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出掛ける前からジャズ気分:ペーテル・エトヴェシュの音楽@東京オペラシティ コンサートホール

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

5月22日(木) 開演 19:00

会場:東京オペラシティ コンサートホール

出演:ペーテル・エトヴェシュ(指揮)、マルティン・グルービンガー(パーカッション)、NHK交響楽団

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ペーテル・エトヴェシュの音楽

日本初演となる自作3曲と、同郷の作曲家リゲティの2曲

作曲家/指揮者エトヴェシュを知る絶好の機会

更級日記にもとづく『レディ・サラシナ』、チェーホフの原作をカウンターテナー3人が演じる『三人姉妹』といったオペラ、スペース・シャトル「コロンビア号」の宇宙飛行士への追悼をこめて書かれたヴァイオリン協奏曲《セブン》などで知られる、作曲家ペーテル・エトヴェシュ。本演奏会で取り上げる自作3曲はいずれも日本初演となります。

《スピーキング・ドラム》は、2013年9月29日、モンテカルロで初演されたばかり。ソリストは言葉を発声しつつ演奏もする、超絶技巧が要求される作品で、2月にエトヴェシュ指揮マーラー室内管とドイツ国内3公演を大成功させたグルービンガーのソロに期待が高まります。

●演奏予定曲

リゲティ:メロディーエン(1971) 

エトヴェシュ:スピーキング・ドラム

〜パーカッションとオーケストラのための4つの詩(2012/13)[日本初演]

リゲティ:サンフランシスコ・ポリフォニー(1974) 

エトヴェシュ:鷲は音もなく大空を舞い(2011, revised ver.2012)[日本初演]

エトヴェシュ:ゼロ・ポインツ(1999)[日本初演]

引用:ペーテル・エトヴェシュの音楽|コンポージアム2014[ペーテル・エトヴェシュを迎えて]

ペーテル・エトヴェシュ (c)Marco Borggreve
ペーテル・エトヴェシュ (c)Marco Borggreve

東京オペラシティの主催で「世界中の若い世代の作曲家に創作を呼びかける」オーケストラ作品作曲コンクールがコンポージアム。

毎年1人の作曲家が審査員を務めるユニークさで知られるこのコンクール、16回目を迎える2014年の審査はペーテル・エトヴェシュに委ねられました。

ペーテル・エトヴェシュは、1944年に当時ハンガリー領だったトランシルヴァニア地方のセーケィウドヴァルヘィで生まれた現代音楽の作曲家です。

“ペーテル・エトヴェシュの音楽”と題された当夜は、エトヴェシュ自身の作品と、彼と同郷の作曲家リゲティの作品を取り上げ、自らの指揮で演奏。

日本初演となる3作品を含めて、優れた現代音楽作品の生の息吹に触れる貴重な機会を見逃すわけにはいきません。

♪zeroPoints (1999)

♪Martin Grubinger spielt "Speaking Drums"

♪Jazz improvisations from "Le Balcon"

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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