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都会のSUVは「見栄消費」。チノパンも軽自動車に乗り替えよう

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:「軽」首都圏でも快走(日本経済新聞)

先月末に投稿した「おそらく一生復帰できないチノパン。他人事ではまったくない」に寄せられたツイートを見ていたら、「SUV(スポーツ多目的車)に乗っていたのが原因の一つ」という内容があった。本当にチノパンがSUVに乗っていたのかは知らないけれど、道が細くて歩行者が多い都会でも大きな車に乗っている人をよく見かける。なぜなのか。

SUVのことをネットで検索してみたら、広い国土と舗装されていない道路が多いアメリカが発祥らしい。デコボコの道をひたすら走るには頑丈で安定性のある車が向いている。道幅も広くて歩行者も少ないので人をひいてしまう危険性は低いのだろう。

日本の都会でSUVに乗っている人の半分ぐらいは「見栄」だと思う。車は所得層を示しやすいからだ。お金のない学生でもルイヴィトンを持ち歩いている日本では、服装や所持品では階層を見分けにくい。しかし、高額消費となる車は別である。駐車場に高級車がズラリと並んでいるマンションは「さすが」と思うし、軽自動車ばかりのところは「やはり」と感じてしまう。

友人の女性カメラマンは独立するときに師匠から「仕事では外車に乗れ。できればベンツ」とアドバイスを受けたという。仕事がいっぱいあって稼いでいるように見せると、「人気のあの人にうちも頼みたい」と次の仕事につながるらしい。その女性は、「女ひとりで小さな車に乗っていると後続車からあおられたりする。黒のベンツに乗り替えてからは一切なくなった」とも強調していた。

ベンツのディーラーをしている知人は、「事故したときにベンツの堅牢性がわかる。乗っている人の身体をこんなに守ってくれる車は他にない。軽自動車なら内部までペシャンコだよ」と豪語していた。確かにそうかもしれないが、ぶつかった相手のことは考慮に入れていないと思った。

今朝の日経新聞によれば、高齢者や若い世代を中心に首都圏でも軽自動車の需要が伸びている。駐車スペースが狭くて1台しか自動車を保有できない場合でも、普通車ではなく軽自動車を選ぶ人が増えているのだ。シニアと若者に共通するのは、見栄をはるお金も必要もないことだろう。

昨年1月の事故以来、チノパンは車を運転していないらしい。その気持ちはわかる気がするけれど、住む環境などが変わったら運転が必須になるかもしれない。そのときは軽自動車に乗ったらどうだろうか。

軽自動車も鉄の塊を高速で動かすことには変わりはないが、SUVよりは見通しも小回りもきくし、重量も軽い。車同士でぶつかったらペシャンコになるのはこちらなので運転も慎重になるはずだ。smart(二人乗りの小型ベンツ)に乗るよりも「反省して見栄を捨てた」感をアピールできると思う。

一度身につけた見栄やプライドを捨てるのは本当に難しい。でも、何かをきっかけに捨てることができれば、意外とスッキリした平穏な生活を過ごせるかもしれない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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