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マラソン解説のプロ・増田明美を冬季五輪報道にも起用してほしい

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:両エース沈む(日本経済新聞)

天気予報を見ようと思ってテレビをつけたら、各局ともジャンプ女子の高梨沙羅選手がメダルを逃したニュースを流していた。3位と4位にそれほど差があるとは思えないが、とにかくメダルが大事らしい。

新聞も同様だ。今朝の日経新聞のスポーツ欄では、「両エース沈む」と題してスピードスケート男子500メートルで加藤条治選手と長島圭一郎選手がそれぞれ5位と6位に終わったことが大きな記事になっていた。

ウィンタースポーツのほとんどは普段はニュースにもならないのに、相対的な順位にだけ注目して報じられても興味がわきにくい。メダル獲得競争に特化した報道姿勢は、10代20代の選手たちに無用のプレッシャーを与えている気もする。

海外で練習や試合を重ねる選手が多い現代で、国ごとのメダル獲得数に一喜一憂する発想は古い。日本人選手の活躍=国威発揚=日本人である自分が誇らしい、というアホな思考を持つ人はもはや少ないと思う。競技そのものや外国の選手にも関心が持てるような記事が見たい。

そこで起用してほしいのが元マラソン選手でスポーツ解説者の増田明美さんだ。僕が増田さんのすごい取材力と解説を知ったのは、昨年1月23日放送の『マツコ&有吉の怒り新党』だった。増田さんが綿密な取材にもとづく各選手の私生活情報を解説中にちょいちょい入れて来る様子が紹介されていて、大いに笑わせてもらった。

増田さんは、日本人選手だけでなく、強面の外国人選手の好きな食べ物や趣味、家族関係なども愛情を込めて語っていた。すると、誰が勝っても喜べる気持ちになり、マラソンというスポーツ自体の奥深さに関心を向ける余裕が生まれる。増田さんの狙いもそこにあると思う。

オリンピックはスポーツの祭典だ。勝ち負けやメダル獲得にこだわって精一杯の努力をするのは選手本人だけでいい。選手たちが必死に滑ったり転んだりしている姿の全体が人間賛歌である祭なのだと思う。汗ひとつかかない僕たち観客がすべきことは、彼らの驚くべき体力や運動神経に敬意を表し、喝采を送るだけだ。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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