Yahoo!ニュース

#スーパーマリオラン がApp Storeでいよいよ配信、早速遊んだ第一印象

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
12月15日に配信が始まったスーパーマリオラン。3ステージは無料で遊べる。

任天堂としてはじめてマリオをスマートフォン向けにリリースする事になったゲーム、「スーパーマリオラン」が、AppleのiPhone・iPad・iPod touch向けに、App Storeで配信されました。

3つのステージは無料で楽しむ事ができ、それ以降の全てのステージを遊ぶためにはアプリ内課金で1200円が必要となります。

App Store: スーパーマリオラン

走り続けるマリオ

ゲーム機のゲーム(コンソールゲーム)の移植で問題となるのが、その操作性です。十字キー、複数のボタンを組み合わせた操作は、タッチスクリーンだけでは難しく、マリオのように操作の心地よさがあるゲームをそのまま移植することは不可能です。

そこでスーパーマリオランでは、マリオが自動的に走り続けます。ちょっとした段差や敵も、ひらりとかわしてくれます。そして唯一の操作である「画面タップ」をするとジャンプします。しかし、これでマリオの楽しく気持ちよい動きが再現されているのです。

結果として、スマートフォンで人気のある、キャラクターが走り続けてタップ操作で障害をクリアしていくジャンル「ラン&ジャンプ系」になりましたが、キャラクターとギミックによって、魅力的なゲームになりました。

簡単に楽しめるアクション

無料の3つのステージをプレイするだけでも、いくつかのギミックを繰り出すことができます。もちろん操作は状況に応じたタップだけです。すぐに試せる簡単なアクション例を挙げておきます。

  • 画面長押しでハイジャンプ
  • クリボーなどの敵を乗り越えるときにタップすると、踏んづけられる。ジャンプ中に敵を踏むときタップすると、高く飛べる
  • 画面の中の矢印ブロックに触れるとコインが出てくる
  • 壁にタッチしたときにタップすると壁をキックできる。左に進み続けるマリオを右に動かす唯一の方法
  • ゴールに向かってジャンプしているときにタップしてスピンすると、フラッグに届く

いずれにしても、タップ操作だけ。ついつい親指に力が入ってしまう感覚も、ファミコン時代を思い出してしまいます。

やり込みが重要

ステージは6-4まで。なんとなく8ワールドまである方が落ち着く気もするのは私だけでしょうか。しかし、見かけ以上にやりこまなければ、完全制覇、全クリとはなりません。

スーパーマリオランのステージには5枚のピンクのコインがちりばめられています。前述のテクニックやジャンプのタイミングを駆使しながらそのコインを取っていくことになるのですが、5枚全部集めると、今度は紫のコインが出てきます。これがまた、少し難しいところに配置されていたり、ブロックの中に隠れたり。紫を集め終わるとさらにもう1つの色が登場します。

そのため、1ステージを制覇するには、3種類の5枚の色つきコインを集めなければならず、6ワールドに各4ステージあり、さらに各ステージを3回ずつクリアするとなると、最低でも72回クリアしなければなりません。これはワールドツアーだけでも、長く楽しむ事ができるゲームといえます。

対戦ゲーム「キノピオラッシュ」と、ミニゲーム付き王国の再建

キノピオラッシュで世界の誰かか友人と対戦し、キノピオを自分の王国に呼び込む。
キノピオラッシュで世界の誰かか友人と対戦し、キノピオを自分の王国に呼び込む。

ワールドの制覇とともに楽しむのが、対戦ゲーム「キノピオラッシュ」と、破壊されてしまった王国の再建です。

キノピオラッシュは、世界中の誰か、もしくは友達と非同期で対戦するゲームで、コインの獲得数を競います。このとき、前述のギミックを駆使することで、マリオの「格好良さ」が評価され、よりたくさんのコインを得ることができます。

このゲームに参加するにはチケットが必要となりますが、アプリ内課金で得るのではなく、後述の王国に建築した家で楽しむミニゲームなどでゲットする仕組みです。

その王国は、キノピオラッシュでカッコイイプレーをきめて、応援してくれるキノピオが増えると、自分の王国に来てくれて、発展していきます。

また獲得したコインで家や植え込みなどを配置して、自分の街を作っていく仕組み。家の中では毎日ミニゲームが遊べて、コインの獲得やチケットなどのボーナスが手に入ります。

マリオらしいゲーム

一通り遊んでみて、自分の街を作ったり、友達と対戦できる、という点はスマートフォンゲームらしいポイントにも思います。しかし課金で強くなったりするのではなく、やり込みだけが強くなる方法、という点はゲームの性格だと思いました。

キノピオやコインなどの獲得につながる、という仕組みは、ぐっとファミコン時代のゲームの楽しさに引き戻されたような感覚があります。リアルタイムではありませんが、友達との対戦も白熱しそうですし、ゲーム外のコミュニケーションも盛り上がりそうです。

クリスマスシーズンにリリースされたマリオ、どれだけの人々が遊ぶのか、また数字も含めて追いかけていきたいと思います。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

松村太郎の「情報通信文化論」

税込330円/月初月無料投稿頻度:月4回程度(不定期)

米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

松村太郎の最近の記事