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【JAZZ LIVE】魅惑のデュエットで極上のリラックス|マット・ダスク w/ 青木カレン@BNT

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、マット・ダスクと青木カレンによるジャズ・デュエットを披露してくれるステージ。

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『Matt & Karen Lost in Rio』
『Matt & Karen Lost in Rio』

2015年10月にデュエット・アルバム『MATT & KAREN LOST IN RIO』をリリースしたマット・ダスクと青木カレンのアルバム発売記念ライヴだ。

マット・ダスクは1978年カナダ・トロント生まれで、2004年にアルバム『トゥー・ショッツ』を引っさげてシーンに登場するや、貴重なクルーナーとして注目を浴び、一躍世界のジャズ・ヴォーカル・ファンから“21世紀のフランク・シナトラ”と認められたニュー・スターだ。ちなみにクルーナーとは、ささやくような発声のクルーニング唱法を用いるシンガーのこと。

青木カレンは、アカペラのユニットなどでの活動を経てジャズに傾倒し、2006年にアルバム・デビューを果たすと意欲的に作品作りに傾倒し、新たな“歌姫”としてジャズ・ヴォーカル・シーンのみならずクラブ・シーンやファッション・シーンからも注目される存在。2012年には初のニューヨーク公演を成功させジャズ・シンガーとしてのステップを大きく引き上げた一方で、数多くのテレビや映画の主題歌や挿入歌も担当してその彩り豊かな歌声をお茶の間に広めている。上戸彩酒宴のフジテレビ系ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち」のメインテーマが話題になったことは記憶に新しい。

青木カレンへの取材によれば、この2人が出逢ったのは2013年に開催された第12回東京JAZZのためにマット・ダスクが来日した際のこと。同じレーベルだったことでウェルカム・パーティーの席で紹介された2人はすぐに意気投合したそうだ。

なにか共同作業できればいいネという、通例では社交辞令に終わることの多い挨拶が具体化していったのは2014年も終わるころのこと。“お互いにとことんコダワる”という2人が満足できる点に到達したのが、『MATT & KAREN LOST IN RIO』だったということだ。

リラックスの新境地を切り拓く2人の邂逅

コダワリの結晶ではあるものの、そのコンセプトは「“大人”と呼ばれる世代の人たちがリラックスして楽しむことのできる内容」とすることで一致した2人。

その成果を経て、場所をスタジオからステージに移して挑む“大人”のライヴなデュエットを構築していこうというのが、当夜の見どころとなるだろう。

エンタテインメントとひと言では括りきれない2つの個性をどのように“デュエット”というひとつの完成品へと昇華させようとするのかーー楽しみだ。

では、行ってきます!

●公演概要

11月12日(木) 1st 開場17:30/開演19:00 2nd 開場20:45/開演/21:30

11月13日(金) 1st 開場17:30/開演19:00 2nd 開場20:45/開演/21:30

会場:ブルーノート東京(東京・南青山)

出演:マット・ダスク(ヴォーカル)、青木カレン(ヴォーカル)、ブラッド・グッド(トランペット)、スティーヴ・マクドナルド(サックス)、エイドリン・ファルジア(ピアノ)、ロス・マッキンタイア(ベース)、ベン・ライリー(ドラムス)

♪MATT DUSK with special guest KAREN AOKI : BLUE NOTE TOKYO 2015 trailer

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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