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愛知の車は「巨大な銃弾」。歩行者にも緊張感が必要だ

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:危険潜む車線変更(中日新聞)

中日新聞が愛知県内版ページで「交通死 脱ワーストへの道」という連載をしている。切り抜き保存できるように記事の大きさを毎回揃えるほどの力の入れようだ。

今朝の紙面では、渋滞から抜け出すための車線変更が衝突の危険を増すことを事故例付きで解説。運転が下手でめったに車線変更をしない僕には関係ないと思っていたら、二車線道路の交差点で対向の直進車(渋滞中の車線)に譲ってもらって右折進入したら、もう一つの車線から直進してきた対向車にぶつかったケースを紹介していた。危ない、危ない……。

車同士だけでなく、歩行者も注意が必要だ。東京から愛知に引っ越してきて感じるのは、圧倒的な車優先社会であること。歩行者用の青信号の時間がやたらに短いのは、歩行者と走行車の数を比較しての結果だろうからまだ許せる。しかし、横断歩道を渡ろうとしても止まる車は少ないのは困る。

運転者は「車の流れを止めると追突される恐れがある」と弁解するかもしれないが、中日新聞も指摘するように「最短時間で行ってやろう」が本音ではないか。愛知県には、道順も運転も日々カイゼンすることに情熱を燃やす人が多すぎる気がする。

歩行者としては、横断歩道で幼稚園児のように左右を何度も確認しなければならない。たまに止まってくれる車には頭を下げながら小走りで横断する。なかなかのストレスである。地元の友人にちょっと文句を言ったら、「こっちの車校(自動車学校)では横断歩道は歩行者優先とは教えない。というか、横断歩道って何?」と笑えない冗談で返してきた。

思わず愚痴っぽくなってしまったが、愛知県人の運転マナーを改善しようとは思わない。この県では車道をますます広くて快適にしているので、スピードを抑えるのは難しいからだ。できるだけブレーキを踏みたくない人がむしろ増えているのではないか。自動運転の車が主流にでもならない限り、脱ワーストは達成できないだろう。

ならば、自分の身は自分で守らねばならない。考えてみれば、東京で住み暮らしていたときはあまりに歩行者優先なので道路の危険性を軽視し過ぎていた。運転者が極度の注意を払って走っていることがわかっているので、歩いていて車に危険を感じたことはあまりない。

でも、もし暴走車にひかれたら、怪我したり死んだりするのは生身のこちらのほうなのだ。どんなに謝られてお金をもらっても釣り合わない。

自動車は猛スピードで自在に走る鉄の塊だ。電車のようにプロ運転手がレールの上を時刻通りに走っているわけではない。一歩外に出たら、不注意なドライバーが突っ込んでくるかもしれない。ジャングルに住む小動物のように、五感を目覚めさせて危険を回避したい。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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