2年に一人ぐらいしか弟子を取っていないので」。付き人を7年間務め、その間にたけしの信頼を得ていったという。

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北郷 殿とタップダンスの練習を週5回ぐらいを5年間続けていたんです。時には二人きりとか。その時に初めて「僕は殿がこんなにも好きでこういう想いで軍団に入りました」ということを直接伝える事ができまして、そこから殿との接し方が変わってきました。食事に誘っていただけるようになって、そこで映画が好きなんですとか、こういうマンガが好きなんですという話をしていると「お前は本当にサブカル好きだな」と言われるようになりまして、その流れがあったから今回の『お笑いKGB』もすんなりやらせてもらえたのだと思います。今思うと濃密な5年間を過ごさせていただきました。そこで録音して、メモっていたのが今の連載「金言集」なんです。毎日しゃべっていましたから、ネタがつきません(笑)。(水道橋)博士が「お前それ(たけしとの会話を)全部メモっとけ。財産になるから」とアドバイスしてくれました。殿からは「アサ芸で何書いてもいいけど、絶対面白くなきゃダメだからな」と言われました。付き人を卒業して自分の仕事が増えていくと、殿に会う機会がグッと減ってしまうんです。でも僕はそれが嫌でどうすればいいかを考えまして、番組の放送作家になれば殿に会う機会も増えると思い「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)の放送作家のひとりとして参加させてもらいました。殿はちゃんと会っていないとアイディアも話してくれませんし、普段顔を見せていないと「お前あれどうなってんだ?」ということを人を介して聞くよりも、直接やらないと殿の機嫌も悪くなってしまいますから。ですので、週3回は絶対会うようにして、月に1~2回ですがお食事のお誘いが急に来たりするのですが、よっぽどの仕事が入っていない限り絶対駆けつけますし、そこでまた面白いアイディアや話が出るんです。編集会議のようなものです。

「殿はむちゃくちゃヤル気で、今は『お笑いKGB』の話しかしません(笑)」

――今たけしさんの一番近くにいるのが北郷さんで、たけしさんのちょっとした思いつきを一番聞かされているのも北郷さんなんですね。

北郷 たまたまそういう位置にいさせていただいていて、本当にありがたいです。この前、殿との打合せが入っていまして、そうしたら殿から約束の時間よりも「早く来い」と連絡が来まして、なんかしたかな、怒られるのかなと思って戦々恐々としながら駆けつけました。そうすると開口一番「KGBのチ○ポ川柳作ったんだけど」という話でした(笑)。ムチャクチャやる気になっていまして、これからこういうことで呼び出されることが多くなりそうだなと思いました(笑)。夜中もアイディアが浮かぶと電話がかかってきますし、心臓に悪いのでやめて欲しいのですが…(笑)。この前も『お笑いKGB』の無料版を見せた時もすごく食いついてきまして(笑)、実際に見るとまた新しいアイディアが思い浮かんできたようで、今度は「KGBの中でスキャンダル雑誌を作る」って言っていまして、困っています(笑)。「週刊文春」に対抗して、今、殿は落語を立川梅春という名前でやっていますので「週刊梅春」っていうのをやるぞって言っています(笑)。

「殿は「俺は今第三期黄金時代だ」と言って、心身ともに充実しています」

――たけしさんがネットコンテンツに本気で取り組んでいるということに、まず皆さんビックリするんじゃないでしょうか

アル 本当に最近は『お笑いKGB』の話しかしてないですよ(笑)。他の仕事に支障が出てるんじゃないかと思うぐらい(笑)。いつも「ニュースキャスター」の本番前に打合せをしているのですが、もちろん番組の打合せがありつつも最近は『KGB』の話ばかりで「殿、『KGB』はいいんですけど、「ニュースキャスター」の楽屋でこの話ばかりしていて大丈夫ですか」と言うと「バカ野郎、こっち(『KGB』)が本気だ」って言っていました(笑)。この前も『KGB』の打合せを一時間半ぐらいタップリしまして、次の打合せまで時間があったので殿が「ちょっと寝るわ」と言うので、僕らは楽屋を出たんです。でもすぐに「北郷~」って殿に呼ばれて楽屋に行くと、目を瞑ったまま『KGB』のネタをしゃべってましたから(笑)。もう本当にやる気満々です。僕が殿の弟子になって20年になりますが、この7~8年殿はものすごく元気なんです。テンションも高くて本人も「俺、今第3期黄金時代」って言っています。でも僕らの中では、第3期っていってもずっと第一線で活躍されてるので境目がわからないという(笑)。CMも多いですし、昨年末の特番の出演本数は22~23本あったようで、タレントの中ではトップだったみたいです。

