Facebook Home登場 - 「待ち受け画面を取る」というケータイ時代の既視感
米国時間2013年4月4日、FacebookはAndroid向けに「Facebook Home」を発表しました。またこれを搭載したAndroidスマートフォンHTC Firstを99ドルで4月12日から発売します。
これまでFacebookがスマートフォンをリリースするという「噂」が語られてきましたが、ただ単にスマートフォンを出すだけでなく、既存のスペックを満たすスマートフォンでも利用できる「ホームスクリーン」ごとリリースし、Google Playストアからダウンロードできるようになります。
また、Facebook Homeを始めからインストールしたスマートフォン、HTC Firstも4月12日に発売するということです。AT&Tの4G LTEに対応し、お値段は99ドル。これについてはまた別の記事で触れます。
Facebook HomeはFacebookユーザーやスマートフォンのアプリ環境にどの様な影響を与えるのでしょうか。
Facebook Homeとは?
Facebook HomeをインストールしたAndroidスマートフォンは、待ち受け画面ごとが変わり、スマートフォンがFacebook仕様になります。
待ち受け画面は「Cover Feed」と呼ばれる、友人の近況の投稿や写真が連続して表示されるようになります。左右にめくると他の友人の写真を見ることができ、ダブルタップで「いいね」を付けたり。Facebookアプリを開かなくても、これまでのFacebookのコミュニケーションをこなすことができるようになるというイメージです。
Facebook Homeのメニューボタンは自分のFacebookアイコンが使われるようになり、今までのスマートフォンの体験との違いが明確になります。自分の顔をスワイプするとアプリのメニューが開きます。またアイコンを左にスワイプすると1つ前に使っていたアプリが開き、右にスワイプするとFacebook Messengerという使い勝手です。
コミュニケーションの実情に合わせるChat Heads
Facebook Homeでおそらく最も便利に感じるであろう機能がChat Headsと呼ばれる機能。これは、友人がSMSもしくはFacebook Messengerでメッセージを送ってくると、その人のアイコン画が画面上に現れ、その人の吹き出しで新着メッセージが表示されるというもの。
もちろんタップすればメッセージをやりとりし始めることができますし、アイコンはスクリーンの好きな場所に配置することができる仕組みになっています。SMSとMessengerを融合させ、Messengerに誘導していく「コミュニケーションの統合」はとても重要な意味を持っていくと思われます。
待ち受け画面を取るという既視感
Facebook Homeが単なる1端末ではなく、ホームスクリーンの環境として現れた点で思い出したのは、フィーチャーフォン時代のケータイの待ち受け画面競争でした。
ケータイを利用する時間そのものが生活時間の中で限られているため、いかにユーザーの時間を長く取るか、と言う工夫として、待ち受け画面やメニュー画面のカスタマイズが積極的に行われていました。
ちょうど「着せ替え」という言葉が使われていましたが、キャラクターや映画、ブランドなどコンテンツで待ち受け、メニュー画面、着信音などのカスタマイズできる部分を全てトータルコーディネートできるようにしていました。後に「プラダフォン」などのブランドとのコラボケータイが登場し、スマホ化してその流れは止まっています。
Facebook Homeは、まさにソーシャルネットワークサービスでスマートフォンを「着せ替え」する方法を提供しており、コミュニケーションのプラットホームへの接着時間とエンゲージメントを高める一手と見ることができるでしょう。
キャリア、スマートフォン本体、アプリについてのインパクトについては、別の記事で。