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ドラゴンズ山本昌広投手で知る「若さ」の賞味期限と維持方法

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:50歳現役に太鼓判!!(中日スポーツ)

新聞休刊日になると、愛知県内の新聞売り場は「中スポ」一色になる。メインはもちろんドラゴンズ情報。今朝の1面は、山本昌広投手(48歳)がプロ野球同級生たちとのイベントで世界最年長勝利へのエールをもらった、というもの。僕たち30代にも励みになるニュースだ。

同時に、プロスポーツの世界で40代後半の選手が活躍することは奇跡に近いのだと改めて知る。集まった同級生の代表格は元ヤクルト監督の古田敦也。今でも有名人だけど現役選手だったのは遠い昔だった気がする。打撃に人生を賭けている若者たちに打たれないレベルの球を投げ続けるのは、並大抵のことではないだろう。山本昌、すごすぎる選手だ。

スポーツ選手の平均年齢を追い抜いてしまったのはいつごろだろうか。かつてはおじさんスポーツだったゴルフでも最近は10代20代の活躍が目立つ。フィギュアスケートの試合をテレビでぼんやり見ていて、大学生のような若い選手が「今季限りの引退」を表明したりすると愕然とする。

医療や福祉の進歩は日本人の延命に大きく貢献した。男性の平均年齢も80歳に迫る勢いだ。美容と食事の改善によって見た目の若さも延ばすことができた。経済発展と高学歴化は精神的に若いままでいることを助長している。個人的には40歳で成人式を迎えたいぐらいだ。

しかし、体の中身は20代前半で早くもピークに達し、その後の60年間は老い衰えていく一方なのだとスポーツ選手たちが教えてくれる。僕も気づかないうちに低い山頂に達していて、それからずっと下り坂を歩いていたのだ。もともと少ない体力がさらに減っていくなんて困るなあ。かといって、わざわざ着替えて運動するは面倒くさい。外は寒いし……。

中スポ記事によると、山本昌はトレーニングを継続するだけでなく、グラブも改良しているらしい。ボールを捕るポケットの位置を変えて、フィールディング(ピッチャーゴロなどの処理)をしやすくするという。地道だけど知的な努力だ。

人生には不確実なことが多くて、5年後10年後のキャリア目標を立てることはあまり意味がないと思う。僕の場合は、好きになった人がたまたま愛知在住だったので愛知県三河地方に移り住み、ヤフーの人から声をかけられて本連載を思いついた。地方暮らしやコラム執筆も意外と楽しいな、と感じている。で、今は「地方発のコラムニスト」を名乗ろうかと思っているが、来年は新しい事態に直面して別のことを言っているかもしれない。

ただし、確実なことが一つだけある。生き続ける限りは老い続けていくことだ。死ぬ直前まで自分の足で歩いておいしいものを食べたい。それだけは明確な目標だ。ならば、山本昌のように工夫と努力をしなければならない。僕の場合はプロスポーツで戦うわけではないので気は楽だ。

散歩なら着替えなくてもできる。寒くてサボりがちだったけれど、1日1万歩を目指して再開しようかな。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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