――よくある、名ばかりの責任編集じゃないんですね(笑)

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北郷 そうなんですよ。僕ももうちょっと関わらないんじゃないかなぁと思っていました(笑)。でも殿にアイディアをお話しすると「いいじゃん」って好きにやらせて下さっています。しょっちゅう顔を合わせて意思の疎通が取れているからだと思います。殿って基本、話を聞いてくださるんです。テレビ番組の打合せでも若いADさんの話とかもちゃんと聞いて、一度飲み込んでから自分の意見を言うんです。お笑い芸人でもタレントさんでも、ビッグな人って経験を踏まえて途中で意見を言ってきたりするのですが、殿はそういうことを一切しなくて、話をひと通り聞いたあとに「俺はこうした方がいいと思うなぁ」って言って下さいます。

「殿が今までネットで何もやっていなかったのが不思議。ニコ動とも親和性があるし、これから色々な事ができる」

――北郷さんの中ではネットというものについてはどういう捉え方をしていますか?

北郷 僕は昔からネットについては親和性がある方でしたから、逆にメルマガとかをなんで殿はやっていないんだろうってずっと思っていました。ニコ生とかにももっと出て欲しいです。本人も「俺はもう新しいたけしだ」っておっしゃってますし、まだ脱皮するのかと思いますが(笑)。「なんでもやるぞ」っておっしゃってて、『KGB』を本当に楽しんでくれています。映画の台本とかもお手伝いさせていただいていたのですが、その時はやっぱり重苦しいというか、ギャグを言える雰囲気ではなかったです。でも『KGB』のことに関してはいつもニコニコして楽しそうに話をしてくれます。殿はカバンの中にいつもネタ帳を5~6冊入れていまして、メモ魔なのでそこにあらゆることを箇条書きにしています。それを見て思い出しながらしゃべるんです。映画に関してもそうなんです。KGBのネタに関してもそうでして、バーっとしゃっべて下さるんですが、こっちのメモが間に合わないと「ノート持って行っていいぞ」って渡してくださるのでそれを写真に撮ったりしています。

――2月22日に無料版から有料版に切り替り、コンテンツが更に充実して高田文夫さんの3万5千字インタビューとか島田洋七さんにいたっては4万5千字インタビューがあったり、かなり読み応え、見応えのあるものがスタンバってます。インタビューの他にも映画ネタあり、浅草ネタあり、色々なコンテンツが目白押しですね。

北郷 そうですね。「たけしの人生相談」は伊集院静に対抗して「本出して儲ける」って言ってました(笑)。「巨匠ビートきよしに聞く」というコーナーも殿のアイディアで「きよしにインタビューしちゃえ。どうせしゃべんないだろうけど」っておっしゃるので「じゃあ一切しゃべらないようにしましょうか?」って提案すると「それいいな」って言っていただいて、インタビュアーがただきよしさんの経歴を羅列していって、きよしさんは「そう」「そうそう」しか言わないという(笑)。これも4~5回で終わるのかなと思っていたら殿が気に入りまして、「きよしをどっかのお寺の阿闍梨にして、きよしの人生相談でもいいじゃねえか。こいつ人生何もやり遂げてないけど」って言っていまして(笑)。「漫画 中年マンデイ」というコーナーのマンガの原作も、打合せするたびに2~3人ずつマンガ家さんの候補が出てきます。「北野映画かく語りき」では、失礼ですが、他の映画雑誌では絶対インタビューしないようなバイプレイヤーの方のインタビューを載せていきます。役者さんだけではなくカメラマンさんや裏方さんにも登場願おうかと考えています。北野映画のファンの方ってものすごくマニアの方が多くて、とにかく北野映画の情報をくれという声が多いので、マニアックな人選のインタビューを掲載していく予定です。それと「浅草偉人伝」という企画は、殿が見たと言い張る、でも半分ぐらいはいないと思うんですが(笑)、そういう浅草にいた伝説の方々をイラスト化して文章と共に紹介していきます。イラストをキャラクター化して物販していこうと思っています(笑)。それと殿の昔のネタ、例えばポール牧師匠とか村田英雄先生ネタって、今まで意外とちゃんと活字になってないんですね。「オールナイトニッポン傑作選」みたいなものは出ていますが、傑作選ではなく、きちんと僕の方で再度聞き取りをして、全部文章にして残していこうと思っていまして、それでたけしファンが納得できるような本を出したいんです。最終的には動画も配信したいんです。殿がしゃべっているところとか川柳を読んでいるところって僕も観たいですし、皆さん観たいと思うんですよね。それから読者の皆さんとオフ会とかもやりたいんですよね。殿は「老後の楽しみは「お笑いKGB」と単独ライヴと落語だ」って言っています(笑)。

