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【秋スイーツ】夏が終わり、かき氷でブームを起こしたマンゴーチャチャは何を想う?

東龍グルメジャーナリスト
マンゴーチャチャの秋スイーツ

今年ブームとなったスイーツ

今年ブームになったスイーツとして、あなたなら何を挙げますか。

人気が続くパンケーキやフレンチトースト、クロナッツなどのハイブリッドスイーツ、いまだ行列が絶えないポップコーンを挙げたりする人が多いと思います。しかし、今年最も勢いがあったスイーツを挙げるとすれば、かき氷ではないでしょうか。

かき氷は、「【最高級かき氷】ザ・リッツ・カールトン東京 ドンペリニョン ロゼのかき氷はどのようにして生まれたか?」でもご紹介したように、高級ホテルであるザ・リッツ・カールトン東京でも力を入れていたり、ぐるなび旬ワードでも取り上げられているくらいなのです。

かき氷ブームにのったマンゴーチャチャ

このかき氷ブームの追い風にうまく乗り、大きく注目されたスイーツ店があります。

それは、「【台湾スイーツ】マンゴーチャチャは「元カレ」「モテキ」からオレンジの愛を届ける」でご紹介したマンゴーチャチャです。

今年は台湾スイーツもヒットしたので、台湾スイーツとかき氷という2つの流行が見事にマッチした、マンゴーチャチャの台湾かき氷がブームにならないわけはありません。

しかし、かき氷の季節である暑い夏はもう終わりました。かき氷で注目された店も苦戦していると聞きます。

こういった状況の中で、マンゴーチャチャは一体どうしているのでしょうか。

5つの新スイーツ

マンゴーチャチャ ジャパンを運営するセドナグローバル株式会社CEOの宮下美智子氏は「2014年10月1日から『マンゴーづくしの新秋スイーツメニュー』をご提供している。3ヶ月の開発期間を経て、ワッフル、パンケーキ、トースト、タルト、バウムクーヘンの新商品を出した」と話します。

これまで、マンゴーチャチャにはかき氷は何種類もありましたが、それ以外のスイーツはマカロンしかありませんでした。新しい商品を開発するには時間がかかるだけに、5つものスイーツが同時に発売されたことは驚きに値します。

これに対して宮下氏は「多くの商品を同時に発売したが、味に納得できないと商品化しない。最初は7つのスイーツを予定していたが、どうしても納得できず、最終的に5つになった」と、数だけではなく質にもしっかりとこだわったと述べます。

かき氷だけではない

マンゴーチャチャはかき氷のイメージがあると伝えると、「マンゴーチャチャは、かき氷ブームにのる形で注目されたが、かき氷だけのスイーツ店ではない。例えば、香港のマンゴーチャチャではパンケーキが人気となっている」と説明します。

では、これまでは何故かき氷しか発売していなかったのでしょうか。

これに対しては、「暑い夏を目前にオープンしたので、かき氷で勝負した。次のメニューは秋の目玉メニューとしてご提供し、その季節にあったにマンゴースイーツを楽しんでいただこうと考えた」と答え、戦略的に段階を踏んでスイーツを投入したと説明します。

加えて「日本では、マンゴーを使ったスイーツは夏に限定されており、マンゴーロールケーキやマンゴータルトは夏にしか発売されていないことが多い。しかし、マンゴーはスイーツにはもちろん、料理にもよく合う。日本の四季それぞれに合わせて新メニューを開発していくので、是非味わっていただきたい」と意気込みを語ります。

シロップやジャムもオリジナル

オリジナルジャム
オリジナルジャム

宮下氏は「夏は暑いので冷たいマンゴーかき氷、秋は食欲が出てくるのでボリューム感のあるマンゴースイーツ、冬には体が温まるようなマンゴースイーツをご提供したい」と述べ、「香港と日本ではお客さまのニーズも異なる。香港で定番となっているパンケーキをご提供しているが、『乙女のバウム』『三角関係』『チャチャタルト』は日本向けに独自に開発した」と話します。

さらには「シロップやジャムも新しく開発した。マンゴーだけを使って、これまでと同様に無添加・無着色で作っている。パンケーキやワッフル、トーストとの相性は抜群」と、マンゴーへのこだわりも引き続き変わりません。

宮下氏が開発したマンゴーチャチャの秋スイーツをご紹介しましょう。

マンゴーパンケーキ

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ふんわりパンケーキに甘さ控えめのふわふわホイップクリーム、マンゴーアイス、主役のマンゴーをふんだんに使ったパンケーキです。仕上げは無添加マンゴーシロップと白糖です。

重たいパンケーキが多いので、軽く仕上げたという一品です。パンケーキにマンゴーシロップ、マンゴー果肉と、ホイップクリームの組み合わせがよく合っています。

三角関係(マンゴートースト)

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トーストにマンゴー果肉のみでつくったジャムとホイップクリームのミックスです。果肉とマンゴーアイスでトッピングしています。

トーストの形から名前をイメージしたということです。朝食を食べている時、トーストにマンゴーが合うのではと思い付いた一品。カリカリに焼いた三角形のトーストに、ジャムを合わせるだけでおいしさが倍増します。ホイップクリームを合わせると軽やかになるので、おすすめです。

乙女のバーム

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マンゴー果肉入りのバームクーヘンに、ホイップクリームとマンゴーたっぷりです。

いくつになっても女性には乙女心があるので連想された名前です。マンゴー果肉はバウムクーヘンに負けていませんが、マンゴーの香りはあくまでも自然。バウムクーヘンにマンゴー果肉が合わされているのは面白いです。

メアリーワッフル

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表面はさっくりワッフルにたっぷりマンゴーをのせ、ホイップクリームとアイスがのっています。仕上げは無添加マンゴーシロップと白糖です。

ワッフルとワッフルが合わさっているので、結婚をイメージしてメアリーと名付けました。さっくりとした生地は、マンゴーの柔らかさとよいコントラストです。

チャチャタルト

チャチャタルト(果肉・ジャム)
チャチャタルト(果肉・ジャム)
チャチャタルト(マンゴー果肉)
チャチャタルト(マンゴー果肉)

果肉・ジャム、マンゴー果肉のつぶつぶが入ったものと、マンゴーのみで作ったジャムの2種類です。どちらも自然のマンゴーそのままで、マンゴーとチーズタルトの相性が抜群です。

マカロンと同じ有名パティスリーに製作を依頼したという渾身の一作。何度も何度も試作を重ね、最も苦労したということだけあって、完成度が高いです。

マンゴー果肉はチーズクリームと非常に相性がよいので万人受けし、マンゴージャムはメリハリの効いていて通好みです。

マンゴーランドの夢

宮下氏は「マンゴーをどうやったらもっとおいしく食べられるかを、いつも考えている。もっと身近に食べていただきたいので、『チャチャタルト』と『乙女のバウム』はご配送も承っており、インターネットでも注文できるようにした」と語ります。

今後のビジョンを訊くと「ディズニーランドのように夢を与えられるマンゴーランドを作りたい。マンゴーのオレンジ色で多くの人を楽しませ、幸せにするテーマパークにしたい」と想いを述べます。

マンゴーチャチャはこの夏、かき氷で注目されましたが、宮下氏は秋や冬を超えて、その先にある未来をしっかりと見据えています。マンゴーランドが落成式を迎える日まで、季節のマンゴースイーツを食べながら待っていましょう。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

参考

マンゴーチャチャについてはスイーツ図鑑でも詳しく紹介されていますので、ご参考にどうぞ。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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