「殿のアイディア、発言はスピード感を持って、2日後には『KGB』にアップしていきたい。読者との繋がりが大切」

――WEBのコンテンツを作りつつたけしさんの“ネタ全集”的なものができそうですね

アル 自分の中での確認作業なんです。殿の弟子になって20年ということもあり、改めて殿の素晴らしさ、殿の事がこんなにも好きだったんだという確認作業の意味合いもあります。伝記として残していく一方で、殿がしゃべった新しいアイディア、ネタは2日後にはもう『KGB』にアップしているぐらいのスピード感で鮮度を保ったままダイレクトにみなさんに伝えていきたいです。殿と読者の方と繋がってる感が大切だと思いますので。殿の責任編集というのは、決してお飾りではなく本気で楽しんでやっているということが伝われば嬉しいですし、直筆のメモやイラストも出来るかぎりアップしていきたいと思っています。

――ビートたけしファンの心をくすぐるようなコンテンツが満載ですね

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北郷 そうですね、よく殿が言う「痒いところに舌が届く」じゃないですけど(笑)、マニアの心をくすぐりたいです。

――でもマニアも喜ばせつつ、一般の人も十分楽しめる、その塩梅がすごくいいと思います。2月22日からいよいよ有料版(月額540円)がスタートしてグランドオープンです。

北郷 殿は課金システムを完全に勘違いしていまして、「540円だけど1万円払ったやつには何かあげよう」って、お布施じゃないんですからと今説明しています(笑)。「10万払ったら俺と食事にいけるとかどうだ?」とか言っています(笑)。あと、連載でも書いていますが「あくまで俺が好きでやっていることだから、会員になっても何の理由もなく強制的に脱会させられることがある」とか言っています(笑)。なんでお金払ってドキドキしなきゃいけないんだって話ですけど(笑)。

――会員登録をした人にはもれなく会員証を発行して、先着1000名にはブラックカードがプレゼントされるというサービスがありますね。

北郷 先に入った方がお得感がありますよという感じで、1000人以降はカードの色が変わります。グッズも発売しますので、例えば3,000円のものがブラックカードがあれば2,500円になりますよとか、オフ会も優先的に出席できるとか、ダテじゃないぜというところを見せます(笑)。殿の一番のファンが作っているサイトという自負がありますので、たけしファンにはなめられたくないんです(笑)。薄っぺらいやつって思われたくないですもん(笑)。

初めてのことでやりがいを感じ、『お笑いKGB』に夢中のビートたけし。「老後の楽しみは『お笑いKGB』と単独ライヴと落語だ」

――たけしさんは今新しいおもちゃを与えられた子供のような感じですか?

北郷 本当にその通りです。テレビのギャラに比べたら全然安い(笑)このサイトを、殿がなんでそんなにノッてやっているかというと、明らかに初めてのことでやりがいがあるからだと思います。有料版がスタートしてまたその評判も入ってきますし、無料版がスタートしてからはしょっちゅう「どうだ、ネットで騒ぎになっているか?」と聞いてきて、ものすごく気にしています(笑)。とにかく殿が明るくノッってやってくださるのが一番ですから。

ビートたけしが自由奔放に、TVではNGの“毒”を吐きまくるネットマガジン『お笑いKGB』は、言ってみれば入場料540円のたけしの常設劇場だ。チャレンジでもあるが、ここにくればとにかく笑える、そんな常設劇場、ステージを作ってくれた。たけしのコアファンも一般の、ちょっと“毒”を求めてくるお笑い好きの人も、みんなが満足でき楽しめる場になっている。マンガ雑誌を作りたかったという御大が、ネットの世界に大きく舵を切ったのは、その嗅覚でそこに大いなる可能性を感じたからだ。全幅の信頼を置く愛弟子を副編集長に据え、暴れまくれるステージを確保し、本人が言うように「第三期黄金時代」を迎え充実している今、「老後の楽しみ」でもある『お笑いKGB』から大いなる毒をまき散らし、また世の中を笑わせてくれそうだ。

<Profile>

アル北郷 1971年生まれ、東京都出身。ビートたけしの弟子にして放送作家、コラムニストとしても活躍中。現在『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)で「決して声に出して読めないたけし金言集」、『ASAHIパソコン』(朝日新聞出版/dot.)で映画コラム「アル君のこれ観る?」を連載中。ネットマガジン『ビートたけしのお笑いKGB』(徳間書店)では副編集長を務める。

アル北郷 オフィシャルHP

『ビートたけしのお笑いKGB』

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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